「第24回東京フィルメックス」授賞式
●2023年11月26日有楽町朝日ホールにて
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●司会者:皆様、大変お待たせいたしました。 本日は第24回東京フィルメックスにご来場いただきまして誠にありがとうございます。 11月19日、日曜日から数々の作品を紹介してまいりました東京フィルメックスですが、本日無事に最終日、そして授賞式を迎えることができました。この授賞式では、東京フィルメックスコンペティションで上映された作品の中から3名の学生が審査いたしました学生審査員賞の発表と、3名の国際審査員が厳正に審査した結果選ばれた最優秀作品賞と審査員特別賞を発表いたします。また、25日までに上映されました全プログラムを対象に、ご来場の皆様から選ばれた観客賞、こちらも合わせて発表させていただきます。さて、授賞式を進めてまいりますが、東京フィルメックス各賞受賞者の発表の前に、タレンツ・アワード受賞者のご報告をさせていただきます。

東京フィルメックス会期中に実施しております映画分野の人材育成プロジェクト、タレンツ・トーキョー 2023は、東京都、アーツカウンシル東京、タレンツ・トーキョー実行委員会の共催及びベルリン国際映画祭との提携、ゲーテ・インスティトゥートの協力によりますこの事業として、11月20日、月曜日から25日、土曜日の6日間にわたりまして、 アジアから17名の映画の未来を担う人材が参加いたしました。11月23日、木曜日には、自身の企画を発表する公開プレゼンテーションが行われまして、講師陣が審査した結果をこちらでご報告いたします。今年は2つの企画にスペシャル・メンションが授与されることになりましたので、発表させていただきます。スペシャルメンションは、アンジェリーナ・マリリン・ボクさんの『Free Admission』、そしてオーツ・インチャオさんの『Water Has Another Dream』です。 おめでとうございます。

ありがとうございます。それでは続きまして、タレンツ・トーキョー・アワードを発表させていただきます。タレンツ・トーキョー・アワードに選ばれましたのは、サイ・ナー・カムさんの『Mangoes are Tasty There』です。サイ・ナー・カム監督からビデオメッセージが届いておりますので、皆さんスクリーンにご注目ください。

はい、ありがとうございました。 本当にありがとうございますということと、そしてプロジェクトが少し止まってしまったりしたこともありましたが、リスタートを切ることができてよかったと、 そしてあらためてサポートをありがとうという、そんなメッセージをいただきました。サイ・ナー・カム監督、あらためておめでとうございました。


それでは、東京フィルメックスの各賞受賞者の発表に参りましょう。まずは観客賞の発表に行きたいと思います。 観客賞は、11月25日までに上映されましたプログラムを対象に、上映後のお客様の投票によって選ばれます。 それでは、発表させていただきます。第24回東京フィルメックス観客賞は、ゾルジャルガル・プレブダシ監督の『冬眠さえできれば』です。おめでとうございます。ゾルジャルガル・プレブダシ監督からビデオメッセージが届いておりますので、皆さんご覧ください。


■ゾルジャルガル・プレブダシ監督:『冬眠さえできれば』の監督のゾルです。今回、『冬眠さえできれば』が東京フィルメックスで観客賞を受賞することになりまして、本当に嬉しく思っております。東京の観客の皆様、本当にありがとうございました。『冬眠さえできれば』は、本当にたくさんの人の愛と親切の気持ち、そういうたくさんの努力で作られた映画です。あまりにも恵まれていない環境に生活する子供たちの声を映画で叫びたい、彼らに良い機会を与える映画を作りたい、映画を作ってたくさんの人に見せたい、そして、モンゴルの社会、あるいはこういう環境に住んでいる子どもたちに、いろんな良い影響を与えられる社会を作りたいという、たくさんの人の願いで作られた映画です。そういう意味で、こうやって心から作られた映画が観客の心まで通じていることを本当に嬉しく思っております。本当にありがとうございます。

