『ミラクル☆ペティント』/"EL MILAGRO DE P.TINTO"


2000年6月10日よりシネクイントにて公開


1999年/スペイン/1時間46分/カラー/35mm/アメリカン・ビスタサイズ/ドルビーデジタルSRD/日本語字幕:石田泰子

◇製作:ルイス・マンソ ◇監督:ハビエル・フェセル ◇脚本:ハビエル・フェセル、ギジェルモ・フェセル ◇撮影監督:ハビエル・アギレサロベ ◇美術:セサル・マカロン ◇音楽:スソ・サイス ◇編集:ギジェルモ・レプレサ ◇音響:ジェームス・ムニョス ◇映像効果:フェリックス・ベルヘス ◇キャスティング:パコ・ピノ ◇衣装デザイン:ピパ&ミラグロス“エン・エッセナ” ◇メイク:ヘヘ・ゴドイ ◇キャスト:ルイス・シヘス(ペティント)、シルビア・カサノバ(オリビア)、パブロ・ピネド(パンチート=ホセ)、ハビエル・アリェル(小人マルティアン1)、エミリオ・ガビラ(小人マルティアン2)、ハンフリ・トペラ(ウシリョス)、ヘルマン・モンタネル(クリスピン)、トマス・サエス(マルティアン神父)、セヌス・ジムニアック(ルーザー)、カルロス・ソト(少年ペティント)、ゴイザルデ・ヌニェス(少女オリビア)、ホアン・マヌエル・チアペリャ(ペティントの父)





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【解説】



◆スペインで大人気のじいさんキャラクター、ペティント登場!

ダリ、ガウディ、ピカソを生んだスペインから、“フェセル兄弟”、ついに日本上陸! 『バッファロー’66』で一躍クリエイター・シーンのトップに躍りでたヴィンセント・ギャロをフィーチャーしたパルコ+シネクイントが、2000年、巷に押し寄せるラテンの大波に乗ってお届けするのは、スペインからやってきた、ほのぼのキャラクター、ペティントと、その創造者、フェセル兄弟。トゲトゲしくて、ほのぼのしてて、エロスもブラッドも何もない、ファミリー・ファンタジー・SF・ドラマにして、総天然色のブッとびムービー、『ミラクル・ペティント』は、本国スペインで、1998年クリスマスにプレミア上映されるやいなや、大ブレイクのヒットを飛ばし、関連商品(サントラ盤、『ペティント』オフィシャル・ブック、マーチャンダイズ商品)などが売れまくっている、大人のための人気キャラクター・ムービー。

監督、脚本を手がけるフェセル兄弟は、1999年サンダンス映画祭で大絶賛を浴び、同年、スイスのロカルノ映画祭で、審査員特別賞を受賞した、まさに新しい才能。本国では人気CMクリエイターとして活躍中だった1992年、夢でもあった映画製作に進出。長編第1作目となる『ミラクル・ペティント』で見せた、徹底的にディテールにこだわる映画作りの手腕は、次世代のコーエン兄弟、そして、随所に散りばめられた“アソビゴコロ”は、ウォシャウスキ兄弟に優るとも劣らない、限りなくポテンシャルの高い最新鋭のストーリーテラーだ。フェセル監督がスクリーンから叩きつけてくる挑戦状を、解読する「鍵」は…そう、奇跡のことば「タラリン、タラリン」。


【ペティントと仲間たちの解説】

●ペティント(ルイス・シヘス)

少年の心で、少年のように行動する優しい老人。根っから純真で愛情豊か、何をしていても、特別な魅力に溢れている。熟練した愛情表現を発揮するが、一方では、些細なことに素晴らしく不器用なじいさん。この物語の主人公であり、物語を愛おしく感じさせる最大の貢献者。また、家族の調停役として、家族の平和と団結を維持させるのもペティント。ただひたすら幸せでありたいという望みを持っているが、身の回りには奇妙なことばかり起る。欠点は、「タラリン、タラリン」とするとオリビアを妊娠させることができると、完璧に勘違いしたまま、老人になってしまったこと。

●オリビア(シルビア・カサノバ)

