『ワンダー・ボーイズ』



2000年9月2日より全国東宝洋画系にて公開

2000年/アメリカ/シネマスコープ/ドルビーSRD/1時間51分/字幕スーパー:柴田京子 ミューチュアル・フィルム・カンパニー/丸紅/エムスリイエンタテインメント/東宝東和提供

◇制作総指揮:ネッド・ダウド、アダム・シュローダー ◇監督・製作:カーティス・ハンソン、スコット・ルーディン ◇製作補:リサ・グランディ ◇原作:マイケル・シェイボン(早川文庫刊) ◇脚本:スティーブン・クローブス ◇音楽:クリストファー・ヤング ◇撮影:ダンテ・スピノッティ ◇編集:ディディ・アレン ◇キャスティング:マリ・フィン ◇プロダクション・デザイナー:ジャンニーン・オッペウォール ◇美術:ドナルド・B・ウッドルフ ◇舞台美術・ジェイ・ハート ◇衣装デザイン:ベアトリックス・アルナ・バスター ◇メイクアップ:マイケル・ビッガー、アレン・ウェジンガー ◇プロダクション・マネージャー:ザーン・ウェイナー

◇キャスト:マイケル・ダグラス、トビー・マグワイア、フランシス・マクドーマンド、ロバート・ダウニーJr、ケイティ・ホルムズ、リップ・トーン、リチャード・ノックス、ジェーン・アダムス、マイケル・カバディアス、リチャード・トーマス、アラン・テュディック、フィリップ・ボスコ、ジョージ・グリザード



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【解説】

◆絶頂と、どん底を知った人ほど幸せになれる!?
90年代傑作小説「ワンダー・ボーイズ」待望の映画化!


“ワンダー・ボーイ”とは、人生の早いうちに大きな成功を手にした人のこと。そのせいで残りの一生涯、自分がその名に恥じないかと不安にさいなまれ、びくびくし続けなければならなくなる。この様な試練は、どんな成人した大人でも大変な重荷だろう。 『ワンダー・ボーイズ』は、マイケル・シェイボンの絶賛されたベストセラーを原作にスティーブン・クローブスが脚本を担当。製作・監督にアカデミー賞9部門ノミネートの『L.A.コンフィデンシャル』のカーティス・ハンソンがあたり、挿入曲を伝説のシンガー=ボブ・ディラン、ジョン・レノンらが提供と全米最高のスタッフが結集した話題作。


ちょっと変わった登場人物は、アメリカで最も才能に恵まれ、あいかわらず現役で大活躍中のマイケル・ダグラス、アカデミー賞主演女優賞のフランシス・マクドーマンド、演じる役柄で型にとらわれない自由な性格を見いだす非凡な才能を持つトビー・マグワイア、個性的な演技が光るロバート・ダウニーJr、そして売り出し中の演技派女優ケイティ・ホルムズが扮し、リップ・トーン、リチャード・トーマスら名脇役と共に、素晴らしいアンサンブルを見せている。
週末3日間に巻き起こる事件を通して、世代も、育った環境もまったく違う3人の“ワンダー・ボーイ”たちの、人生の不安、仕事のもたらす苦悩を、独創的な手腕でまとめながら、クライマックスでは人生はきっとうまくいくという希望を満たして、爽やかな感動を呼ぶ『ワンダー・ボーイズ』は、登場人物全員がハッピーエンドを迎え、観客に大いなる喜びを与えてくれる傑作である。




 


【ストーリー】

◆迷い多き人生を、生きていくのは“痛い”もの。

大学の英文学科教授兼作家のグラディ・トリップ(マイケル・ダグラス)は、見事受賞を果たした前作で一躍“ワンダー・ボーイ”として文壇で脚光を浴びた存在であったが、今や作家生命の危機に瀕していた。3人目の妻は家出してしまうし、浮気相手のサラ(フランシス・マクドーマンド)からは妊娠を告げられる。だが最大の問題は、7年前前編のつもりで書きはじめた新作が2611ページに達しても、いまだ結末が見えてこないことだった。このかつての時代の寵児、過ぎ去りし日のワンダー・ボーイが、大学で毎年開催される作家たちのお祭“ワードフェスト”をひかえ、いつにもまして自信喪失と不安にさいなまれるのも仕方のないことだろう。しかも今年は、かつての傑作をまとめ上げた編集者が、はるばる最新作を求めてやってくるとなれば…。

