『ヤコブへの手紙』/"POSTIA PAPPI JAAKOBILLE"



2010115日より銀座テアトルシネマにて公開

2009
年/フィンランド/フィンランド語/75分/35mm/カラー/シネマスコープ/SR SRD/原題:POSTIA PAPPI JAAKOBILLE/後援:フィンランド大使館/配給・宣伝:アルシネテラン

監督:クラウス・ハロ ◇脚本:クラウス・ハロ ◇原案・脚本:ヤーナ・マッコネン ◇プロデューサー:ラッセ・サーリネン、リスト・サロマー ◇撮影:トゥオモ・フトゥリ ◇編集:サム・ヘイッキラ ◇美術:カイサ・マキネン ◇衣装デザイン:サリ・スオミネン ◇メイク:ピア・ミッコネン ◇グラフィックデザイン:ティモ・ヒュッポネン ◇セットデザイン:カイサ・マキネン ◇音編集:ヨーナス・ユララ ◇音声:キルカ・サイニオ ◇照明:カッレ・ペンティラ ◇オンライン編集:ユーソ・セリム ◇作曲・テーマ曲:ダニ・ストロムベック ◇台本協力:ジミー・カールソン

キャスト:カーリナ・ハザード、ヘイッキ・ノウシアイネン、ユッカ・ケイノネン、エスコ・ロイネ



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【解説】



1970
年代のフィンランドの片田舎、白樺に囲まれた古い家。
深い後悔を胸に秘め、12年間暮らした刑務所から出てきたレイラ。
人々からの手紙を待ち続ける盲目の年老いた牧師ヤコブ。
そして悩める人々からヤコブ牧師への手紙を届ける郵便配達人。
3
人の登場人物が紡ぐ、やさしくてあたたかいある物語。

この手紙とともに、あなたに幸せが訪れますように ― 。


フィンランド本国での公開以来、小さな作品にもかかわらず第82回アカデミー賞外国語部門代表選出をはじめとして、フィンランド・アカデミー賞(Jussi Awards)最多部門受賞、第33回カイロ国際映画祭でグランプリと脚本賞を受賞するなど、国内外のさまざまな映画祭で賞を獲得した『ヤコブへの手紙』。人々の心を静かな涙と深い感動で包み込み、世界各国の観客に支持された、やさしくてあたたかい手紙をめぐる物語が、北欧の国フィンランドから日本に届きました ― 。

孤独で、周囲を寄せ付けない雰囲気を持つ主人公のレイラ。無愛想なレイラをヤコブはただひたすらに温かく迎え入れる。まるで、「隣人を自分のように愛しなさい」という聖書の言葉を実行するかのように。しかし、ヤコブを受け入れようとせず、手紙を読むという毎日の仕事にも嫌気がさすレイラは、毎日ヤコブ牧師への手紙を届けにくる郵便配達人とも反目してしまう。そんなレイラだったが、ヤコブ牧師との交流によって、心が少しずつ変化していく。そして明かされるひとつの真実が、レイラの心に希望の光を灯す ― 。

深い絶望の淵に立った時、あなたのことを思っている存在がどこかにいたら? 「あなたの幸運を祈っている。私は、あなたのために祈る ― 」その一言が、孤独と絶望を癒し希望へと導く。ありのままの自分を赦してくれる存在に気付いた時、きっとあなたも誰かを愛せるはず。胸を打ち、あふれる涙に心洗われる物語。

監督は、フィンランドだけでなく、スウェーデンでも活躍するクラウス・ハロ。本作品では、第66回(2010年)フィンランド・アカデミー賞(Jussi Awards)作品賞と監督賞を受賞。3人の登場人物が紡ぐ物語を、静謐ながらも、温かくやさしい視線で綴る。主演は、コラムニストとしても活躍するカーリナ・ハザード。本作品でフィンランド・アカデミー賞女優賞にノミネート。深い慈愛を感じさせるヤコブ牧師役には、舞台を中心に活躍するヘイッキ・ノウシアイネンを起用し、本作品でフィンランド・アカデミー賞男優賞を受賞。そして、物語のカギを握る郵便配達人にはTVドラマで活躍するユッカ・ケイノネン。さらに、美しいフィンランドの情景とショパンやベートーベンの曲の旋律が深い感動へといざなう(フィンランド・アカデミー賞音楽賞受賞)。