考えるより先に行動するタイプ。せっかちで神経質、そして衝動的。不安定な性格で、ウツ状態から一気に幸福の絶頂へとのぼりつめることがある。ペティントと同じくらい純真なおばあちゃんではあるが、家族の調和を見出すのも得意。ケチくさいが、シミッタレではない。思ったことはすべてハッキリと口にする。驚くべきバイタリティーと冴えをみせ、盲目であるにもかかわらず、軍事衛星なみの精確さで、家族の尻を叩いて回る。オリビアもペティント同様、無意味とは知らずに、「タラリン、タラリン」と子作りに励む。

●パンチート=ホセ(パブロ・ピネド)

変わり者だが、物語の最後には、毛むくじゃらのクマさんのように、みんなに抱きしめたいと思わせる情緒のある人間、パンチート=ホセは天涯孤独の大男。疑い深く、冷淡人間。見栄っ張りではない。嬉しい時も、悲しいときも、すぐに顔に出るし、すぐキレる。突然子供時代に逆戻りし、とまどいながらも、ペティント家での生活を意外とエンジョイしている。

●マルティアン火星人1と2(ハビエル・アリェルとエミリオ・ガビラ)

火星人1=わがまま。火星人2=信心深い。UFOが地球に不時着し、ペティント家の初の子孫として手厚く迎えられるが、すぐにオリビアに飽きられる。悪党で、騙されやすくイタズラっ子。パンチート=ホセに嫉妬し、都合のいいと時だけ優しい宇宙人になるが、一応、宇宙人としての立派な倫理観がある。地球での生活や目新しい道具類にも即座に順応。お気に入りのスポーツはトンズラすること。火星人1は、部下である火星人2に敬意をもって接するが、実のところ実権を持っているのは火星人2である。

●ウシリョス(ハンフリ・トペラ)

よそ者でありながら、生涯この家の一員であるかのようなふるまいをする。緻密で多才、几帳面で働き者。そして何よりウソつきで、なぜかいつも怒っている。想像力に溢れ、仕事には完全にのめり込む性格で、やると言ったら、何が何でも、とことんやってのける。なにかに屈服するくらいなら、死んだ方がマシ。そんなウシリョスには、人生の夢がある。それは、NASAの宇宙ステーションにVIPとして招待されること。輝ける男だ。

●クリスピン(ヘルマン・モンタネル)

生まれたときから「じいさん」であるかのような男。彼はウェハース工場の仕事に情熱を注いでいるが、ペティントの代になってからのウェハース工場の経営方針を不満に思っている。究極の怠け者で、ペティントが工場をオートメーション化した日、彼の人生は無意味となった。

●マルティアン神父(トマス・サエス)

カルメル会派の修道服をまとった体重120キロの悪人。神は一にして三つのペルソナを持つ、ということを理解しない者がいると、激昂する。ペティントを、幼少期、青春期、成年期を通じて震撼させ、そして今、老年期のペティントを恐怖に陥れることに専念している。

●ルーザーとアペナオ(ヤヌス・シームアック)

背中のこぶまでの身長110センチの偉大な人物。彼の人格はその境遇により破壊された。グロニスク精神病院の入院患者で、ものごとを成し遂げようとすればするほど、恐怖心が先に立つタイプ。忠実で団結心に厚く、ハートがあってフレンド・シップを重んじる。ただし、かなりの愚か者である。

★聖ニコラス

スペイン聖人伝の中で、唯一、スパークプラグ・レンチおよび栓抜きとしても役に立つもの。人々が願う時ではなく、自分の気が向いた時にだけ、奇跡を起こすスグレモノ。

★ボンベ

主な利用点は、単に重いだけという、役立たずのお荷物。内部のブタンガスの有無にかかわらず、使用可能だが、空っぽの時には、まさに無用の長物。

★タイムマシン

約15分の誤差許容範囲で、一人の人間を1/4時間だけ、タイム・トラベルさせることができる、精巧な失敗作。

★自家用車

パンチート=ホセが乗ると四方の窓から一挙にはみ出す、四人乗り。合成皮革内装の小型車。

★トポリーノ・クーペ

火星人たちが押しながら地球に運んで来た、未確認飛行物体。スリーブをオーバーヒートさせないと天の川を超えることができない。レコード・プレーヤー式取扱説明書を標準装備し、予備のコンタクト・ポイント一式を搭載。

