『オフサイド・ガールズ』/"OFFSIDE"




2007年9月1日よりシャンテ シネほか全国順次公開

2006年/イラン/92分/ヴィスタサイズ/ドルビー/字幕翻訳:斎藤敦子/字幕監修:ショーレ・ゴルバリアン/提供:新日本映画社/協力:アニエス・ベー、イラン航空/配給:エスパース・サロウ、パンドラ

◇製作・編集・監督:ジャファル・パナヒ ◇脚本:ジャファル・パナヒ、ジャドメヘル・ラスティン ◇撮影:ハマムード・カラリ ◇美術:イラジュ・ラミンファル ◇録音:レザ・デルバック、ネザメッティン・ネザム・キアイ ◇音楽:コロシュ・ボゾルグプール

◇キャスト:シマ・モバラク・シャヒ、サファル・サマンダール、シャイヤステ・イラニ、M.キェラバディ、イダ・サデギ、ゴルナズ・ファルマニ、マフナズ・ザビヒ、ナザニン・セディクジャザデ



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第56回ベルリン国際映画祭 銀熊賞(審査員特別賞)受賞

第7回東京フィルメックス アニエスベーアワード(観客賞)受賞

第17回リュブリャナ国際映画祭 アムネスティ・インターナショナル最優秀作品賞受賞






【解説】

この少女たちから目が離せない!
今年一番の、笑って心温まる傑作が登場!!



◆女の子だって、スタジアム観戦したい!

イランで、サッカーは国民的なスポーツ。男性のみならず女性もみんなサッカーが大好き。けれど、女性がスタジアムで男性のスポーツを観戦することは法律で禁止されている。女性は専用のスタジアムで、女子サッカーしか観戦ができないのだ。

でも、イラン代表の2006年ドイツワールドカップ出場を掛けた大事な一戦が、首都テヘランで行われるとなれば、テレビの前でじっとしてなんかいられない! スタジアムで試合を観戦するために少女たちが考えた策 ─ それが、“男装”だった! 「生で試合を見るには、男のフリをしてスタジアムに潜り込むしかない!!」 スポーツを愛する人すべてに捧げる、夢をあきらめない”オフサイド“な少女たちの奮闘がいま始まる ─ !



◆世界三大映画祭での受賞歴を持つイランを代表する名監督、ジャファル・パナヒ最新作

デビュー作『白い風船』でカンヌ映画祭カメラドール(新人賞)を受賞、その後も『チャドルと生きる』でベネチア映画祭金獅子賞(グランプリ)、そして本作でベルリン映画祭銀熊賞(審査員特別賞)を受賞し、世界三大映画祭を制覇するという快挙を達成したパナヒ監督。これまで一貫して、戒律の厳しいイランで生きる女性たちを描いてきた監督が、今回題材にしたのは、理不尽な規則に負けずに自分を主張する、とってもエネルギッシュでしたたかな少女たち。これまで数々の賞を獲得してきたパナヒ監督が、製作・脚本・監督すべてを手掛けて挑んだ初のエンタテインメントである本作は、過去作品とは一味違う新たな魅力に満ち溢れている。


◆過去のイラン映画とは一線を画すエンタテインメント

パナヒ監督が目指したのは、質の高いこれまでの “伝統的な”イラン映画でありながら、中学生でも楽しめるようなエンタテインメント作品。キャストは全員素人を起用し、実際に試合をしているスタジアムでロケを敢行。リアルな状況を撮影することにより、試合シーンを映すことなく、スタジアム内の臨場感を見事に表現。また、10分に1度は何かしらのハプニングを起こす、という独自のこだわりを持って、可笑しくて心温まる少女たちの奮闘ぶりをカメラに収めることで、まるで一つの熱戦が終わった後のような爽やかな感動が残る一級のエンタテインメントを完成させた。


◆イランの女性問題をユーモラスに描く

1979年のイスラム革命以降、イスラム教の教えによって、西洋で考えられている「自由」のないイラン女性たち。もちろん、そのすべてが差別とはいえないにせよ、行き過ぎた規制が国際的に問題視されることもしばしばあった。また最近では、米で出版され150万部の大ベストセラーとなった「テヘランでロリータを読む」(アーザル・ナフィーシー)や、漫画「ベルセポリス」(マルジャン・サトラピ)をはじめとした、イラン人による「イラン女性の不自由さ」を描いた作品が増えてきており、国内外で人々の関心が高まっているのも事実。本作もその時流の中で、実際に国内で起きた事件にインスピレーションを得た監督が、イランの女性問題を扱いながらも、いかに多くの人に楽しんで観てもらえるかを追求して誕生した物語である。


 


【監督】

■ジャファル・パナヒ(JAFAR PANAHI)監督

1960年イラン生まれ。テヘランの映画テレビ大学で演出を学んだ後、テレビ用の短編・長編を手がけ、アッバス・キアロスタミ監督の『オリーブの林をぬけて』(1994)で助監督をつとめる。長編デビュー作『白い風船』(1995)がカンヌ国際映画祭カメラドール賞、東京国際映画祭ヤングシネマ・東京ゴールド賞などを受賞し、一躍世界的な注目を集める。『鏡』(1997)を経て、3作目の『チャドルと生きる』(2000)はベネチア国際映画祭金獅子賞などを受賞したほか、第1回東京フィルメックス特別招待作品として上映された。

<フィルモグラフィー>

『オフサイド・ガールズ』 (2006)
★ベルリン映画祭銀熊賞(審査員特別賞)受賞

『クリムゾン・ゴールド』 (2003) ※日本未公開
★2004年ビレッジボイス選出ベスト映画第7位

『チャドルと生きる』 (2000)
★ベネチア映画祭金獅子賞(最優秀作品賞)受賞

『鏡』(1997) ※日本未公開 (1997)

『白い風船』 (1995)
★カンヌ映画祭カメラドール賞、国際批評家連盟賞受賞