北野監督 フランス文化勲章受章記者会見レポート

<出席者>
北野 武 監督
森 昌行 オフィス北野代表取締役社長




受章式後の北野武監督

進行
「まず、監督から率直な一言をお願いいたします。」

北野監督
「こういうのがあるって、あまり知らなかったんだけれども、どうも怪しいなぁ〜って。表彰式なんて、かなり大袈裟なんでどうしようかな〜って。色々ありがたいですけどね。どうも、ありがとうございました。」

進行
「ご質問ある方、お願いします。」

質問
「北野さんありがとうございます。フランスの芸術文化勲章を受賞されて今のお気持をおねがいいたします。」

北野監督
「わりと、ヨーロッパで人気があるというのは聞いていたんです。それで、けっこう招待されて行っていたら反応もいいので言ってたほどはあるなぁ〜と思ったんですけど、まさか、こういう賞までくれるとは思わなかったんで、かなり驚いています。」

質問
「勲章を胸に付けられた今のお気持ちは?」

北野監督
「これを取れば、あと、バラエティ賞を全部とるだけ。あらゆる場面にいつもこれ付けていこうかなぁ〜と(会場、笑い)。」

質問
「ちょっと、付けられた時に照れくさそうな顔をしていたようですけど。」

北野監督
「こういうのって小学校の運動会以来ですから。」

質問
「ちょっと、目頭を押さえてらっしゃったようにお見受けしんですけど。」

北野監督
「う〜ん。俺、ドライ・アイなんでね(会場、笑い)。カンヌの時も、『たけし、男泣き』なんて書いてあったんだけれども、2時間映画観て、もう目が痛くて、目を押さえていたらその時に撮られて、そんな風に書かれちゃって。受賞式の時じゃなくて良かったと思いますね。『たけし、悔し泣きなんて書かれたりして』(会場、笑い)。」

質問
「それでは、特に、思い出してそうなったわけじゃなかったんですか?」

北野監督
「それは、嬉しかったですよ。凄く嬉しかった。今回、『菊次郎の夏』というのは、自分はヨーロッパへ行けばギャング映画専門と言われることもあるんで、急に違うものというのは、どうなんだろうと不安だったんだけれども、反応が凄い、良くて、想像以上の受け止められかたをされたんで、凄くうれしかったです。」

質問
「嬉しかったと言えば、先ほど、美女に囲まれて凄く嬉しそうな表情をされてましたね。」

北野監督
「まあー囲まれているだけじゃ詰まらないんでね。」

質問
「でも、キスのプレゼントもありましたね。」

北野監督
「ああ、あれはなんだか……(会場、笑い)。」

質問
「次回作の構想、予定などは?」

森社長
「次回作って、まだ、新作が公開中なものですから。そういう発表の時期が来ましたら、機会を設けたいと思っていますので。」

質問
「世界進出じゃないかという記事も出ていたんですが。」

森社長
「世界進出とおっしゃるなら、すでに、世界へは出ていると思いますけど。」

質問
「今は、黒澤監督、今村監督、そして世界の北野監督と呼ばれるようになったと思うんですが。それに関しては、どうですか?同レベルになったと言えばなったと?」

北野監督
「それは、非常にありがたくて、これから出てくる後輩を、一人でも出さないようにするという(会場、笑い)。」

質問
「横浜映画祭という市民の手作りのものがありまして、以前から北野監督の映画を評価していると思うんですが、今日のこの日を非常に喜んでいると思うんですが、その辺は。」

北野監督
「横浜映画祭にはよく呼ばれてね、前から認めていただいてた感じを受けていたんですけど、『HANA-BI』の時になんの話もないんでね、これは、日本アカデミー以下ではないかと(会場、笑い)。どうして横浜映画祭は、『HANA-BI』で表彰しないのかなぁ〜って。もういいんだって。捨てられたような感じだね(会場、笑い)。」

質問
「ファンの方もこの受賞を喜んでらっしゃると思うのですが、ファンの方にメッセージを。」

北野監督
「ファンだったら、俺の映画を観ろって感じで、まあ、次の映画が撮れるように観て頂戴っていう(会場、笑い)。」

進行
「これで、終了させていただきます。ありがとうございました。」



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