<作品受賞歴>

82回アカデミー賞外国語映画賞フィンランド代表
66回フィンランド・アカデミー賞(Jussi Awards)最多4部門受賞
   (作品賞・監督賞・主演男優賞・音楽賞)
51回リューベック北欧フィルム・デイズ 観客賞、特別賞
58回マンハイム=ハイデルベルグ国際映画祭 グランプリ
33回カイロ国際映画祭 グランプリ・脚本賞
13回タイリン ブラックナイト国際映画祭 監督賞
25回サンタバーバラ国際映画祭 最優秀外国映画賞
28回ファジル国際映画祭 スピリチュアル映画部門最優秀作品賞
21回パームスプリングス国際映画祭 境界の架け橋賞
33回ヨーテボリ国際映画祭 最優秀音楽賞
23回ルーアン ノルディック映画祭 最優秀女優賞、最優秀男優賞、観客賞
3回ケープワインランド映画祭 特別俳優賞
34回香港国際映画祭 推賞
12回リバーラン国際映画祭 観客賞
26回トロイア国際映画祭 特別賞
17回ウエスカ映画祭 観客賞

<主な使用楽曲>

ガエターノ・ブラーガ『天使のセレナーデ』
ショパン『夜想曲第2番変ホ長調』
ベートーベン『ト長調のメヌエット』
ジャック・オッフェンバック『ホフマンの舟歌』
ハイドン『ヘ短調のカルテット』




 

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【プロダクションノート】

2007
年のある日、監督のクラウス・ハロはインフルエンザで寝込んでいた。そこに、一通のメールが届く。

「まったく知らない名前の脚本家からメールで原案が送られてきました。フィンランドの映画界はとても小さいから、脚本家の名前はほとんど知っているはずなので、寝込んでいなかったら、名前も知らない人が書いた原案は読まなかったと思う。どんな人物なのか、女性か男性かも知らないまま、とにかく自分が興味を持ったことを伝えたかった。そうしたら、その人物は40歳の元ソーシャルワーカーの女性で、休職して映画学校に通っている女性でした。そして彼女は、教師がそうしろと言ったからという理由で、僕にメールを送ってきたに過ぎませんでした。原案を読んで、すぐに彼女に会って、登場人物がいかに魅力的で、素晴らしい物語かを伝えて、書き直しを快諾してもらいました」


素晴らしい偶然とも言える出会いによって、この作品は動き出すことになる。

「原案を読んだときに、この映画を作ることをはっきりと決めました。すぐに、その住人と同じように古ぼけて見える家のアイディアが浮かんだんです。そして、早い段階で彼と一体となる家と、登場人物たちが自然に見える場所を探しました。映画のためにかけられる時間がかなり短かったし、最初からシンプルにやろうと決めていました」


作品の主軸にはカーリナ・ハザードと有名俳優のヘイッキ・ノウシアイネンを起用した。

「この原案を20ページくらい読んだら、起用したい俳優が直ぐに浮かんできました。彼らとは、とても長い間仕事がしたいと思っていました。そして、この2人だったからこそ、このフィルムに真実味が出たと思います。この物語をより説得力があるようにたくさんのことを指摘してくれ、役に近づくために本当に努力して、素晴らしい仕事をしてくれました」


2008
年の夏に行われた撮影は、とてもシンプルな方法で行われた。

「カメラを設置して、フレームの中で俳優たちに動き回ってもらいました。フレームの中で、離れている登場人物をちゃんととらえられるように、シネマスコープを使いました。同じセットでいくつかのシーンを撮ったり、とてもシンプルな方法を選択しました。俳優がたくさんいると、大混乱になるかもしれませんが、熱心でとても小さな撮影部隊だったので、それがよかったと思います。あの夏の日々を思い出すと、夏休みだったような気分になるんです」


そして、本作品は2009年の4月にフィンランドで公開されて以降、世界各国でさまざまな賞を受賞していく。

「この作品は、人とのつながりや友情といったことを一番求めているのに諦めてしまった人たちが、それでもつながりや友情を探し求めるという物語です。私は、人間と言う弱い存在、そして、人が一番ダメージを受けているときにどうなるのかというテーマにとても惹きつけられます。これは、私の人生についての考え方において、とても重要かつ、常に意識していることなんです」




