『プロポーズ』クリス・オドネル来日記者会見
 3月13日(月)ホテルオークラ本館にて

●出席者(敬称略):クリス・オドネル | プロポーズ [DVD] | オフィシャルサイト | 作品紹介 | WERDE OFFICE | CINEMA WERDE |


3月13日(月)、ホテルオークラにて、マライア・キャリーやブルック・シールズの出演でも話題を呼んでいる結婚パニック・ラブ・コメディ、『プロポーズ』の主演俳優で製作総指揮も務めた、クリス・オドネルの来日記者会見が行われた。ここでは、質疑応答を抜粋する形で紹介する。


【質疑応答】

◆質問: どんなプローポーズをご本人はなさったんですか?

■クリス・オドネル: 彼女の父親に会って、まず許可を得ました。その後、彼女の仕事(場)に迎えに行って連れて帰った後で、ドアを開けてひざまずいてプロポーズしました。まあ、できれば映画のようにですね、スターダスト・ムーンのような所に行ってプロポーズすることも考えられたんですけれども、あまりにも彼女の方が期待が高ぶっていて、指輪はちゃんと用意したとか、あっちの方が言い出しそうだったので、なるべく不意打ちを狙ったんです。

●司会: それで彼女はなんと仰ったんですか?

■クリス: She said, "Yes".

◆質問: もう一度あっと驚くようなプロポーズをするのであれば、どんなプロポーズをしてみたいですか。

■クリス・オドネル: 3つイイ話があるんですけれども、1つは、私の友人が、ゴルフに彼女を誘って、何ホールか先のホールにリングを入れておいたんです。それで、彼女のお父さんがずーっと茂みの中からビデオを撮っていて、彼女がそこからリングを見つけて取り出すまでを全部ビデオに撮っているんです。後の2つの話の1つは、クラッカージャックというお菓子があるんですけれども、一番下におまけの玩具が入っているんですね。その中に、玩具の代わりにリングを入れておいて彼女がビックリしたということと、もう1つは、ちょっと危険なんですが、スキューバー・ダイビングをする友達が、一緒にスキューバー・ダイビングをして、水中の岩にある貝の中に入れておいたという話があるんですけれども、これは、万が一無くなったりとか、サメに食べられたりなんかしたら大変だったと思うので、これはちょっと危険だと思います。

◆質問: ご本人は、すんなりと結婚を決心して、逃げることはなかったんですけれども、この映画は逆の話じゃないですか。それでも、この映画を製作総指揮までして惚れ込んで作った理由はどんなものだったのでしょうか。それで、これはリメイクですよね。リメイクというのは元々ご存じでしたか。

■クリス・オドネル: これは、バスター・キートンの映画で、『セブン・チャンス』というものがあるんですけれども、これはたまたま観てます。非常に楽しくておもしろい映画でした。この脚本を読んだ時というのは、撮影から2年前のことで、その時は、結婚して新婚ホヤホヤだったんですね。その時は、独身から結婚した身になって、自分の中でまだ新鮮な状態だったんです。あの男性の場合、女性の場合もそうでしょうけど、独身の頃と結婚を決意するまでの心理状態が、非常に自分の中で共通できることが多かったと思うんです。この脚本を初めて読んだ時に、この話で一番おもしろいと思ったのは、マスターが独身時代を野生馬に喩えてましたよね。荒野を走る野生馬というのは、私は非常におもしろい比喩だと思って、それが魅力を感じた部分でした。


●司会: あのこれは、元彼女役で、マライア・キャリーさんとかブルック・シールズさんとか出てらっしゃいましたけれども、これは、プロデューサーとしてどうしてこの人たちがイイなということだったんですか。

■クリス・オドネル: あの、本当に2人ともキャスティングが出来て幸運だったと思うのですが、特に、ブルック・シールズさんは、あの役にピッタリだと思うんですね。彼女以外考えられないというくらい。アングロサクソンで東海岸にいかにもいそうな女性を、彼女はとても好演していると思います。マライア・キャリーに関しては、皆さんご存じのようにとてもビッグなスターであり、常にセットに来る時にもお付きの人をもの凄い大勢連れてくるんですね。リムジンを乗り付けて、ボディーガードと共に来るわけですが、実際に話してみると、本当にロングアイランド出身の普通の女の子という感じで、実は、共通の友達が何人かいたんです。彼女が一緒に高校時代を過ごした人たちが、私が大学で一緒だったとか、共通の友達もいました。初めての映画出演ということで、自分を茶化したようなオペラ・シンガーというような役を彼女は楽しんでいましたし、すごくイイ役だったのではないかと思います。

◆質問: もしお友達に、映画の主人公のように独身か結婚かで迷っている人がいたら、クリスさん自身からどのようなアドバイスをしますか?

■クリス・オドネル: 今、日本にそういう友人が一緒に来ているんです。でも、彼は女性を追いかける方で、あまり追いかけられてはいないみたいなんですね。私個人から言わせてもらえば、結婚って本当に素敵な楽しいもので、つい最近赤ちゃんも産まれましたし、そういった意味では非常に充実しています。もっと若い頃には、僕は35までは結婚しないって言い張っていたんです。やはり、この人だという女性に出会いましたから、すべて計画が変わりました。

◆質問: 製作総指揮で一番苦労された点はどういうことですか。

■クリス・オドネル: 実は、私は製作総指揮と言いましても、これは、撮影の2年前から1年半前くらいの間で行われた作業で、たとえば、台本の練りとか、監督選び、スタッフ選び、特に一番の仕事は、レニー・ゼルウィガーをこの映画にコミットするために一生懸命説得する。それは、お花を送ったりですとかね。キャスティングに関わっておりました。実際、撮影が始まってからは、ほとんど演技の方に専念しましたので、他のプロデューサーたちに後は任せました。

◆司会: これからもプロデューサーとして何か撮りたいなぁとか考えてらっしゃるんですか?