しかしながら、この作家会議の夕べは、作家志望でちょっと変わり者の教え子ジェームズ・リア(トビー・マグワイア)のおかげで、次から次へと不運な事故をたぐり寄せ、結局、思いもよらないほどの大災難になってしまう。ジェームズ・リアはグラディの教え子の中でも最も才能に恵まれた学生だ。さらに嘘つきの才にも恵まれ、その奇妙な性癖のせいで、グラディは人生最悪の週末を過ごす羽目になってしまうのだった…。

 


【キャスト&スタッフ】

■マイケル・ダグラス(グラディ・トリップ)

1999年の大晦日に、女優キャサリン・ゼタ・ジョーンズと婚約し、話題を呼んだ全米映画界屈指の実力者。アカデミー賞俳優及びプロデューサーであり、時代風潮や世間の関心事を反映した映画を選び取る才に長けている。初期の当たり役は警察シリーズ「サンフランシスコ捜査線」で、これは1970年代中盤のゴールデンタイムで最も視聴率の高い番組のひとつとなった。ダグラスはこの演技で3回連続してエミー賞にノミネートされ、エピソードのうち2本を演出している。

長い間、ケン・ケージーの小説『カッコーの巣の上で』の映画化に興味を抱き続け、父親のカーク・ダグラスから映画化権を買い取ったあと、ソール・ゼインツとパートナーを組んで1975年に映画化。この作品はアカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、主演女優賞を獲得し、興行収益1億8000万ドル以上を稼いだ。次の作品『チャイナ・シンドローム』(1979)はサスペンスの話題作であり、3つのアカデミー賞にノミネートされた。1970年代後半に俳優業を再開し、『コーマ』『ランニング』『It's My Tum』『密殺集団』『コーラスライン』で主演。1984年のヒット作『ロマンシングストーン/秘宝の谷』で俳優・プロデューサーを兼任し、全国映画館主協会によって1984年のプロデューサー賞に選出。翌年には、ふたたび前作の共演者キャサリン・ターナー、ダニー・デビートと組み『ナイルの宝石』を製作している。



また製作総指揮を取った『スターマン/愛・宇宙はるかに』は、1984年のクリスマス・シーズンに予想外のヒット作となり、主演のジェフ・ブリッジスにアカデミー賞の主演男優賞ノミネートをもたらした。1985年には、『危険な情事』でグレン・クローズと共演し、『ウォール街』では企業乗っ取り屋ゴードン・ゲッコーを演じ、この作品ではアカデミー賞の主演男優賞を獲得した。さらに『ブラック・レイン』で主演。それからふたたびキャサリン・ターナー、ダニー・デビートと組んで『ローズ家の戦争』を、1989年にストーンブリッジ・エンターテイメントを設立し『フラットライナーズ』を製作した。『氷の微笑』では、シャロン・ストーンとともに主演し、これは1992年の興行収益のトップの一本となった。1993年には、話題作『フォーリン・・ダウン』で記憶に残るパワフルな演技を披露、1994年には、マイケル・クライトンのベストセラー小説に基づいた『ディスクロージャー』で、デミ・ムーアとともに主演。1995年は、ロマンチック・ドラマ『アメリカン・プレジデント』でタイトルロールを演じている。最近では心理スリラー『ゲーム』と『ダイヤルM』に主演した。

1994年には、スティーブン・ルーサーとともにダグラス/ルーサー・プロダクションズを設立。最初の自社作品は、ダグラスとヴァル・キルマーが主演した『ゴースト&ダークネス』で、引き続きヒット作『フェイス/オフ』『レインメーカー』を製作している。最近では新しい製作会社ファーザー・フィルムズを設立。USAフィルムズを通じて2000年の後半に『One Night At McCool's』を公開する。
ダグラスは、核兵器廃絶と小火器の拡散防止のために活動しており、1998年にコフィー・アナン国連事務総長によって国連の平和大使に指名された。最近では、非営利の慈善ウェブサイトwww.michaeldouglas.comも開始している。