●司会者:観客賞の授与は、東京フィルメックスプログラムディレクターの神谷直希より行います。神谷ディレクター、ステージにお願いします。はい。本日はですね、この映画の共同プロデューサーのバトヒシグ・セド・アユシジャヴさんと出演のガンチメグ・サンダグドルジさんがご来場されておりますので、 ステージにお呼びしたいと思います。それでは、バトヒシグさん、ガンチメグさん、ステージにお願いします。

おめでとうございます。バトヒシグさん、ガンチメグさん、神谷ディレクター、どうもありがとうございました。はい。 それでは続きまして、学生審査員賞、審査員特別賞、最優秀作品賞の発表へと移りますが、ここで審査対象となりました東京フィルメックスコンペティションの8作品をご紹介させていただきますので、皆さんスクリーンの方にご注目ください。


それではまず、学生審査員賞の発表です。学生審査員の皆さんをステージにお呼びしたいと思います。中山響一さん、大権早耶佳さん、藤崎諄さん、ステージにどうぞ。

はい。それでは、学生審査員の皆さんから発表をお願いしたいと思います。受賞理由を藤崎さんからお願いします。


■藤崎諄さん:目の前で生きているような彼らの自然な会話から物語が立ち上がっていく、巧みな脚本と映像設計に魅了されました。人々と共に描かれる街の変化と、その中で変わらないもの、バスに揺られていくラストの余韻が心地良かったです。開発が進み変わっていく街の中で記憶を紡ぎ、覚えていることが世の中に対する希望なのではないでしょうか。

●司会者:はい。藤崎さん、ありがとうございます。それでは、受賞作発表を大権さんからお願いします。

■大権早耶佳さん:受賞作品は『ミマン』になります。おめでとうございます。

●司会者:学生審査員賞は、キム・テヤン監督の『ミマン』に決まりました。キム・テヤン監督、ご来場されておりますので、ステージにお呼びしたいと思います。キム・テヤン監督、お願いします。

それでは、賞状をお渡しください。キム・テヤン監督、おめでとうございます。せっかくですので、一言ご挨拶をお願いいたします。


■キム・テヤン監督:こんにちは。皆さんお会いできて嬉しく思います。いつも映画で、観客の皆さんにお会いするのはいつもワクワクすることです。観客の皆さんは知らない方ばかりなんですけれども、なんとなく親しみを感じます。前の列に座られてる皆さんは映画関係者だと思われるんですけれども、映画人の皆さんも、個人的には知らないんですけれども、同僚愛、仲間意識のようなものを感じます。なので、映画を愛する皆さんの前に立つことは光栄なことだと思います。この光栄な場に立たせていただいたことを嬉しく思いまして、私の映画仲間を皆さんにご紹介したいと思います。もしできれば、ちょっと立っていただけますか。皆さん、拍手をお願いいたします。

映画の先生に言われた言葉があるんですけれども、映画を作る時は、たくさんの人が関わって作るという話をしました。そして、映画が公開されますと、観客の皆さんもその一員になります。そのこと自体ですね、本当にロマンチックで、そして大切な経験だから、映画を作る時は、 申し訳ない気持ちで作るのではなく、ありがたい、感謝する気持ちで映画を撮りなさいというふうに言われました。これからも映画を撮り続けられるように頑張りたいと思います。ありがとうございました。


●司会者:それでは、続きまして、最優秀作品賞、審査員特別賞の発表となります。発表の前に、国際審査員の皆さんをお呼びしたいと思います。クオ・ミンジュンさん、 アノーチャ・スウィチャーゴーンポンさん、ワン・ビンさんです。どうぞよろしくお願いいたします。

はい、よろしくお願いいたします。それでは、審査員特別賞の発表をお願いしたいと思います。クオ・ミンジュンさん、よろしくお願いいたします。


■クオ・ミンジュンさん:審査員特別賞1作目に関する審査員からのコメントです。現代モンゴル社会の苦難を描いた珠玉の作品です。的確な映画的表現と嘘のない観察で、苦闘する若者たちの姿に寄り添っています。1作目は『冬眠さえできれば』です。

●司会者:おめでとうございます。 ということで、審査員特別賞はゾルジャルガル・プレブダシ監督の『冬眠さえできれば』に決まりました。監督から、またビデオメッセージが届いておりますので、皆さんスクリーンにご注目ください。

