『ツイン・フォールズ・アイダホ』/"TWIN FALLS IDAHO"


1999年サンダンス映画祭正式出品
1999年東京国際映画祭コンペティション部門出品
7月29日より銀座テアトルシネマにて公開

1999年/アメリカ/1時間50分/カラー/ドルビーデジタル/ヴィスタサイズ/製作:シアトル・パシフィック・インベンストメンツ、フレッシュ・プロデュース・カンパニー/配給:大映株式会社

◇監督:マイケル・ポーリッシュ ◇脚本:マーク&マイケル・ポーリッシュ ◇製作:マーシャル・パーシンガー、リナ・ロンソン、スティーブ・J・ウルフ ◇製作総指揮:ジョイス・シュヴァイカート ◇撮影監督:M・デビッド・ミューレン ◇編集:レオ・トロンベッタ ◇美術:ウォーレン・アラン・ヤング ◇衣裳デザイナー・ビック・オーウェン ◇音楽:スチュアート・マシューマン ◇スペシャル・エフェクト:ゲーリー・J・タニクリフ

◇キャスト:マーク・ポーリッシュ(ブレイク・フォールズ)、マイケル・ポーリッシュ(フランシス・フォールズ)、ミシェル・ヒックス(ペニー)、レスリー・アン・ォーレン(フランシーン)、パトリック・ボーショー(マイルズ)、ジョン・グリース(ジェイ)、ギャレット・モリス(ジーザス)、ウィリアム・カット(外科医)



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【解説】

◆いつかまたこの場所で君と巡り会いたい

誰もが誰かと強く結ばれたいと思うもの…。

『ツイン・フォールズ・アイダホ』はいわゆる「シャム双生児」(以下結合性双子)の美しい兄弟ブレイクとフランシスと、彼らに惹かれていく娼婦ペニーの三角関係をオリジナルな視点から繊細なタッチで描いたラブ・ストーリーである。脚本・監督を担当し、主役のフォールズ兄弟を演じるのは、これがデビュー作となる美形の一卵性双生児ポーリッシュ兄弟、また既にモデルとして成功を収めてきたミシェル・ヒックスがペニー役でスクリーンデビューを果たし、物語に彩りを添えている。双子の中でも結合性双子は、そのミステリアスな存在感から作家の創作意欲を刺激するものらしい。萩尾望都が描き出し、野田秀樹が舞台化に挑んだ「半神」をはじめ、古くは「シャム双子の謎」(エラリー・クィーン作)から最近の短編集「すいかの匂い」(江國香織作)まで古今東西の小説に特異なキャラクターとして登場し、物語を忘れがたいものにしてくれる。


ポーリッシュ兄弟が結合性双子という存在に興味を持ったのは彼らが小学生の時だ。ギネスブックの中に、19世紀はじめのシャム(現在のタイ)に生まれ双子のサーカス芸人として有名だったバンカー兄弟の写真を見つけたのである。それ以来ポーリッシュ兄弟はそのドラマチックな人生に魅せられ、結合性双子に関する新聞記事や医療データなどを集めていた。この結合性双子への興味が実を結んだのは彼らが『ツイン・フォールズ・アイダホ』の脚本を書くために本格的なリサーチを始めた時だった。

インディペンデントのプロダクションにこの企画が持ち込まれた時、ポーリッシュ兄弟は書き上げた脚本をもとにした絵コンテ、シリコン製の特殊メイク・コルセットや双子が着るテイラード・スーツのデザインまで用意していたという。誰の目にも映画の完成されたイメージがはっきりと浮かび上がり、すぐに製作が開始された。1999年のサンダンス映画祭で上映後、それまでまったくノーマークだったにも関わらずソニー・クラシックスによる全米配給が即決した。公開後は批評家やマスメディアが高く評価したアメリカ国内での異例のロングランとなった。1999年のナショナル・ボード・オブ・レヴューのスペシャル・メンションを受賞、またドーヴィル映画祭で『ビーイング・ジョン・マルコビッチ』とグランプリを争い、審査員特別賞と観客賞に輝いた。ほかにシアトル映画祭、東京国際映画祭、サンセバスチャン映画祭はじめ多くの国際映画祭で公式上映されている。



 




【映画評】

◆レイ・グリーン(BOXOFFICE誌)