★「ミカサ式」異星人探知機

最低10人中1人の確率で、異星人の存在を探知する複合技術装置。125ボルトで作動し、壁の差し込みプラグから直接通電する。カタログ販売のみで入手可能。

★「ミカサ式」汎用吸引器

ウシリョスがタイル貼り及び、研ぎ出しモルタルの床を修繕するのに用いる精密工具。ミールとコロンビアのように完全にドッキングする2つの部品から成る。

★「ミカサ式」電動巻き尺

宇宙人を身長により分類するための、非常に有用な小型装置。最長1メートル50センチまでしか計れないが、異星人の平均身長がこれを超えることは、滅多にない。電池の浪費が目的の、強力赤外線発生装置を内蔵。



 




【Javier's Message】

私の最大の関心事である、ストーリー・テリングという手法、また自分の世界観を人と共有するための手段として、一体どんな言語が適切なのか、答えを出すのに何年もの歳月がかかりました。文章を書く、絵を描く、音楽を作曲する、写真を撮るなどの行為には興味はあったものの、何かが足りない、と常に感じていました。そして18歳の頃、工業高校で退屈な毎日を過ごしながら見出したのが、スーパー8での撮影です。このカメラにはボタンはたった一つしかありません。録画スイッチです。アグファ製の黒い箱は、レンズを選んだり、焦点を合わせたり、シャッター・スピードを調整したり、被写界深度を合わせるなど、今まで私が慣れ親しんだカメラにあるような機能は一切ありませんでした。大きな赤いボタンを押すか、押さないか、のどちらかでした。その時、私が選んだのは、もちろん、その赤いボタンを押すことでした。その瞬間、私には今まで体験したことのない、可能性を秘めた未来が開けたのです。


<アンティーク調のミラクル・ペティント>

『ミラクル・ペティント』の奇跡の物語は、時代設定もない、地域設定も謎の、とある国で起こりますが、この映画の舞台は“スペイン”でしかありえません。物語の中で起こる事柄、色使い、服装や音、またはメロディといったもの全ては、「古いものがモダンだった」頃を想わせる、年季の入った味わいを帯びています。おそらくこれは、私自身の「広告の仕事」への無意識の抵抗なのだと思います。私は長年にわたって、広告の制作の分野で、燦然と輝く“最新の製品”ばかりを扱ってきましたが、私にとっては、CDよりもドーナツ盤の方が、ソニーの“トリニトロン100ヘルツ”よりも“テレフンケン”の真空管ラジオの方が、コカコーラ・ライトのアルミ缶よりも、磁器のフタがついた炭酸水のリットル瓶の方が、何よりも映画的だったのです。だからと言って、私は技術の進歩に異論を唱えるつもりはありません。例えば今、世界中の道路を走っている車が、もはやかつての自動車ではないことは誰も否定できないでしょう。羽根飾りをつけたり、後ろの荷台に荷物を乗せたり、後部座席に子犬を乗せていた頃とはまるで違う時代になってしまったのです。


<最新のミラクル・ペティント>

『ミラクル・ペティント』は魔法が一杯詰まった物語です。魔法はいつでも物事や人物、そして人々の心の中に潜んでいると、私は信じています。この概念を最大限に引き出すべく、映画製作において、例えば、スタインベックの6リールのムヴィオラを横に4ヶ月閉じこもることが出来たなら、特殊効果用の機器のハンドルに身を寄せて眠ることが出来たなら、手書きで色を塗ったガラス版をカメラの前に置いて撮影することが出来たなら、それはどんなにロマンティックなことでしょう。ビデオやデジタル編集、コンピューターという名の、恐ろしく変テコな機械が作り上げる映像に慣れ親しんだものにとって、スーパー8の魅力に満ちた世界に逆戻りするのは容易くありません。

『ミラクル・ペティント』では、60以上のカットでデジタル合成処理を施してあります。だからといって、『ミラクル・ペティント』が、“特殊効果(SFX)映画”になるわけでは決してありません。パンチート=ホセが紙のロケットで飛んだり、この世に存在しないモデルの列車が、25年に一度、ペティント家の横を通過したり、聖人の形をした栓抜きが、晴れ渡った空に突然雷を落としたり、女優を押しつぶすことなしに、優しい母が30トンのコンテナにぺしゃんこにされて死ぬシーンや、あるいはルイス・シヘスのようなベテラン老俳優が、重力に逆らって15メートルの塔に登る、といったことを可能にさせたのがデジタル合成編集です。通常これらのデジタル効果は、奇跡を起こす為のものではありません。ところが今回に限り、デジタルの神様は、例外的に一つの奇跡をもたらしたのです。そう、「ペティントの奇跡」を…。