■ゾルジャルガル・プレブダシ監督:皆さん、こんにちは。『冬眠さえできれば』監督のゾルです。今回、『冬眠さえできれば』が審査員特別賞を受賞することになりまして、大変嬉しく思っております。東京フィルメックスの皆様、審査員の皆様、本当にありがとうございました。東京フィルメックスは私にとってとってもスペシャルなところです。2017年にタレンツ・トーキョーで、『冬眠さえできれば』が企画段階で参加して、タレンツ・トーキョー・アワードをもらいました。 それがすごく大きい励みになりまして、その時にもらった勇気と自信が、ずっと力をくれて、この映画を作り終わることができました。また、この映画を一緒に作ったフランス人のプロデューサー、フレデリック・コルヴェさんとも、タレンツ・トーキョーの時に初めて出会って、この映画を一緒に作りました。そういうことで、今回、東京フィルメックスで審査員の特別賞をもらうことは、もう本当に何よりも、とっても嬉しい出来事になっております。皆さん、本当にありがとうございました。

●司会者:それでは、共同プロデューサーのバトヒシグ・セド・アユシジャヴさんと出演のガンチメグ・サンダグドルジさんを再びステージにお呼びしたいと思います。それでは、バトヒシグさん、ガンチメグさん、ステージにお願いします。

おめでとうございます。ありがとうございます。それでは、バトヒシグさん、ガンチメグさん、お一言ずつ皆さんにご挨拶をお願いいたします。


■ガンチメグ・サンダグドルジさん:みなさん、こんにちは。実は私、女優で活躍を始めたんですけれども、ナレーションとして20年間務めてまいりました。映画には、実は初めて出演していただくよう、ゾルジャルガル監督からご紹介してもらいました。するとですね、その映画はカンヌまで行かれまして、それから世界を回って、それから今回、東京まで、東京のフィルメックスまで到着したことをとても嬉しく思っています。そして、今回の『冬眠さえできれば』の映画では、モンゴルの子供たちが良い教育が受けられるように、それから、大気汚染がなくなるようにメッセージしている映画なので、今後とも、このメッセージが世界に発表されて、大気汚染がなくなって、子供が良い教育が受けられるように願っています。

●司会者:はい、ありがとうございます。そして、バトヒシグさんもプロデューサーとして、メッセージお願いします。

■バトヒシグ・セド・アユシジャヴさん:実はですね、先ほどもおっしゃったように、私も初めてプロデューサーを務めました。それから、今までドキュメンタリーに関わってきましたが、子供の教育が良くなるよう、平等な教育が受けられるよう、メッセージがありましたので、すぐにゾルジャルガル監督と一緒に務めることを決めました。今回、東京フィルメックスで2回も受賞したことに、本当に、映画チームを代表して嬉しく思っています。ありがとうございました。


●司会者:それでは続きまして、今年はもう1作品ですね、審査員特別賞がございます。発表はアノーチャさん、お願いいたします。

■アノーチャ・スウィチャーゴーンポンさん:この映画は、抑圧の中で生きる若者たちの生活を覗き見る窓の役割を果たしています。制約のある中で、この映画作家は、ユニークで説得力のある方法で攻撃的な体制に立ち向かう力強い映画芸術作品を作り上げました。審査員特別賞を『クリティカル・ゾーン』に送ります。

●司会者:はい、おめでとうございます。ということで、審査員特別賞のもう一作品は、アリ・アフマザデ監督の『クリティカル・ゾーン』に決定しました。 ありがとうございます。監督からビデオメッセージが届いておりますので、皆さんスクリーンをご覧ください。

■アリ・アフマザデ監督:東京の皆さん、こんにちは。オルタナティブなシネマ、アンダーグラウンドムービー、そちらに注目してくださったこと、そして、『クリティカル・ゾーン』を認めてくださったこと、ありがとうございます。受賞を嬉しく思います。審査員の皆さん、ありがとうございます。東京フィルメックスにもお礼を伝えたい気持ちです。いつの日か、その場に参加してお会いできたら(イラン当局によって監督の海外への渡航が禁止されている)。それを楽しみにしています。ありがとうございます。そして、さようなら。