「ヤコブへの手紙」

新約聖書にはローマ世界に広く離散しているユダヤ人キリスト者を対象に書かれた「ヤコブの手紙」がある。「手紙」というより筬言調の「説教」は現代人にも刺激的文書だ。

本シネマは、「ヤコブの手紙」ではなく「ヤコブへの手紙」である。つまり盲人牧師ヤコブへ差し出された手紙が主題となっている。ヤコブという名前は、アブラハムの子イサクがリベカと結婚し、与えられた双子の弟で「足を引っ張り欺く者」との意味をもつ。この面からすればヤコブは強い欲を有する。しかし、ヤコブはまた「神は守られる」との字義もあるから、穏やかさも有するという面もあるということになろうか。

登場人物が三人という本シネマは、美しい田園地帯の牧師館を中心に織りなされるが、哀しみの調べがキートーンとなって胸に響く。

12
年間(これはひとつの完結をあらわす完全数)振りに刑務所から釈放されたレイラは幾重にも屈折した人格で観る者をイライラさせるほど、感謝の念も素直さも持ち合わせていない。優しく受容するヤコブ牧師に、「長く居ませんから」「家事はしませんから」とパン切りナイフをちらつかせながら言い放つ始末。寄せられる手紙を代読し、牧師の返事の言葉を認め、送り届ける仕事もイヤイヤながら。状況の変化に不信を抱いた郵便配達夫との関係も最悪となる。

「罪」とは切れていくこと。「救い」とは赦され、再びつながることという意味が、通奏低音として流れる。

ヤコブ牧師は、盲人ゆえ心の眼で人の心を見ていく。そもそも牧師とは、羊飼いの如く羊を神の言葉で養い、導き、治める仕事だ。これを牧会というのだが、ヤコブには群れたる教会はなく、無人の教会堂があるのみである。しかし、牧師らしく人々からの悩みや魂の叫びに答えることで、慰め、励ましを与え続けようとする。この牧会をpastral care、独語ではseelsorgeといい、魂に慰めをもたらす業をさす。その業をなすにはレイラの協力が必須であった。

祈りを乞う人を神へと導き、神の見守りの中にあることを実感させよう、孤独と絶望の中に苦悩する人と寄り添い、伴いたい、そのための道具で良いとする老牧師ヤコブ。

そんな彼も、パタッと届けられる手紙が途絶えた現実の中で、神からも人からも必要とされていないのではないかと、深い孤独感の中に陥る。妄想にとらわれた如く、来るはずもない新郎新婦を荒廃した会堂で待ち続け、聖餐式を一人だけで執行し、「役立っていると信じていたが、逆だった。神が私を天国に導くために与えてくれたもの ― それが『ヤコブへの手紙』だったのだ」と自惚れを取り去られる。

疲労困憊の中に礼拝堂で眠ってしまうヤコブ牧師。彼を置き去りにして牧師館に戻ったレイラは自殺を図る。しかし、二人をそこから目覚めさせ我に返らせるのが「雨漏り」であった。これまた象徴的。人間の老朽さ、古さ、破れを貫いてもたらされる天来の滴が救うのか。ともかく、レイラの心に大きな変化がもたらされるのは、受け容れられているという気持ちがそこはかとなく生じたからであろう。

生誕100年を迎えたマザー・テレサは、「地上での最大の病気は誰からも必要とされていないという病だ」と言った。Unwanted Diseaseの中であなたは必要とされているのだという思いが人を生き返らせるのだろう。受容、和解、赦し ― これなくしては生きえないことを三人は各々に感じつつスクリーンに登場する。私たち人間のヒナ型として。

「どんなことでも 思い煩うのはやめなさい。何事につけ、感謝を込めて祈りと願いをささげ、求めているものを神に打ち明けなさい。そうすれば、あらゆる人知を超える神の平和が、あなたがたの心と考えとをイエス・キリストによって守るでしょう」(新約聖書フィリピ46チッ7)。