“☆☆☆☆1/2。疎外とは、他人とは、愛とは、という疑問に対する解答を奇跡的に導き出したチャーミングでロマンティックな寓話。物語をフェアリーテイルのように昇華している。ミシェル・ヒックスには脂の乗った時期のユマ・サーマンのごとく明るい未来が開けているであろう。デート・ムービーという視点からも広くメインストリームの観客に観られるべき映画”


◆トッド・マッカーシー(ヴァラエティ誌)

“コーエン兄弟、タビアーニ兄弟とも違う独特な魅力を持った兄弟監督による映画”


◆フィルム・ジャーナル誌

“セックスは愛を高めるという。しかし、生まれてから常に自分と全く同じ人間と向き合っているという事実があった時も、愛はその状況を打開できるのか?それが、この魅力的で美しい物語の根幹だ。驚くほどやさしく、心に響き、そしてスイートな映画”


◆E!

“すばらしく完成された映画”


◆リサ・シュワルツェバウム(ENTERTAINMENT WEEKLY誌)

“A-。通常、もっと熟練した映画製作者でも見誤ってしまいそうなテーマのテイストと現実味をマイケル・ポーリッシュとその兄弟は常に的確に表現している”


◆ハリウッド・レポーター誌

“世界的に見ても眼を見張るほどオリジナルな作品。才能あるポーリッシュ兄弟によって念入りに作り込まれ、芸術的にもエキサイティングな作品。兄弟の絆とコミュニケーション、人間のアイデンティティと完成について追求された映画”


◆ケビン・トーマス(ロサンゼルス・タイムス誌)

“ポーリッシュ兄弟は、最近ではお約束のように使われるブラック・ユーモアを排することによってすばらしいムードを持ち合わせた限りなく感動的な作品を私たちに提供してくれた”


◆ジャネット・マスリン(ニューヨーク・タイムズ誌)

“いくら映画を観ても、このような映画には、なかなかお目にかかれない。相互依存するということは孤独になることでもあるというテーマをスタイリッシュにオリジナリティ溢れるように描いた映画”


 




【ストーリー】

美しき双子のブレイク(マーク・ポーリッシュ)&フランシス(マイケル・ポーリッシュ)のフォールズ兄弟は、自分達をこの世に生んだ直後に失踪した母親を探して、ある街に辿り着く。アイダホ通りにある怪し気な人々の出入りするホテルに滞在する二人。

若いモデル志望の娼婦ペニー(ミシェル・ヒックス)は、彼らの一人に呼ばれてホテルを訪ねた。何気なく中に入ったのだが、その姿を一目見るなり部屋を飛び出した。彼らは「結合性双子」という特別な双子だったのだ。最初はその見た目に驚いたペニーだったが、双子の一人、フランシスが病気らしいことを知り、彼等を放って置くことができなくなる。




ペニーの主治医、マイルズ(パトリック・ボーショー)がホテルに呼ばれ診察した。不思議なことにフランシスは流感に罹っているが、ブレイクは元気なのだという。看病の合間に、彼等の出生証明書を見つけてしまうペニー。ハロウィンの夜。友人とカフェでおしゃべりをしていると、偶然同じ店で食事をしているフォールズ兄弟と出会う。おしゃれなスーツを来て外出をしている彼等を見て、嬉しくなったペニーは、ハロウィンの仮装パーティに二人を誘い出す。彼等が特別な目で見られないのは1年のうちで今夜だけ。特別な一夜を楽しく盛り上がり、三人でダンスを踊る…。そのまま、ペニーの部屋へやってきて、フランシスとブレイクは上手に二人で1本のギターを弾き、ペニーも加わって楽しい時間を過ごすのだった。

不思議な外見とは裏腹に、双子の持つ独特のユニークな美しさを見出したペニーは、知らず知らずのうちにブレイクに惹かれている自分に気づき驚く。しかし彼等はこのままで長くは生きられない。健康なブレイクが生き延びるためには、双子を分離する手術が必要だという医師・マイルズの言葉に、三人それぞれの葛藤が始まった。ブレイクへの愛と同時に、双子特有の強烈な絆を理解しようとするペニーは、どうやって自分の人生との折り合いをつけるのか…。





 