●司会者:はい。ということで、皆さん、今一度、アフマザデ監督に大きな拍手を。はい、ありがとうございました。それではいよいよ最優秀作品賞の発表です。クオ・ミンジュンさんからお願いします。

■クオ・ミンジュンさん:生きることの意味に思いを巡らせる映画です。監督は主人公を取り巻く人々の喪失、過去、欲望、決断を振り返る時間を主人公に提供しています。映画における永遠の探求を野心的かつ愛しげに描いた作品です。最優秀作品賞は、『黄色い繭の殻の中』に送ります。


●司会者:はい、ということで、おめでとうございます。ファム・ティエン・アン監督がご来場されておりますので、ステージにお呼びしたいと思います。ファム・ティエン・アン監督、お願いします。おめでとうございます。では監督、せっかくですので一言お願いします。

■ファム・ティエン・アン監督:皆さん、こんばんは。まず、この夜ここにいて、この賞をもらうことができて、大変光栄です。大変、高貴な賞をいただけて光栄です。そして、まずは、神谷直希さんにお礼を申し上げたいと思っています。この映画がこの映画祭でかかる機会を与えていただいたので感謝しております。2点目は、審査員の皆さんに感謝したいと思います。このような光栄な賞をいただきまして、ありがとうございます。3番目は、日本の観客の皆様にお礼を申し上げます。常に、独立映画を応援してくださって、独立映画の存在をご支持していただいていることを感謝します。また、事務局の皆さん、ボランティアの皆さん、そして、スポンサーの皆さんに感謝したいと思います。このような皆さんのご支援があるので、第24回フィルメックスが、このように素晴らしく実施されています。そして、このいただいた賞が、この私が作った映画とともに、さらに、常に共にあって、映画がさらに遠くに歩けること、また、世界にいる多くの観客の皆さんに届けることができるように、とても強く期待しています。正直お話ししますと、この映画は、多くの人からの支援、あるいは、力を尽くしていただいた皆さん、たくさん貢献してくださった皆さんがいなければ作ることができませんでした。映画を作ったチームの、チームメンバーに感謝したいと思いますし、特に今回は、プロではない役者さんにとても頑張っていただいた映画です。この賞は、彼らのためにも捧げたいというふうに思っております。この賞は大変名誉な賞で、私は誇りに思っています。この誇りを彼らのために捧げたいと思います。ありがとうございました。

●司会者:ファム・ティエン・アン監督、ありがとうございました。それでは最後に、ワン・ビンさんより講評をお願いいたします。

■ワン・ビン監督:皆さん、こんばんは。今回、本当に光栄なことに、このお二人の審査員と一緒に仕事をすることができました。そして、お二人とこの素晴らしいコンペの作品を拝見することができました。そうですね、今回、このフィルメックスに集まった映画というのはですね、アジアの若い映画の作り手たちの素晴らしい作品の数々でした。この若い力のある監督たちが作品を作り続けているということ、このフィルメックスでアジアの作品の状況がよくわかりました。残念ながら、賞が3つしかあげられなかったのですけれども、他の作品も本当に素晴らしい優秀な作品でした。そうですね、このアジアの国々の作品というのはですね、本当に、だんだんと良くなってきているというふうに思います。以前は、本当に限られた国、地域の中で作られた作品しか観られなかったわけですけれども、今はもう本当に、長年、作品もなかったというような国でも、最近は、作品を生むことができるようになりまして、アジアの異なる地域、異なる国の、そしてまた、言語が異なる地域の素晴らしい作品が各地で出てきたということ、これが非常に最近の大きな特徴かと思います。私個人も、このフィルメックスに参加させていただくのは初めてだったんですね。今回、初めてここで、あの素晴らしいお二人とですね、審査員をさせていただきまして、3人とも、非常にこの審査を楽しみました。本当に感謝しています。ありがとうございました。

●司会者:ありがとうございました。受賞者の皆さん、おめでとうございました。そして、審査員の皆さんもありがとうございました。大きな拍手をお願いします。ありがとうございます。以上で、第24回東京フィルメックス授賞式を終了とさせていただきます。