■トビー・マグワイア(ジェームズ・リア)

1975年カリフォルニア州サンタモニカ生まれ。最新作はアカデミー賞7部門にノミネートされたジョン・アーヴィング原作で、マイケル・ケインとシャリーズ・セロンと共演したラッセ・ハルストレム監督の『サイダーハウス・ルール』、それにスキート・ウーリッチ監督『Ride With the Devil』である。

最初に注目を集めたのは、アカデミー賞にノミネートされたグリフィ・デューン監督の短編『Duke of Groove』。その他の出演作には、『ワンダー・ボーイズ』で共演しているケイティ・ホルムズに加え、クリスティーナ・リッチ、ケビン・クラインと共演したアン・リー監督『アイス・ストーム』、リース・ウィザースプーンと共演し、賞賛されたゲイリー・ロス監督『カラー・オブ・ハート』、ウディ・アレン監督の文学的風刺劇『地球は女で回っている』、アンドリュー・ウェルズマン賞の受賞作を映画化したジェフリー・レビイ監督『S.F.W.』、マイケル・ケイトン・ジョーンズ監督『ボーイズ・ライフ』のほか、テリー・ギリアム監督『ラスベガスをやっつけろ』のカメオ出演がある。



■フランシス・マクドーマンド(サラ・ガスケル)

名高いコーエン兄弟の『ファーゴ』で警察官マージ・グンダーソンを演じてアカデミー賞を受賞。1988年には『ミシシッピー・バーニング』の助演でもアカデミー賞にノミネートされている。最新作は、『マドレーヌ』のミス・クラヴェル役、多彩な出演作は、ほかに『真実の行方』『ローンスター』『ダークマン』『ショート・カッツ』『ラングーンを超えて』『Paradise Road』など。
テレビ映画の主演作には、「愛を奏でて」「ワイルドメン/グッド・オールド・ボーイズ」「Taking With...」「Hidden in America」などがある。演技はイェール大学の演劇学部で学んだ。ブロードウェイのヒット作としては「欲望という名の電車」のステラ役でトニー賞にノミネートされ、パブリック・シアターの「The Swan」でも主演した。次回作は、ドリームワークス製作のキャメロン・クロウ監督の『Stillwater』。



■ロバート・ダウニーJr.(テリー・クラブツリー)

『チャーリー』でチャーリー・チャップリンを演じ、米国と英国の両アカデミー賞にノミネートされた。1980年代の著名なアンダーグラウンド映画作家ロバート・ダウニーの息子として、子供時代に1970年の父親のフィルム『Pond』で初めて映画に出演。次の映画は14年を経たジャッフェ/ランシング・プロダクションズの『家族の絆』だった。主な出演作品の監督を挙げると、ロバート・アルトマン(『ショート・カッツ』『相続人』)、オリバー・ストーン(『ナチュラル・ボーン・キラーズ』)、ジョディ・フォスター(『ホーム・フォー・ザ・ホリデー』)リチャード・ロンクレイン(『リチャード三世』)、マイケル・ホフマン(『恋の闇 愛の光』)、マイク・フィギス(『ワン・ナイト・スタンド』)、ニール・ジョーダン(『In Dreams』)フランク・オズ(『Bowfinger』)ジェームズ・トバック(『マンハッタン恋愛事情』『Black and White』)、それに父親(『ヒューゴ・プール』)など、錚々たるメンバーが連なる。その他の出演作には、『L.A.大捜査線/狼たちの街』『エア・アメリカ』『ソープディッシュ』など。


■ケイティ・ホルムズ(ハンナ・グリーン)

ワーナー・ブラザーズのテレビシリーズ「ドーソンズ・クリーク」のジョーイとして最もよく知られている。オハイオ州トレドで生まれ育ち、高校の演劇で演技を始めた。 出演作は、『アイス・ストーム』『洗脳』『go』それに「ドーソンズ・クリーク」の創作者ケビン・ウィリアムソンの監督作『鬼教師ミセス・ティングル』など。現在は、ケート・ブランシェットと共演する次回作の『The Girl』の製作に入っている。