ヤコブ牧師が取り次ぐこの言葉が「ヤコブへの手紙」への応答らしい。

フィンランド映画。人口530万人の96%が国教であるルター派に属するフィンランド教会は日本にも宣教師を送り、日本福音ルーテル教会に参加している。素朴さ 純粋さ 熱心さをもって伝達する姿は良き感化を与えている。

切ないラストシーンではあるが、「人間のピリオド、神のコンマ」の諺そのままに、一粒の麦として死んだいのちが新しい生命へ結実することを予感させる。レイラが手に握り締めた姉の住所が、再会の希望へとつながるとの思いを与えるのだから……。

人はやはり愛に生かされ、生きるもの!

(青山学院院長 山北宣久)

 

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【ストーリー】

すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。
わたしがあなたがたを休ませてあげます。(マタイの福音書 1128 チー 30節)

模範囚として恩赦を言い渡されたレイラ。12年間暮らした刑務所から釈放されても身寄りのないレイラは、不本意ながらもすすめられるがまま、ある牧師の家に住み込みで働くことになった。レイラが訪ねた家には、盲目の牧師ヤコブがいた。「いらっしゃい、よくきてくれましたね」 レイラを温かく迎え入れるヤコブ牧師。しかし、すぐにそこを出て一人で生活を始めようと考えていたレイラは牧師にそっけない態度をとってしまう。

そんなレイラにヤコブ牧師は、目の見えない彼がただひとつできないことを仕事としてお願いする。それは、毎日届く手紙を読み、その返事を彼の代わりに書くこと。それがレイラの仕事だった。「ヤコブ牧師、郵便ですよ」 自転車に乗った郵便配達人によって、毎日届けられる人々からの手紙。「親愛なるヤコブ牧師様……」 手紙の送り主たちは、些細なことからだれにも打ち明けられないことまで、いろいろな悩みを手紙で告白する。孫の就職口がないこと、学校が嫌でたまらないこと、夫の暴力がおさまらないこと……。一度だけ手紙を送ってくる人もいれば、何度も手紙を送ってくる人もいる。

さまざまな内容の手紙のひとつひとつに、丁寧な返事をするヤコブ牧師。手紙の送り主たちは、ヤコブからの返事を心のよりどころにし、彼もまた日々届く手紙を楽しみにしていた。人々の手紙が届かなくなってしまわないように、心のよりどころがなくなってしまわないようにと、ヤコブ牧師は別の土地に用意された立派な家に引っ越すこともなく、そこに住む彼と同じように古ぼけて、雨漏りのする家に住み続けるのだった。

嫌々ながらヤコブ牧師の家に住み続けるレイラは、ヤコブ牧師のために手紙を読んで返事を書くという仕事も好きになれない。毎日手紙を配達に来る郵便配達人もうっとうしく感じ、彼がヤコブ牧師に届けた人々からの手紙を勝手に捨ててしまうのだった。毎日手紙を届けながら、牧師のことを心配する郵便配達人もまた、突然現れたレイラに不信感を持つ。そして、相容れない二人の仲は険悪になってしまう。

そんなある日、毎日届いていたヤコブ牧師への手紙がぷつりと届かなくなる。「そんな日もあるさ」というヤコブ牧師だったが、それが生きがいとなっていた彼は、すっかり気を落としてしまう。一方、レイラは、ヤコブ牧師の元を出ていくことを決心する。しかし、自分には行くべき場所も、待っている人もいないということに気付き、深く絶望する。そんなレイラに、ヤコブ牧師は「まだこの家にいてくれたんだね」とやさしく語りかける。ただ一人、孤独な自分を受け入れてくれるヤコブに、レイラはようやく心を許し始めるのだった。

手紙も届かず、日に日に弱っていくヤコブを見かねたレイラは、郵便配達人に手紙が来なくなった理由を尋ねる。すると、「来ない手紙は届けられない」という郵便配達人。そこで、レイラと郵便配達人はひとつの約束をする。明日、必ずヤコブへの手紙を届けること ― 。しかし、翌日も相談の手紙は届かなかった。それでもレイラは、ヤコブ牧師に「手紙が来ましたよ」と告げる。そして今まで誰にも話せずにいた、あることを打ち明け始めるのだった……。