【キャスト&スタッフ】

■監督・共同脚本:マイケル・ポーリッシュ(弟)…フランシス・フォールズ役

カリフォルニア州サクラメント生まれの20代の新進監督。カリフォルニア芸術大学の映画芸術科で映像コミュニケーションを専攻した。短編の第一回監督作品『Clown』はニューヨークのコニーアイランド遊園地の定休日にひとりだけ仕事にやってきたピエロの物語。2本目の短編作品『Bajo del Perro(“Under the Dog”)』で、新人監督として脚光を浴びる。メキシコ・ボクシングを扱ったこの作品は、サン・アントニオ映画祭最優秀短編作品賞、全米監督協会名誉作品賞、ウォルト・ディズニー社ヤング・フィルムメイカー賞、ロチェスター国際映画名誉作品賞、などアメリカ国内で数々の賞に輝いた。

監督としてマイケルが最も注意を払ったのは、いかにも低予算的なルックスを絶対に避けるという事。作品の持つテーマを活かしきるために、最高のカメラとフィルムそしてレンズしか使わない事を誓った。唯一の例外は兄弟が自転車に乗るシーンで、これは“ノスタルジックなホームムービー”的な感じを出すためにスーパー8ミリで撮影した。また映画の中で環境そのものが「物語る」存在となるために、室内シーンの配色に特に気を遣った。ペニーの部屋はラベンダーやパープルを配し「見せかけの自信や自己に対する安心感」を表現した。母親のアパートは温かなぬくもり、生命力、そして彼女の息子たちの誕生日であるハロウィンと関連付けた。そして双子の住むホテルの部屋は病的な灰色がかったグリーンという風に。キャスティングについては、俳優達がそれぞれに独特の雰囲気を作品に持ち込むよう心を砕いた。パトリック・ボーショー(マイルズ)の成熟した大人の知識人然とした雰囲気、ジョン・グリース(ジェイ)のコミカルなトーン、ギャレット・モリス(ジーザス)がユーモラスなシチュエーションで発揮するドラマチックな味わい、レスリー・アン・ウォーレン(フランシーン)が放つパワフルな存在感…。特にミシェル・ヒックス(ペニー)の誠意に満ちた雰囲気は、オーディションで際立った輝きを放っていた。



■脚本・マーク・ポーリッシュ(兄)…ブレイク・フォールズ役

一卵性双生児であるマークとマイケルは、過去に3本の脚本を共同執筆しており、3本ともタイトルには北米の小都市の名前が付けられている。その3本シリーズの1本目となるのが『ツイン・フォールズ・アイダホ』である。また、数々の賞に輝いたマイケルの監督作『Bajo del Perro(“Under the Dog”)』ではポンチョ役を演じている。幼い頃から演技好きで、ハイスクール時代を通して演技と映画製作に積極的に参加していた。

ポーリッシュ兄弟の次回作は、共同脚本による『North Folk』に決まり現在準備に入っている。『ツイン・フォールズ・アイダホ』は、二人の若い男性と一人の女性を巡る三角関係というラブストーリーに新しい角度で切り込んだものである。今までに結合性双子を扱った映画は少ないという事実に、脚本家としてマークは多くの可能性を見たという。「物語の中には二つのデリケートなラブ・ストーリーが存在する。一つはブレイクとペニーの“恋愛”。そしてもう一つはフランシスとブレイクの“恋愛”だ。その二つが絡み合いながら、“融合”や“人間関係”をテーマにしたこの映画を前へ推し進めていく。そして、このテーマには“物理的な融合”や“感情面での合致”、そして作品に登場するジーザスという人物が言うように、ある二人の間に存在し得る永遠不滅の“精神の融合”など様々な意味合いが含まれる。」深遠なテーマを扱いながら全体を軽くしゃれた感じにしているのは、ドライなユーモアのセンスだ。例えばセリフにもある「一年のうち唯一、彼等が“普通の存在”でいられる日」であるハロウィンの仮装パーティのシーンなど、かなり最悪の時でもブレイクとフランシスはオフビートな言葉とさらりと吐く。彼らのそんな雰囲気が、重く暗くなりがちな全体のトーンを明るくしている。



■ミッシェル・ヒックス(ペニー役)

本作でスクリーン・デビューを飾った。輝くような白い肌と美しいブルーの瞳。対照的な黒い髪を持つ個性派モデルとして、6年前にモード界に入って以来トップの地位にのぼりつめ、有名デザイナーのコレクションやフォトグラファーとの仕事で成功をおさめる。各国のVORGE、ELLEをはじめ日本の女性誌、ファッション誌でもモデルとして活躍してきた。

