■「第12回東京国際映画祭」クロージング・レポート
(11月7日(日)/渋谷Bunkamuraほかにて)









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10月30日(土)から11月7日(日)までの9日間、渋谷で開催された第12回東京国際映画祭が無事閉幕した。


クロージング作品『ターザン』への期待か、それとも終映後のフィル・コリンズライブの効果か……憶測の域は出ないが、当日会場は、長蛇の列。開場前からオーチャードホール前は、報道関係者も含む人、人、人の波。15:30を少し過ぎたところで開場を迎えると、場内はあれよあれよと言う間に観客で埋め尽くされた。

オープニング・セレモニーと同様、クロージングの司会進行も朝岡聡氏が担当。コンペティションの舞台挨拶とティーチインの進行を務めた襟川クロ氏、英語通訳の鈴木小百合氏コンビの姿も壇上に。そして、世界52ケ国、457作品の中から選出されたコンペティション部門16作品中、14作品が対象となった東京ゴールド賞(賞金1,000 万円)、最優秀芸術貢献賞、最優秀男優賞、最優秀女優賞、最優秀監督賞、審査員特別賞、東京グランプリの7つの授賞結果発表の前に、コンペティション参加作品全16本が、襟川氏のコメントつきでスライド映写された。客席からは、気に入った作品への拍手が送られていた。



コンペティション国際審査委員長のカレル・ライス氏、国際審査委員の5名(マリルー・ディアス=アバヤ、ペター・オールベック・ヤンセン、フリオ・メデム、松坂慶子各氏)を舞台に迎えて、委員長の「大変、大切な決断に対しては、ほとんど満場一致でセレクトされました」というコメントと共に授賞結果の発表が行われた。 今回は、前日に発表されたアジア映画賞受賞作品でもある『ダークネス&ライト』が、東京グランプリ・東京ゴールド賞(賞金1,000万円)を独占授賞して会場を湧かせた。 都合により帰国したチャン・ツォーチ監督に代わって、同作品でヒロインを演じたリー・カンイが、監督から預かった言葉として「本当に、ラッキーでした。そして、選んで下さった審査員の方々、私たちの作品を気にいって下さった皆様方にお礼を言いたいと思います。本当にありがとうございました」と述べた。

そして、審査員のフリオ・メデム氏より、賞金1,000万円とトロフィーが、東京都副知事より麒麟像が贈呈された。最優秀男優賞と最優秀女優賞を授賞したのは、『アローン 〜ひとり〜 』のカルロス・アルバレス=ノボア、マリア・ガリアナで、この2人に代わって2度舞台に立った監督のベニート・サンプラノ氏は、授与された豪華な贈呈品を前にして、「これからは私も俳優に転向しようか」とユーモアを交えてコメントした。


授賞者たちの写真撮影の後、セレモニーは、財団法人東京国際映像文化振興会理事長、東京国際映画祭実行委員会の徳間康快ゼネラル・プロデューサーの言葉で閉会したが、その中で徳間氏は、来年2000年の映画祭にふれて、「来年は、10月28日(土)から11月5日(日)までの9日間「第13回東京国際映画祭を開催させていただきます。場所も、同じ渋谷オーチャードホールを中心とした渋谷全域で行うことを予定しています。特に、2000年には、英国、ドイツ、香港、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の4ケ国から当映画祭への参加申し込みが来ております。また、 2001年には、ロシアのモス・フィルムからすでに申し込みを受けております。この件を検討し、来年も盛大に映画祭を行いたいと思っております」とコメント、すでに来年への期待を感じさせながらの幕切れとなった。


この後、『ターザン』のスーパーバイジング・アニメーター、グレン・キーンと、主題歌を担当したフィル・コリンズ両氏の舞台挨拶が行われ、作品上映後、今回の目玉企画、フィル・コリンズ・プレミア・ライブに突入した。'80年代の大ヒット曲「イージー・ラバー」でスタートしたコンサートは、日本語によるMCを3回ほどはさみながら進行し、中盤には観客のほとんどが立ち上がって、アンコールを含む約1時間のライブを心から楽しんでいた。






















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