マーサ・ミーツ・ボーイズ
MARTHA MEET FRANK,DANIEL&LAURENCE


恋のボーディングチケットは
たった99ドルとほんの少しの勇気。




1999年10月中旬
渋谷シネ・アミューズほか にて上映
1998年/イギリス映画/カラー/
88分/ヴィスタサイズ/ドルビーSR
原題:MARTHA MEET FRANK,DANIEL&LAURENCE(U.K.)
   THE VERY THOUGHT OF YOU(U.S.A)
後援:ブリティッシュ・カウンシル
提供:アミューズ、デジタル・メディア・ラボ
配給:アミューズ
(C)Channel Four Television Corporation MCMXCVIII
ALL RIGHTS RESERVED.



  • 監督
ニック・ハム
  • 脚本
ピーター・モーガン
  • 音楽
エド・シアーマー
  • 出演
モニカ・ポッター
ジョセフ・ファインズ
ルーファス・シーウェル
トム・ホランダー
レイ・ウィンストン


| 解説 | ストーリー | プロダクションノート |




<解説>

ロンドン発、最高にキュートで素敵なロマンティック・コメディーの登場

 『フル・モンティ』や『ブラス!』など好調の波に乗るイギリスから、今度は最高にハッピーなロマンティック・コメディがやってきた。本国では「キュートで素敵な映画」(ヴァージン・ラジオ)と圧倒的に支持され、98年、英国映画祭でも拍手喝采を受けた。新しい恋と人生を求めてロンドンに旅立つアメリカ人、マーサ。魅力的な彼女の前に3人の英国人、ダニエル、フランク、ローレンスが出現。さて、最後にそのハートを射止めるのは?!
 4人のスリリングな出会いを大胆な構成で追い、イギリスのおしゃれな名所が恋のときめきに彩りをそえる。ロンドン発、とびっきり幸せなエンタテインメントの登場。99年期待のホープ、ジョセフ・ファインズ(『恋におちたシェイクスピア』)とモニカ・ポッター(『パッチ・アダムス』)の共演も話題をさらっている。


アメリカ人の魅力的なマーサに恋した3人のイギリス男

 ミネアポリスの会社にいたマーサは、平凡な生活にうんざり。新しい人生を求めて旅に出る。99ドルで買える街まで飛ぼう!彼女はロンドン行きの片道キップを手に入れた。ロンドンで待っていたのは、3人の英国人と新しい恋の予感。リッチな音楽会のダニエルとは飛行機で接近。失業中の舞台俳優フランクとは公園でお茶を。ブリッジの教師ローレンスとは飛行場で出会う。知らぬ間に同じ女性を好きになった3人は親友同士。そのもつれた恋のゆくえは?


恋も人生も自分で選ぶヒロイン、女性の共感を呼ぶ新星モニカ・ポッター

 99ドルのロンドン行き切符を手に新しい人生に出発するマーサ。ほんの少し勇気を出せば、もしかするとステキな人と出会えるかもしれない。そんな女たちの夢をさわやかに演じて、同性の共感も呼ぶ勇気あるヒロインが誕生した。演じるのは、“ポスト・ジュリア・ロバーツ”の呼び声も高いハリウッド期待の新星モニカ・ポッター。『コン・エアー』や『パッチ・アダムス』などの話題作にも出演したが、今回はコケティッシュな魅力が100%開花。「男性にも女性にも好感を持てる人物にしたかった」と監督が語るマーサ役を、スレンダーな肢体と輝く瞳で演じて、観客を魅了する。


英国映画が生んだ新しいロマンス・スター、ジョセフ・ファインズ

 アカデミー賞受賞作『恋におちたシェイクスピア』、超大作『エリザベス』でヒロインと恋におちる主人公を演じて、今、最も注目される英国の美形スター、ジョセフ・ファインズ。ナイーブで情熱的な眼差し。英国から久しぶりにロマンスが似合う男優の登場。この初めての現代劇では女性にシャイなローレンスを、ロマンティックに演じて大ブレイク間違いなし。


現代の新しい才能が集まり、巧みな展開で見せる

 恋の始まりを巧みな構成で描くこの新作には、現代英国の新しい才能が一同に会した。失業中の皮肉屋の俳優フランク役は『ダーク・シティ』のルーファス・シーウェル、音楽界の重役ダニエル役は舞台出身の俳優のトム・ホランダー、謎の精神分析医ペンダースン役は『ニル・バイ・マウス』のレイ・ウィンストン監督は舞台出身の新鋭、ニック・ハム。脚本は『ラルフ一世はアメリカン』のピーター・モーガン。撮影は『オセロ』のデイヴィッド・ジョンソン、プロダクション・デザインは『フル・モンティ』のマックス・ゴットリーヴが担当。