映画の公開に合わせスーパーモデル並みにグラビアを飾る女優は多い。しかし今回は逆にその美しい容貌で成功をおさめたモデルが、インディペンデントの女優としての一歩を踏み出した。普段めったなことでは涙は流さないのに、この脚本を読んだとき彼女は泣いてしまったという。『ツイン・フォールズ・アイダホ』の成功によって、ドラマ『Everything Put Together』に出演、続いてマシュー・ブラウン監督『Ropewalk』の主役に決定するなど女優として幸運なスタートを切った。



■レスリー・アン・ウォーレン(フランシーン)

ブレイク・エドワーズ作品『ビクター・ビクトリア』(1982)でのウォーレンの秀逸な演技はアカデミー賞ノミネートをはじめ、ニューヨーク批評家協会賞、助演女優観客賞(People's Award for Supporting Actress)など数々の受賞をもたらした。アラン・ルドルフ作品『チューズ・ミー』(1984)でも、助演女優観客賞を受賞。同じくルドルフ作品『ソングライター』(1984)では、ゴールデングローブ助演女優賞にノミネートされているほか多彩な映画に多数出演。新作では、スティーブン・ソダーバーグ監督の『イギリスから来た男』、ケビン・ウィリアムソンの『Killing Mrs.Tingle』など、テレビシリーズやブロードウェイの舞台でも活躍している。


■パトリック・ボーショー(マイルズ)

ベルギー出身。ロスとパリを拠点に活躍。1982年ベネチア映画祭金獅子賞を受賞したヴィム・ベンダース監督の『ことの次第』(1981)でボーショーの演技が、アメリカで初めて脚光を浴びるきっかけとなった。同監督の最新作『エンド・オブ・バイオレンス』(1998)にも出演。NBCの「The Pretender」に主演。ほかにも「コロンボ」やカナダで放映中の「Mount Royal」などの人気シリーズにゲスト出演している。最新映画出演作はヴィム・ベンダース『リスボン物語』(1995)。アメリカではフィリップ・ノイス監督のヒット作『今そこにある危機』などに出演。その他の英語作品としては『007/美しき獲物たち』(1985)、アラン・ルドルフ監督の『チューズ・ミー』(1984)マイケル・トルキンの『The rapture』や『ニュー・エイジ』(1994)など。最近の『The Interview』は、サンダンス映画祭の批評で絶賛を博した。またヨーロッパでは、アカデミー外国語賞にノミネートされたベルギー映画『仮面の中のアリア』(1989)、古典的な『Entre Nous』や、エリック・ロメールの『La Collectionneuse』などがある。そしてスペインのビガス・ルナ監督作『欲望の裏側』(1986)やイタリアのセルジョ・チッチ監督作『We Free Kings』などにも出演。


■ジョン・グリース(ジェイ)

多くの出演作の中でも特に、『メン・イン・ブラック』(1997)『ゲット・ショーティ』(1995)『天才アカデミー』(1985)『シカゴ・コネクション 夢みて走れ』(1986)などがある。テレビでは「シカゴ・ホープ」「ザインフェルド」「X-ファイル」にも出演。その他、マーク・テイパー・フォーラム主催シェイクスピア舞台「テンペスト」、オールド・グローブ座主催「キング・ジョン」ほかアメリカ国内の多くの舞台に顔を見せている。


■ギャレット・モリス(ジーザス)

NBCの超人気コメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ」のオリジナルメンバーの一人として5年間ユニークなコメディアンとしての才能を磨き、テレビシリーズにレギュラー出演。最近の映画出演作には『Pistol Blues』『ブラック・スコルピオン』(1995・未)など。また、「サタデー・ナイト・ライブ」時代の盟友、ダン・エイクロイド、ジェーン・カーティンなどが勢揃いした『コーンヘッズ』(1993)にはカメオ出演している。舞台にも精力的に活躍の場を広げており、ブロードウェイ作品「ポーギーとベス」「ショー・ボート」「The Great White Hope」などが主な出演作。



■製作:マーシャル・バーシンガー

フレッシュ・プロデュース・カンパニーを設立し、新人、ベテランを問わず新しい才能の発掘を目指している。最近では『いつかあなたに逢う夢』(1998・未)や、『Kill the Man』などを完成させている。同社の設立以前には、アカデミー受賞作品製作者であるマーク・ジョンソンともパートナーを組み、20世紀フォックスの『ファイト・マネー』(1996・未)などの大型作品に参加している。共同プロデューサーとしての作品としては、ジョン・シングルトンの『ハイヤー・ラーニング』(1995)、ベルリン映画祭で大ヒットとなった『A Boy Called Hate』『ラモス&アンドリュー』(1993)などがある。