「親愛なるヤコブ牧師……」

 

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【キャスト&スタッフ】

カーリナ・ハザード(レイラ)

1966
年クオピオ生まれ。
タンペレ大学で演芸を専攻し、1995年卒業。1995年『Mannen utan ansikte』(未)で映画デビューし、1998年『Liian paksu perhoseksi』(未)で主役デビュー。女優だけでなく、ジャーナリスト、作家、教師、翻訳家、メディア研究者として活躍しており、さまざまな仕事に取り組んでいるため「学問的パートタイマー」と自称している。2007年には、TV番組に贈られるVenla賞の脚本賞を受賞するなど、脚本家としても活躍している。本作品でフィンランド・アカデミー賞(Jussi Awards)の主演女優賞にノミネートされた。近作は、2010年ベルリン映画祭に出品された『Paha perhe(英題:The Bad Family)』。


ヘイッキ・ノウシアイネン(ヤコブ牧師)

1945
619日ヘルシンキ生まれ。
1967
年コメディ映画『Pahkahullu Suomi(英題:Insane Finland)』(未)でデビュー。1969年国立演劇アカデミーを卒業後、舞台で活躍。1971年の『Saatanan radikaalit』(未)で監督と脚本、出演を務める。現在までに舞台のほか、40作以上の映画やTVドラマに出演。妻のエイヤ・ノウシアイネンと息子のミッコ・ノウシアイネンも俳優。本作品で2010年フィンランド・アカデミー賞(Jussi Awards)の主演俳優賞受賞。妻子と共演した『Taalla Pohjantahden alla(英題:Under the North Star)』(09/未)で同賞助演俳優賞にダブル・ノミネートされた。国立劇場で長年主演を務め、引退後の現在でも、しばしば客演で参加している。フィンランドの有名俳優の一人。


ユッカ・ケイノネン(郵便配達)

1960
424日ヘイナベシ生まれ。
1985
年ユヴァスキュラ大学卒業後、舞台で活躍。1988年ドラマ映画『Nuoruuteni Savotat(英題:Lumberjacking)』で映画界デビュー。クオピオとラハティ市立劇場で7年間のキャリアを積んだあと、現在までフリーランスの俳優として主に舞台で活躍。ラッペーンランタ野外夏季劇場のディレクターも務めている。2004年にデンマークのGIS学院を卒業し、セラピストの資格を取得している。


エスコ・ロイネ(刑務所長)

1944
95日タンペレ生まれ。
1965
年フィンランド演劇学校を卒業し、1966年に舞台デビュー。その後、舞台を中心に活動し、2006年に引退した後も、舞台だけでなく、映画やTVドラマ、バラエティ番組でも活躍。さらにラジオ出演、声優など、精力的に活躍している。


クラウス・ハロ(監督・脚本)

1971
年ポルヴォー生まれ。
ヘルシンキ芸術デザイン大学を卒業後、フィンランドとスウェーデンを拠点に活躍。大学在学中にショートフィルム『Johannes 10ツワ11 vuotta(ヨハネス10-11歳)』(93/未)を製作。その後、子どもや若者の世界をとらえた作品を中心に製作。表現の単純性やビジュアルの重視が作風とされる。ドラマ作品の他に、北欧放送局連盟ドキュメント賞を受賞した『Kolme toivetta』(01/未)などドキュメント映画を製作。2000年、『Nattflykt』(未)でベルリン国際映画祭短編部門特別賞を受賞。1950年代のスウェーデンを舞台にした『Elina ツワ som om jag inte fanns(英題:As If I Didn't Exist』(03/未)ではベルリン国際映画祭子ども映画部門クリスタル・ベア賞などを受賞。冬戦争の時代を舞台に、難民として生きる少年の姿を描いた『Aideista parhain(英題:Mother of Mine)』(05/未)は、第78回アカデミー賞外国語映画部門フィンランド代表に選出されたほか、カイロ国際映画祭グランプリなどを受賞。今まで国内外で大小60以上の賞を獲得し、批評家と観客の双方から評価が高い。 本作では、第82回アカデミー賞外国語映画部門にフィンランド代表として外国語映画部門にノミネートされたほか、世界各国の映画祭で17の賞を受賞した。

 

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