おしゃれなロンドンでデート気分

 恋の気分を盛り上げるために、公園、美術館、ホテル、市場など、ロンドンのホットなスポットが登場。バタシー・パーク、チェルシー橋、クラーケンウェル広場などで撮影されたロマンティックな風景が、デート気分を高める。また、多彩なミュージシャンによるサントラ盤も超話題。ダスティ・スプリングフィールド、エコー&バニーメン、ロニ・サイズ、TEXAS、ハリケーン#1などのステキなポップ・ソングがいっぱい。ヒロインが着こなすセンスのいいカジュアル・ファッションにも注目。短めの黄色いジャケットやラフなロン・スカートなど、新しい恋の希望を託した明るい色調のコスチュームが印象的。



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<ストーリー>

◎恋のはじまり…

 ミネアポリスのレンタカー会社に勤めるマーサ(モニカ・ポッター)は、これまでの人生にイヤけがさしていた。会社の上司はイヤな男だし、恋にも破れた。そこで心機一転、99ドルでフライトできる場所へと旅立つ決心をした。手にしたのはロンドン行きの片道切符。残りの財産は35ドルだけ。勇気あるマーサの前には、やがて、3人のイギリス男性、ダニエル、フランク、ローレンスが登場する。




◎ダニエルとの出会い

 まず、マーサがミネアポリスの空港で出会ったのは商用で来ていた音楽界の重役、ダニエル。リッチな美女を見るとすぐに口説く彼。マーサの美しさに心奪われ、航空会社にかけあい、、ファースト・クラスの席を買収する。ところが、マーサはチケットを人に売り渡してしまった。結局、ダニエルの方がエコノミー席に移動して、必死にマーサに接近。彼女に自分の会社で契約しているホテルを紹介し、翌日、会う約束もとりつける。空港で別れた後、ホテルに花束をとどけさせた。これでカンペキ、と思ったのもつかの間。翌日ホテルの請求書を見て、びっくり。彼女はその夜、ふたり分のシャンパンを注文していた。恋人でもいるのだろうか?




◎フランクとの出会い

 シャンパンの一件にショックを受けたダニエルはフランク(ルーファス・シーウェル)やローレンス(ジョセフ・ファインズ)と、翌日、ランチを共にする。三人は幼なじみだった。フランクは失業中の舞台俳優、かつては子役スターとして人気があったが、、もう何年も仕事とはごぶさた。今は酒びたりで、ダニエルとはいつも口論になる。ランチの席で前日のマーサとの出会いを話すダニエル。最後はフランクと女性のことについてケンカを始め、同席したローレンス(ジョセフ・ファインズ)を怒らせる。

 フランクは新しい舞台のオーディションに行くが、直前におじけづき、会場を出た。ハイド・パークで酒を飲んでいた彼に、ある女性が話しかける。それはダニエルが噂していたマーサだった。彼はマーサをお茶に誘い、そのコケティッシュな魅力にひかれる。興奮しながらローレンスに電話で様子を知らせる彼。公園を出たふたりは自分の不幸な境遇を語りあい、互いに意地を張る。一緒に美術館に行くが、マーサはフランクをまき、途中で消えてしまう。




◎ローレンスとの出会い。

 ダニエルと空港で別れた直後、実はマーサが知り合ったのはローレンスだった。おばさま相手のブリッジの教師をしている彼は女性にはオクテ。いつもケンカばかりのダニエルとフランクの仲をとりもつ優しい性格だ。彼らとランチを共にする前日、ローレンスはアメリカから戻るダニエルを迎えに行く。しかし飛行機が早く到着してすれ違い。その上、乗客のスキー板にぶつかり、カートと正面衝突。よろけながら女性の腕に倒れ込んだローレンス。抱きとめたのはロンドンに着いたばかりのマーサだった。彼女の第六感がひらめく。彼こそは理想の人!彼女はローレンスを探し出し、彼の車に強引に乗り込む。  マーサはダニエルの用意したホテルにチェックインし、ローレンスを食事に招待。2人分のシャンパンを注文する。彼といると素直になれる。そう感じたマーサは、アメリカでのさえない日々について語る。マーサの気取らない美しさに心を奪われるローレンス。ベランダで口づけを交わそうとしたその時、マーサに花束がとどく。彼女にかわって受け取ったローレンスは、贈り主が友人のダニエルだと知って部屋を去る。その夜、マーサはひとりで部屋に残される。


◎…その恋のゆくえは?

 ホテルを出たマーサはロンドンでの2日目を迎える。そして、運命の人、ローレンスを探し出そうと必死になった。ハイド・パークではフランクと出会うが、美術館で彼をまき、出口でばったりローレンスと再会。ハイド・パークからフランクの電話を受け。彼もマーサを探しにやってきたのだ。ふたりは口論になるが、心の底では互いへの愛を実感していた。マーサは彼の部屋に行き、眠り込んでしまう。彼女が友人の家にいるとも知らず、恋わずらいのダニエルやフランクはローレンスに電話で泣き言を言う。友情か、恋か。思い悩んだローレンスは同じアパートの謎の精神分析医ペンダースン(レイ・ウィンストン)に相談に行く。

 一方、目をさましたマーサは、ショッキングな一枚の写真を目にする。そこにはダニエル、フランク、ローレンスの姿。みんなにだまされていたのだろうか?不安になってマーサは部屋を出る。そして、ロンドンでの3日目。3人と同じ場所で会う約束をとりつけた。市場には花束を持った男たちがそろい、マーサも登場。さて、もつれた恋のゆくえは……?



