『M:I-2』ジャパン・プレミア舞台挨拶
 6月6日(火)東京国際フォーラム・ホールAにて
●出席者(敬称略):トム・クルーズ、ジョン・ウー(監督)、戸田奈津子(通訳)、襟川クロ(司会)、田中麗奈(ゲスト)

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 6月6日(火)、東京国際フォーラム・ホールAにて、各界からの著名人を招き、『M:I-2』ジャパン・プレミア試写会が盛大に行われた。当日は、すでに午後すぐの時点で、幸運のチケットを手にした人たちが、早い番号の整理券をもらうために行列を作っていた。

レッドカーペットが敷かれた会場入り口には、トム・クルーズとジョウ・ウー監督の到着を待ちわびるファンが、すし詰め状態。まず、最初に会場に到着したのはジョン・ウー監督。集まったファンの傍に行くと握手をし始め、終始ご機嫌な様子。少しでも監督の近くにと前のめりになるファンたちの重圧で人柵となっているガードマンたちの足にもただならぬ力が入っている。

そして、監督到着から少し経った頃、もの凄い歓声が会場の入り口付近で巻き起こった。トム・クルーズの到着である。先ほどにも増して、ファンの人垣は混乱の一歩手前といったところ。トム・クルーズは、到着するとすぐにファンの方へ歩み寄り、ファンとの握手やサインにゆっくりと時間をかけている。この時、ちょっとしたハプニングが起こる。ファンがどんどん前に詰めかけるため、最前列の女子高生が押しつぶされそうになっていたのだ。すると、トムの指示で、ガードマンがすかさず彼女を抱きかかえて人垣の外へ救い出し、トムが彼女に握手とサインをプレゼントする。日本におけるトム・クルーズ株が、再び上昇しそうなエピソードがこの日作られたわけである。一貫して、ファンとのコミュニケーションを大切にする彼の姿勢が十分に伺える入場模様となった。



【舞台挨拶】

●司会者: 大変長らくお持ちいただきました。ようこそ『M:I-2』ジャパン・プレミア試写会にお出でいただきました。さて、大ヒットした『ミッション・インポッシブル』から4年、遂に待望の『M:I-2』日本上陸です。なんと言っても、この夏最大の、いや、今年最高のエンターテイメントと言っても言い過ぎではない。それを今日、日本で、一番早くご覧になれるあなた方は超ラッキーです。やはり、一生懸命映画を見ているといいことがあるという証拠ですね。早速ご紹介いたしましょう。大きな拍手でお迎えください。ミスター・ジョン・ウー!&ミスター・トム・クルーズ!


■(ジョン・ウー): こんばんは(日本語)! 皆さま、今日は本当にありがとうございます。いつも私をサポートしてくれている方々にお礼を申し上げたい。私、いつも日本に来ると感動してしまうくらい、素晴らしい国だと思います。I LOVE YOU。皆さまのために、いい映画を作り続けます。それから、この映画を作ることに協力してくれたパラマウント映画にお礼を申し上げたい。それからUIP、特に、UIP日本の方々にお礼を申し上げたい。本当に、彼らは素晴らしい映画をいつも皆さまに贈ってくれます。みんな一生懸命働く方ばかりです。彼らに対するお礼をあらためて申し上げたい。それから、一言、トム・クルーズと一緒に仕事ができたこと、本当に名誉だと思います。彼は、素晴らしいアクターでありますけれども、素晴らしいプロデューサーであってフィルム・メーカーと言えると思います。ありがとうございますトム・クルーズ。

■(トム・クルーズ): こんばんは(日本語)、日本に来られて本当に嬉しく思っております。子供の頃、夢見た国がこういう日本という国だったんです。こんな国に来られるなんて思ったこともなかったし、まして自分が作った映画を持ってくるなんて想像もしませんでした。いつも、日本の方々は私に温かい歓迎をくださいます。本当に、いつも心から歓迎してもらっています。心からお礼を申し上げます。絶対忘れません。一生忘れません。今日、ジョン・ウーが監督なさった『M:I-2』を持ってこられて大変嬉しく思っております。彼は素晴らしいフィルムメーカーです。一緒に凄い映画を作ったという自信を持っております。もちろん、皆さんがその判断は下すわけですけれども、でも、本当に感謝したいと思います。ジョン・ウー、映画をありがとうございました。そして、今夜、ここに来ていただいた皆さまにお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。また僕を呼んでくださいね。戸田さん、いつも通訳をありがとうございます(通訳者の戸田氏へ)。

●司会者: トム・クルーズさん。今回、とても危険なアクションを一杯やってくれました。大丈夫だったのでしょうか。

■(トム・クルーズ): 信じられないんですけれども、これだけアクションをやって指の骨がちょっとズレただけ。最初にもの凄い絶壁を登るロッククライミングのシーンがあるんですけれども、言っておきますけれども、これは一切、CGを使っておりません。マットも網もありませんし、監督はCGがお嫌いな方なんで、全部生身です。

●司会者: その危険なシーンをやらせてしまった張本人なんですけれども、監督としてどうだったのでしょう。もしかして、ヤレ!ヤレ!という感じだったのですか?

■(ジョン・ウー): ハーフ・アンド・ハーフですね。実際、トムがあまりにも危険なことをするのでビクビクしておりました。でも、スタントは全部自分でやると言ったのはトムなんです。それで、私共の心配をよそに、最初のロッククライミングもした。もちろん、監督としては、スタントを使いたいと言ったけれども、トムは絶対やると言いまして。あれは、3000フィートの断崖絶壁の上でですね。しかも、壁から壁へ飛びうつるんですよね。もちろん、下にはネットもない。でもトムという俳優さんは、ごまかしをして映画を撮りたくないという俳優さんなんで、全部自分でなさった。そんなもので、私は目を覆って見ていました。そして、私は高所恐怖症なもので、余計目を覆っていました。そのシーンが終わった時に、トムが見えませんから、トム大丈夫かって言ったら、トムが返事をして、「監督、僕、大丈夫ですよ。もう1度やりましょう」って。結局、それを7回もやったんです。毎日がハラハラの連続で、私はこの映画のおかげで随分年をとりました。

●司会者: 一番苦労したシーンはどこですか?


■(ジョン・ウー): 全てです。凄いカーチェイスもあるし、フラメンコを踊るシーンもあるんですが、そこも難しかったし、今までの古典的なスパイ映画と違った味を出そうという、つまり、ロマンティックなものも盛り上げたいところも、全て、トムのアイディアが盛り込まれまして、難しいアクションシーンもあるという、こういう映画になりました。

●司会者: そしてトム・クルーズさん。プロデューサーもされて、最初から最後までずっと関わっていたんですよね。

■(トム・クルーズ): ジョンも同じです。

●司会者: 『M:I-3』は?

■(トム・クルーズ): とにかく、作り終えたばかりですので、2を終わらせてください。

●司会者: そうですよね。5月24日に全米公開されて、記録を作って、日本で7月8日からですからホヤホヤですよね。

■(トム・クルーズ): 7月何日ですか?

●司会者: 8日です。

■(トム・クルーズ): 今日は何日ですか?

●司会者: 6月6日です。これが日本で最初のジャパン・プレミアなんです。

■(トム・クルーズ): GOOD、GOOD。今日は本当にありがとう。




この後、女優の田中麗奈が和服姿で会場にかけつけ、ジョン・ウー監督とトム・クルーズに花束を贈呈した。そして、ゲスト降壇後『M:I-2』が上映された。 ― 公開は7月8日(土)、日本劇場ほかにて。

(通訳者の表現をもとに採録。細部の言い回しなどには若干の修正あり)