『ミラクル・ペティント』公開に寄せて―ハビエル・フェセル 1998.12.25



 




【ストーリー】



小さな頃からペティントは、たくさんの子宝に恵まれて、幸せな家族を持ちたいなぁーといつもひたすら夢見ていました。それがペティントのたった一つのささやかな願いだったのです。それなのに…。

幼なじみのオリビアと結婚したペティントは、ドいなかのドまんなかにスイートホームを構えます。脇に走る線路には、なんと25年に一度急行電車が通り過ぎるだけ。この地で二人はひたすらコウノトリさんがキュートな我が子を運んできてくれるのを待つばかり。それなのに…。

あっという間に50年の歳月が経ち、“旬”をとっくに過ぎてしまった二人。我が家に子供はもう来ないのか?そんな諦めムードが漂う中、ついに二人の人生を180度クルっとひっくり返してしまうミラクルな出来事が!

果たしてこれはペティントが起こした奇跡なんでしょうか???



 




【監督&製作会社】

■ハビエル・フェセル監督

1964年、スペイン、マドリード生まれ。マドリードのコンプルセン大学・情報科学学部で映像を専攻、専門分野はヴィジュアル・アーツ。学生時代からスーパー8での映画製作に目覚める。

1986年、リネア・フィルムズという広告会社を設立し、本格的に映像製作の世界へと足を踏み入れ、この後6年間に渡り、100本以上のコマーシャル・フィルムの制作に関わる。(主な制作CM:BMW、ボルボ、赤十字、Banesto、Telefonica(スペイン電信電話会社)、Telepizza(宅配ピザ)、M&M's、マドリード観光局ほか多数)。

1992年4月、長年の夢を実現すべくプロデューサーのルイス・マンソを迎え、ペリキュラス・ペンドルトンという映画製作会社を設立。フェセルが初監督・脚本を手がけた短編『Aquel Ritmillo』はスペイン国内をはじめ世界22カ国の映画祭で賞を受賞、1995年には同作がスペインの映画最高権威であるゴヤ賞(最優秀短編賞)を受賞している。短編第2作目となる『El Secdleto de la Tlompeta(The Secret of Tlumpet)』もまた23の映画祭で受賞、うち8つの賞は観客賞である。1作目、2作目ともスペイン、フランス、ドイツでそれぞれ公開され、世界25カ国以上のTV局に権利が売られている。スペイン初の「最も受賞タイトルの多い短編映画」となった短編2作品の成功をもとに、フェセルはこの後『Gomaespuma(FormRubber)』というテレビ・シリーズをプロデュース。(13話からなる人形劇でスペインのチャンネル5で御・エアされた)もちろん脚本の執筆も共同で手掛けている。



【製作会社ペリクラス・ペンデルトンについて】

ペリクラス・ペンデルトンは、『ミラクル・ペティント』のハビエル・フェセル監督とプロデューサーのルイス・マンソが1992年に設立。二人は共に広告業界出身であるが、同年、長年の夢であった映画の製作会社へと業務内容を変更した。

広告業界ではペリクラス・ペンデルトンは、独特の「職人気質」を発揮、量より質をとる仕事ぶりで有名であった。このクラフトマンシップの精神が評価され、スペインで最も華やかな映画祭のひとつである、サンセバスチャン国際映画祭の広告部門で大賞受賞(Gran Premio de San Sebastion)、カンヌ広告祭では金獅子賞(Lion d'Or)を受賞している。

こうして、広告業界で確固たる地位を築いてきたペリクラス・ペンデルトンは、オフィシャル・ディレクターとしての、ハビエル・フェセルのアド・ワークを通じて、映画製作に必要不可欠な要素は1.キャラクターの設定、2.ユーモアのセンス、3.先進テクノロジー、特にポスト・プロダクションでは3Dアニメーションが欠かせないことを体得する。

映画製作におけるペンデルトンの最初のステップは、ハビエル・フェセルが監督した短編映画『Aquel Ritmillo』(1995)と『El Secdleto de la Tlompeta』(1996)だ。この2作品は、スペインの映画史上、最も多く賞を受賞した作品となった。トータルで45ものタイトルを獲得したが、中でも一番名誉ある賞はスペインのゴヤ賞の受賞(1995)だろう。他に、“Premiers Plans”Festival in Angers(1995)、Best International Comedy in the Albany Festival,N.Y.(1995)、Special July Prize in Clermont-Ferrand Festival(1995)などを受賞。

