『ブリスター!』/"BLISTER"





1999年/日本/108分/カラー/16mm-35mm/ステレオ/主題歌:グンSUPER APE(SME Recotds)/制作:小椋事務所/製作:博報堂・テレビ東京・ブエナビスタホームエンターテイメント/配給:スローラーナー

2000年7月1日より渋谷シネ・アミューズほかにて公開

◇監督:須賀大観 ◇製作代表:大塚康高、宮川鑛一、星野康二 ◇製作監修:安永義郎、石川博、長澤一史 ◇製作補:福田一平、岸本光司 ◇プロデューサー:藤巻直哉 ◇製作プロデューサー:小椋悟 ◇キャスティング・ディレクター:石川武彦 ◇ライン・プロデューサー:斎藤寛朗 ◇脚本:猪爪慎一 ◇撮影:西久保維宏 ◇照明:赤津淳一 ◇録音・整音:中村淳 ◇音響効果:柴崎憲治(アルカブース) ◇美術:野尻郁子 ◇キャラクターデザイン監修:小口達也 ◇ヘルバンカー&ヘルボンバー・デザイン:原健一郎 ◇ヘルバンカー・イラスト、カラーリング:小川真 ◇クラッシュオブトラッシュ&ジュラシックパンク・デザイン:吉沢成友、松村岳男 ◇キウイ・デザイン:大庭晋一朗 ◇フィギュア制作監修:蘆田明稔(REDS,INC.)

◇キャスト:伊藤英明(ユウジ)、真田麻垂直美(麻美)、山崎裕太(ハサモト)、櫻田宗久(キム)、つじしんめい(クミホ)、関川陽子(イルマ)、大岩サチヲ(アキオ)、PAUL RAUDKEPP(レン)、今村明宏(バーのオーナー)、PATRICK MARTIN(H.R.スーン博士)、MATTHEW MEERSBERGEN(ジーン・カルボーナン)、鮎貝健(フリーボーン)、DENNIS GUN(フィンク)、PATRICK HARLAN(ガンダーク)、CLAIRE TANNER(アトレイデス)、岩永ヒカル(スケクシス)、大塚明夫(テラダ)



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【解説】

どうしても欲しい幻のフィギュアと、
終わっちゃいそうな恋愛と、SFアクションみたいな未来と、
ポップなアメリカンコミック。

しょうもないこだわりと、
ちっぽけな夢が詰まった、おもちゃ箱。
でも、それが何かを動かしてる。
『ブリスター!』は、そんな映画。


映画や、コミック、アニメ、ゲームのキャラクターの人形玩具、フィギュア。特に、ハリウッドSF映画やアメリカンコミックのキャラクターをモチーフにした「アクションフィギュア」と呼ばれるストリームは、近年、日本でも大きく注目を集めています。

『ブリスター!』の主人公ユウジも、熱烈なフィギュアフリークで、部屋の天井からは無数のフィギュアがぶら下がり、日々の生活はフィギュアとともにある、という状態。この主人公の周辺を、彼のフィギュアフリークぶりにあきれはてている恋人のマミや、個性的な価値観を持ったフリークたちが取り巻いていて、それぞれ独特の感性を持った彼らの織りなす人間間系が、ストーリーの中心にあります。

けれど、『ブリスター!』は、フィギュアやそれを取り巻くカルチャーシーンを描くだけの作品ではありません。幻のフィギュア「ヘルバンカー」の原作であるアメリカンコミックのストーリー。未来の砂漠で、たかだか一体のフィギュアをめぐってハイテンションな口論を続ける戦士たち。韓国宮廷秘伝の技術を受け継ぐ謎の老人。いくつものストーリーが、絡まりあい、積み重なり合っていく中から、もう一つのストーリーが、新たに浮かび上がってくるのです。

監督の須賀大観は、いくつものストーリーを独特のリズムで組み合わせて、まったく新しい話法で語りかけてきます。テンポの速い編集は、監督自身によるもの。そして、「自分自身、フィギュアフリークだ」という監督は、登場人物達に徹底したこだわりと暖かい視線を注ぎながら、物語にも、あざやかな結末を用意してくれます。



 




【プロダクションノート】


オリジナルフィギュア、イラスト、衣装、音楽。
新しい感性を集めて実現した、大きなコラボレーション。




この映画のエンドロールには、あまり見かけないスタッフの肩書きがたくさん並んでいます。フィギュア製作監修とか、キャラクターデザイン監修とか。実は、映画の中に登場するフィギュア達、伝説のフィギュア「ヘルバンカー」をはじめ、マニアを悩ませる偽物フィギュアや、ユーモラスなパロディフィギュアなど、数多くのフィギュアが、この映画のためにオリジナルで製作されたのです。一体ごとに担当のデザイナーによってキャラクターデザインが行われた後、日本で実際にフィギュアの製造を手がける玩具メーカーの協力で製作されました。また、「ヘルバンカー」原作本のイラストなど、全体のキャラクターデザインを20代の若手デザイナーが監修しています。

未来シーンの衣装と小道具は、デザイン会議を重ねて、ひとつひとつ手づくりで作られたもの。製作現場となったプロジェクトルームは、製作期間、おもちゃ箱ともごみ箱ともつかない、すさまじい状態でした。

音楽にも、メジャーデビュー前の若手アーティストが多く参加しています。監督は、レコード会社の協力のもと、インディーズCDはもちろん、持ち込まれたオーディションテープまで対象としてバンドを選定。映画にマッチする21の楽曲が提供されました。