■カーティス・ハンソン(監督)

監督・製作・脚本(ブライアン・ヘルゲランドと共同)を兼ねた『L.A.コンフィデンシャル』は、ジェームズ・エルロイの時代物犯罪小説の映画化で、これは1997年のアカデミー賞で脚色賞と助演女優賞(キム・ベイシンガー)を受賞しただけではなく、ライターズ・ギルド・オブ・アメリカの脚色賞に加え、主な批評家組織の監督賞と脚色賞を総なめにしており、ニューヨーク映画批評家協会、全米映画批評家協会、ロサンゼルス映画批評家協会、ボストン映画批評家協会、シカゴ映画批評家協会、ロンドン映画批評家協会などがある。
脚本と監督業に転身する前は映画雑誌の編集者、写真家だった。1978年に、いくつもの賞を受賞したカナダ映画『サイレント・パートナー』の脚本を執筆、1982年に故サミュエル・フラー監督とともに『ホワイト・ドッグ』を書き、これをフラーが監督。その一年後に、キャロル・バラード監督『ネバー・クライ・ウルフ』のために共同脚本を執筆。1987年にスティーブ・グッテンバーグ、エリザベス・マクガバンが主演した『窓・ベッドルームの女』を脚本/監督している。これに続いて、2本の現代サスペンス、ロブ・ロウとジェームズ・スペイダー主演の『バッド・インフルエンス―悪影響―』、それにレベッカ・デモーネイ、アナベラ・シオラ主演の『ゆりかごを揺らす手』を手がけた。1994年には、メリル・ストリープ、ケビン・ベーコン主演の『激流』を監督した。



■スコット・ルーディン(製作)

舞台でも活躍する名プロデューサー。これまでの映画作品は『アンジェラの灰』『スリーピー・ホロウ』『救命士』『トゥルーマン・ショー』『シビル・アクション』『イン&アウト』『身代金』『マイ・ルーム』『ファースト・ワイフ・クラブ』『トワイライト』『クルーレス』『サブリナ』『ノーバディーズ・フール』『ザ・ファーム/法律事務所』『ボビー・フィッシャーを探して』『天使にラブソングを…』『アダムス・ファミリー』『アダムス・ファミリー2』『リトルマン・テイト』『心の旅』『パシフィック・ハイツ』『フラットライナーズ』『ジェニファー8(エイト)』『燃えつきるまで』、それにアカデミー賞受賞のドキュメント映画『He Makes Me Feel Like Dancing』、最新作はジョン・シングルトン監督『Shaft』。


■スティーブン・クローブス(脚本)

ジャッフェ/ランシング・プロダクションの『月を追いかけて』の脚本を書いてデビュー。この映画はリチャード・ベンジャミンが監督した第二次世界大戦を背景にした成長物語で、ショーン・ペン、エリザベス・マクガバンが主演し、若き日のニコラス・ケイジが重要な役を務めている。
1989年に、ジェフ・ブリッジス、ボー・ブリッジス、ミシェル・ファイファーが主演し、高い評価を受けた『恋の行方/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』によって、脚本家、監督として注目された。この映画はアカデミー賞4部門でノミネートされ、ミシェル・ファイファーがゴールデン・グローブ賞と英国アカデミー賞を受賞している。1993年、デニス・クエイド、メグ・ライアン、グウィネス・パルトロウ主演のサイコスリラー『フレッシュ・アンド・ボーン/乾いた愛のゆくえ』を脚本・監督した。



■マイケル・シェイボン(原作)

作家マイケル・シェイボンの処女作は、1988年に発表され、批評的に絶賛されたベストセラー「The Mystereis of Pittsburgh」である。次の小説「ワンダー・ボーイズ」は、パブリッシャーズ・ウィークリー誌によって1995年のベストブックに挙げられたほか、ニューヨーク・タイムズ紙によって1995年の注目すべき本の一冊に選ばれている。また、これまでに2冊の短編集―「A Model World and Other Stories」(1992)、「Werewolves in Their Youth」(1999)のほか、ニューヨーカー、エスクワイアー、プレイボーイ誌などの雑誌にストーリーや記事を書いている。