ハビエル・フェセルの初監督長編劇場映画作品となった『ミラクル・ペティント』は1998年のクリスマスに、スペイン国内でプレミア上映された。



 


【サウンドトラック】

◆ペティント、タラリン、サウンド・トラック

『ミラクル・ペティント』の音楽は、この映画のような。比類のない、シュールレアリズムの、風変わりで、とてつもない映像を、唯一、可能な限り忠実に反映するものである。その音楽は映画の個々のシーンにもストーリーにも対応していない。それは単に、冗長な音の幻覚である。ペティント音楽とペティント・マニア精神は常に存在していたし、それは、一種のスタイルや流行としてではなく、人生に対峙する一つの姿勢として見るべきなのだ。 ペティントマニアとは何か?ペティント音楽とは何か?それは、その時代の香りを放ち、過去100年間、極めて現代的であり続け、誕生の日と同じように、今も我々を驚かせ続ける歌だ。その歌のメロディーは、心臓に突き刺さるダーツの矢のようにダイレクト、そしてその歌詞は、永遠で、誰もが共感できるテーマを謳いながら、時に、当時の検閲を通過するのは不可能ではなかったかと思わせる程の、皮肉と辛辣さを含んでいる。 フィナーレを飾るのは、「ペティント・マニア」の集大成である戦後のヒット曲「A lo loco(クレージーに)」のニュー・バージョン。それは正気を維持するシステムとしての狂気だ。 そして「A lo loco」爆弾の起爆剤となるのは、セリア・クルスの「Jarabe de Paloy la Explosion(お仕置きと爆発)」…、そして、この「奇跡」を可能にする基盤としてプロジェクトに巻き込まれた者全員の熱狂なのだ。タラリン、タラリン…。  ハビエル・リニャン(チェワカ・レコード)


サウンドトラックについて●ハビエル・フェセル

『ミラクル・ペティント』のミキシングは、1時間以上の音楽を含むものでした。それは、ストーリーを語る上で、いかに音楽が重要かということを、端的に語っています。 『ミラクル・ペティント』の音楽には、共有の記憶から再構築された一つの音楽世界があり、当時の風景や様相と映像とを結び付けてくれる。しかしまた、「この映画のために特にデザインされた音楽」といえるものもありました。前者が、楽しいひとときや、ノスタルジックな瞬間を際立たせるものであるなら、後者は、観る者を感動させ、当惑させ、恋に落とし、驚かせ、打ちのめし、気を揉ませ、疲労困憊させ、安心させるための、私の大いなる盟友でしょう。

これを得るためには、私が頭の中で考えていたような音楽を既に創っている作曲家を探すのが、最も妥当な方法だと思ったのです。しかし、当初の予想通り、うんざりするような問題が持ちあがりました。私が持ち合わせていた程度の些細な知識は、どれも、想定していたプロジェクトの役には立ちそうにもなかったのです。そこで私は、私と同じくらいペティントを理解し、その才能の全てを、監督のためでなく映画のために投入してくれる誰かと、音楽の世界を究明したいという強い願望を抱きました。

私は私のオリジナル映像を表現し、スソ・サイスは彼のオリジナル音楽を表現した。それは、「彼の音楽を私の映像に重ねる」という作業ではない。始めにそういう取り決めをしたのです。スソと私が仕事を始めた時、最終的な結果を予測するのは不可能でした。つまり、数カ月後にプラハ交響楽団が演奏した時には、我々の頭は釘を打ちつけたように、髪の毛が総立ちになったのです。しかし、彼と最初に話をした時から、私は、この類い稀な男なら、素晴らしいサウンドトラックを創り上げ、彼もまた、皆の記憶に残ることになるだろうという、絶対的確信を持っていたのです。そしてそれは、私の想像以上の結果をもたらしたのです。


★スペイン本国では、本映画用の限定録音シングル「A lo loco(クレージーに)」が、Chewaka/Virginから発売されている。



 




【公開記念イベント】

◆『ミラクル☆ペティント』公開記念イベント(初日)決定!



『ミラクル☆ペティント』公開初日の6月10日(土)、渋谷シネクイントにて、「リリー・フランキー VS 小日向しえ トークショー」が行われます。


  期日:6月10日(土)
     最終回上映前の19:00から
    (当日15:00より整理券発行)

  場所:渋谷シネクイント(03-3477-5905)






 
















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