■クリス・オドネル: つい最近、CBSのためにテレビ用の映画を作りました。タイトルが『ミラクル・オン・セブンーティーンズ・クィーン(直訳では、17番ホールでの奇跡)』。ゴルフに関する話で、これが放送された時は視聴率NO,1を出しましたので、結構成功した映画だったんですけれども。それから、劇場用の映画の企画を15本〜20本くらい抱えておりまして、やはり、自分にとっては、演技、俳優というのが一番生活の糧になるものだと思っておりますが、でも、自分の演ずる役とか映画のオプションを広げるため、またチャンスを作り出していくための意味でも、もういう製作、自分がプロデューサーを出来るということはとても大切だと思いますし、もちろん、それでプロデュースした映画が稼げば、それも魅力的だと思います。


◆質問: 目標とされる俳優とかはいらっしゃいますか? それから、これからどんな役にチャレンジしたいですか。

■クリス・オドネル: 尊敬している俳優さんは沢山います。たとえば、ジェームズ・スチュアートさんもそうですし、ハリソン・フォードさん、トム・ハンクスさん、トム・クルーズさんも尊敬しています。後、女優さんでは、メリル・ストリープさんとか。本当に才能豊かな方が多いので沢山います。将来的には、いろんな役に挑戦したいのですが、私は、この業界ではまだまだ新人だと思っております。この俳優業を10年から11年ぐらいやってきて、15本ぐらいの映画に出ていますが、これから先、どんな脚本に出会うか、どんな役と出会っていけるかということだと思うんですね。先に読んだ時に、ちょっと自分の役ではないなと感じたものも、出来れば幅を広げていくという意味でやりたいです。ただし、こういう役をやったら、絶対観客は受け入れてくれないということもあると思うので、慎重に選んで行きたいと思います。

◆質問: こういうコメディは初めてということですが、撮影は楽しかったでしょうか。それから、ご自身が出されたアイディアなどがあったらお教えください。

■クリス・オドネル: まあ、コメディは初めてといいますが、『クッキー・フォーチュン』にちょっとだけ出ていまして、これもコメディと考えられると思うんです。ただし、今回の映画でも私がコメディアンをやっているということではなく、普通の男が普通でない状況に巻き込まれていくというロマンティック・コメディだと理解します。台本については、いろいろ変更がなされました。たとえば、はじめは、設定がニューヨークだった。それをサンフランシスコに変えていったりですとか、そういう変更はいろいろな理由からありますけれど、私は、基本的にはライターではないので、自分が書いたとか、書き直したという部分はありませんけれども、何人かのライターたちに仕事を依頼して、彼らの書いたものの、どの部分が私が気に入ったかとか、気に入らないところをカットしたとか、そういう作業はしましたけれども、アイディアを出して書き込んだということはなかったです。

◆質問: あの1000人の花嫁はどこから調達しのでしょうか。それから、あれだけのエリアを使っているから、道をあけるということは難しかったのではないでしょうか。


■クリス・オドネル: ポスターに映ってますこの人(指をさす)は、私のアシスタントのお母さんです。これを集めるのには、ラジオで情報を流したり、新聞で広告を出したりしました。彼女たちは、朝の4時半には集まって来て、流れ作業のように、まず部屋でメイクをして、自分に合うドレスを選んで、そういう風に仕上げていくわけですが、撮影が寒い時期だったんですが、その寒い中、1人1枚のブランケットをもらえるような状況で、彼女たちは、常に暖かくなるために走っていたかったでしょうね。それから、脇道をコントロールするわけですが、お巡りさんが立っていて、撮影が開始されると同時にお巡りさんが立つわけです。トラッキング・ショットの場合、トラックに乗せたカメラに向かって私が走っていくと、後ろから1000人の花嫁が走ってくるんですけれど、私が走っていると、脇道で一体何が起こっているのかカメラも見えてないわけですから、そういう人たちの顔を見ると、何ごとかというような顔をしていて、そういう表情を見るのが私はすごく楽しかったです。それで、みんな走ってますから、軽傷ですけれどもケガもありました。ちょうど、アシスタントのお母さんが来た日、是非彼女に出てもらおうと。しかも、かなり前の方に出てもらおうとしたんです。そうしたら、他のエキストラたちもカメラに映りたいがために、みんな必死になって走ったんで、お母さんは、可愛そうにかなり踏みつぶされたりとかしまして、ちょうど、スペインの街を牛が走るのがありますよね。それを想像させまして、かなり捻挫したり足にケガを負ったりとか、そういうことはありました。

●司会: ありがとうございました。それでは、ここでスペシャル・ゲストをお呼びしたいと思います。スペシャル・ゲスト、梨花。

この後、スペシャル・ゲストとして、ウェディング・ドレスを着た女性たちと共に、やはりウェディング・ドレス姿で、タレントの梨花が花束を持って会場に駆けつけた。この映画の感想を求められて、彼女は「1000人の花嫁たちにはビックリしました」「最後は、ピュアなハッピー・エンドで良かった」と語っていた。



『プロポーズ』は2000年初夏、全国松竹東急系にて公開。