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<プロダクションノート>

1.「シンデレラ」を逆にした1ひとりの女と3人の男の愛のおとぎ話

 「これは一種のおとぎ話だ。ジョセフがかわいそうなシンデレラで、トムとルーファスが意地悪な姉妹たち、そしてモニカが王子さまというわけだ。マーサの気をひこうとするフランクとダニエルは、シンデレラの姉妹のような行動をとる」。この映画の4人の関係をそう語るのは監督のニック・ハム。この映画のアイデアは脚本家ピーター・モーガン自身が体験した3人の友達とのつまらない口論からヒントを得た。友人たちと出席したパーティで、パリから来た美しい女優にみんなが恋をしてしまったのだ。この体験をもとにモーガンは脚本をふくらませた。「自分の感情を素直に出せない神経質な英国人の男性が、新鮮な感覚で表現されていると思ったわ。仲間と一緒の時は男性もまるで女性のように話す。こんな風な映画はなかった」とは製作者マーミオンの弁。


2.キュートで勇気あるヒロイン、マーサのキャスティング

 マーサ役にはニコール・キッドマンやローラ・ダーンなど、ハリウッドの一流の女優たちが候補者として上げられた。そして新人のモニカ・ポッターと出会い、彼女こそがこの映画のヒロインだと感じた。「とても魅力的で、軽いコメディを上手に演じることができる。こんな女優は珍しいと思う。それでいてドラマ的な感情表現もうまい。彼女が部屋に入ってくるだけで部屋が明るくなった」と監督。ポッター自身は「どんな女性にもマーサ的な要素があると思うわ。どこか知らない土地に行って、自分の人生を始めたいって、考えることがあるんじゃないかしら」とマーサ役について分析する。


3.注目の大型スター、ジョセフ・ファインズの魅力

 『恋におちたシェイクスピア』や『エリザベス』など話題の大作映画への出演が続くジョセフ・ファインズ。今回の作品ではブリッジの教師ローレンスを演じて、ロマンティックな魅力を発揮する。「ローレンスは優しくて、温かくて、率直な人物だ。ジョセフはこうした性格をすべて満たしていた。カメラを通じて、これほどエキサイティングなマスクと説得力を持った俳優にはめったに出会えないと思うね」。そう語るのは監督のハムだ。一方ファインズは「本当は僕はフランクの役を演じたかった。フランクはかわいそうな俳優という設定だけれど、僕たち俳優はみんな彼と似たようなところがあるからね」と言う。結局、内気なローレンス役を説得力を持って演じることになった。


4.ロマンスを盛り上げるロンドンの観光スポット

 映画にはロンドンの印象的な観光名所が登場し、ハッピーなロマンスにふさわしいムードを大いに盛り上げる。マーサがフランクと出会うのはハイド・パークという設定だが、ハイド・パークは王室の持ち物なので、車両制限などがあり、結局、テムズ川近くのバタシー・パークで撮影されることになった。そのバタシー・パークの近くにあるのが有名なチェルシー橋。マーサとダニエルが再会する場面に登場する。この橋の近くにあるチェルシーは高級住宅街として知られ、作家のオスカー・ワイルドや詩人のダンテ・ガブリエル・ロセッティなどが住んだ場所でもあった。4人の主人公が一同に顔を合わせるクライマックス・シーンには下町にあるクラーケンウェルの雰囲気のいい広場が使われた。他にも高級住宅街のノッティングヒルやロンドン郊外のハマースミス橋など、ロンドンの落ちついたクリーンな地域がロケ地として選ばれた。


5.3人の大人になりきれない男たち

 映画の3人の男性について監督はこう分析する。「3人は人生を考え直さなければいけない時期に来ている。年齢も20代から30代へと変わりつつある。この映画の男たちはまだ大人になりきれないでいたが、勇気あるマーサと出会って、自分たちも新しい人生を始めようと思う。前向きなアメリカ女性に出会って、刺激されるんだ」。ストレートで積極的なアメリカ人、マーサとどこか煮え切らない3人の英国人。その対比が映画の面白さにもなっている。「いざ3人の男優たちが集まると、まるで映画そのものだった。リッチな役のトムはいろいろ欲しがる。アメリカのリムジンがいいという。俳優役のルーファスはそんな彼をからかう。そして、ブリッジの教師役のジョセフは何も欲しがらないのに、いつの間にか手に入れていた」とはハムのコメントだ。






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