少し堅い話になりますが、『ブリスター!』は、比較的低予算で、作品ごとに観客をイメージし、明確なカラーを持ったエンタテインメントを製作することで、映画の新しい可能性を探っていこうというプロジェクトから生まれました。そして「フィギュア」と「モノをつくること/集めること」をテーマに映画を製作するという話になったとき、驚くほど多くの方から「一緒にやろう」という声をいただきました。

『ブリスター!』は、小さな作品ですが、たくさんの新しい感性とアイデアが詰まっています。そして、その大きなコラボレーションが、いままでは難しいといわれていたジャンルの企画から、独特の色彩をもった新しい映像を実現させているのです。



 




【ストーリー】


そのフィギュアが、地球の未来を変える。
〜時空を駆けるハイテンション・SFムービー〜





熱烈なフィギュアのコレクター、ユウジ(伊藤英明)。彼は、今、「ヘルバンカー」を探している。それは、世界中のマニアが必死に探している伝説のフィギュア!多くのことが語られながら、まだ、誰も見たことがない。ユウジはゲットすると決めたフィギュアのためなら、すべて忘れて突っ走る。「ヘルバンカー」を追いかけ始めてからの彼の生活は、さすがに彼女のマミ(真田麻垂美)にも理解できない。一緒に暮らしてきた二人だけれど、最近、口喧嘩ばかり。マミはカメラマンアシスタントの仕事を元気にこなしながらも、時々ふと寂しそうな表情を見せるようになった。

でも、ユウジは「ヘルバンカー」を探す。探す。探す。

ロボットマニアのグラフィックデザイナー、ハサモト(山崎裕太)。レアものコレクターで、ヘルバンカー探しのライバル、キム(櫻田宗久)、ネイルアーティストのイルマ(関川陽子)と、ユウジを取り巻くのは個性的なクリエイターの卵達。そして、彼らの溜まり場のバーの店長テラダ(大塚明夫)は、これまた折り紙付きのSFマニア。ユウジのちょっとイカれた生活は、まだまだ続きそうに思えた。

だが、ユウジは、ある日、一人の科学者の存在を知る。「ヘルバンカー」の行方を知るに違いない、その科学者スーン博士と、コンタクトを試みるユウジ。そして、それは彼の運命を思わぬ方向に変えていくことになる。ほどなく事件が起こり、スーン博士が暗殺された。「ヘルバンカー」には、秘密が隠されていたのだ。

現代へ、そして未来へ、物語は時空を駆ける。

近未来の砂漠。そこでは、たかだか一体のフィギュアをめぐって、戦士達がハイテンションな口論を続けていた。

とある、海辺。韓国宮廷秘伝の造型技術を受け継ぐ老人は、寂しげに余命いくばくもない自分の未来を憂いた。

ストーリーは、それぞれに謎をかかえたままに進行していく。しかし、それらの物語はかすかに重なり合い、やがて、一つの真実が明らかになる。





 




【キャスト&スタッフ】

ユウジ役の伊藤英明は、大のフィギュア好き。美術のセッティングでも、「こういう並べ方しないんだなあ、本当のマニアは」などといいながら、スタッフに的確なアドバイスをしてくれました。共演は『眠る男』『月とキャベツ』などで主役を演じ、きらりと輝く感性をみせる真田麻垂美、そしてこだわりを絵に描いたようなキャラクターを巧みに演じてくれた山崎裕太など、日本国内の映画・ドラマで活躍する若手の実力派を軸に、モデルの関川陽子、ミュージシャンでMTVのナビゲーターもこなす鮎貝健など、異なるジャンルで活躍する若手も加わっています。


■伊藤英明(ユウジ)

1975年8月3日生まれ。

1997年「デッサン」(日本テレビ)でドラマデビュー。同年末の「踊る大捜査線スペシャル」を経て、1998年から本格的にドラマ出演を開始。1998年4月〜「愛、ときどき嘘」(日本テレビ)レギュラー、1998年7月〜「ボーイハント」出演。1999年10月からは「OUT〜妻たちの犯罪」(CX)、「ヤマダ一家の辛抱」(TBS)にレギュラー出演し、活躍の場を拡げている。その美形が注目されるとともに、演技へのひた向きな集中力で、演技派としての期待もかかる若手俳優である。



■真田麻垂美(マミ)

1977年8月11日生まれ。

映画『眠る男』の一般オーディションでヒロイン役を射止めデビュー。その後、『月とキャベツ』『しあわせになろうね』『きみのためにできること』と、映画女優としての実績を積む。一方CFでは、ロッテの「紗々」、資生堂「シーズ洗顔ウォーター」などで、さわやかな笑顔を印象づけた。ストーリーのキーポイントとなる役を確実に掴み取っていく感性と、さりげない存在感が魅力の実力派だ。



■須賀大観(監督)

1968年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。

高校時代に監督したSFジュブナイル「ODDBALLS」が1986年のぴあ・フィルムフェスティバルで高い評価を得たことをきっかけに、本格的な映画製作を開始。1991年広告会社に入社後、CFクリエイターとして活動する一方、エンタテインメント事業、映像ソフト開発に携わる。1997年、クラブカルチャーを描いた映画『B』で商業映画監督としてデビュー。 そのスタイリッシュな作風が注目を浴びている。



 















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