■製作:リナ・ロンソン

ウィリアム・モリス・エージェンシーの企画パッケージ、資金調達を担当する部門WMA Independentを結成する一人。手がけたものの中には『隣人は静かに笑う』(1998)『200本のたばこ』(2000)『リアル・ブロンド』(1997)がある。また話題のインディーズ作品『イヴの秘かな憂鬱』(1996)『Tollbooth』『精神鑑定』(1996・未)でもエグゼクティブ・プロデューサーとして関わっている。


■製作:スティーブン・J・ウルフ

製作・マネージメント会社スニーク・プレヴュー・エンターテインメントの最高責任者。20余名の脚本家・監督・俳優らのエージェントでもある。ジェニファー・ティリー、ミッチェル・アンダーソン、ロリ・ペティらが出演している。『Relax...It's Just Sex』は、1998年サンダンス映画祭プレミア作品となり、また1998年ロサンジェルス・アウトフェストのオープニング作品にも選ばれている。また、『乾いた爪』(1995・未)ではジェニファー・ティリーやレスリー・アン・ウォーレン)などのアカデミー女優らの出演に成功している。


■撮影監督:デイビッド・ミューレン

カリフォルニア芸術大学の映画撮影科卒業、数々の栄誉に輝いたポーリッシュ兄弟のデビュー短編作『Bajo del Perro』の撮影監督でもある。これまで数々のインディーズ作品を手がけ、パーム・スプリングズ映画祭で観客賞を受賞した『Soulmates』や『The Last Big Thing』『The Clean and Narrow』『Captured』『Time Shifters』などなど参加作品として『キューピッド』(1997・未)『ドール・プレイ』(1996)『デッド・コールド』(1995・未)『リップスティック・カメラ(TVM)』(1993)など多数。劇場映画作品以外では、CM、ミュージック・ビデオ、短編映画の他に『トイストーリー』『ライオンキング』などのメイキングフィルムも手がけている。


■音楽:スチュアート・マシューマン

1984年、シャーデーが初アルバムを出した時からのレギュラーメンバー(サックス&ギター)として演奏、作曲、共同プロデューサーとして活躍、シャーデーのメンバーとして8つのグラミー賞を受賞している。また『シー・オブ・ラブ』(1989)『幸福の条件』(1993)『トゥルー・ライズ』(1994)『ラブ・ジョーンズ』(1996)などメジャー映画作品をはじめ、マイケル・ポーリッシュ作品『Bajo del Perro』やネルソン・ジョージ作品『To Be a Black Man』などの短編作品の音楽にも参加している。プラチナ・アルバムとなったマックスウェルとの共同プロデュースアルバム「MAXWELL'S Urban Hang Suite」では複数の曲を書いており、その中の一曲「Whenever,Wherever Whatever」でグラミー賞にノミネートされている。また、マックスウェル最新アルバム「Embrya」でも同じく共同プロデュースとして数曲の作曲を手がけている。Sadeのアンドリュー、ポールと共に人気アルバム「Sweetback」のプロデュース、演奏を手がけた。現在はOluやSantessaなどの新人アーティストのデビューアルバムほか、コットンベリー・プロジェクトの作品の多くを手がけている。本作のスコアは、ニューヨーク交響楽団のメンバーを、そしてエンドタイトルで使われる『Don't Grow』ではChocolate Geniusのマーク・アンソニー・トンプソンなどを起用している。


■スペシャル・エフェクト:ゲーリー・J・タニクリフ

お馴染みの人気ホラー映画作品で、常連メンバーとして特殊メイクやデザインを手がける、特殊メイクやシリコンの造形物に始まり、クリーチャー全体の創造に至るまで幅広い仕事を手がける。参加作品には、『ブレイド』(1998)『ウェス・クレイブンズ ウィッシュマスター』(1997)『グレイストーク/類人猿の王者ターザンの伝説』(1983)『ヘルレイザー3』(1992・未)『キャンディ・マン3』『スティーブン・キング/死の収穫』(1992・未)『アーバン・ハーベスト2』(1996)『アメリカン・サイボーグ』(1992・未)『ハロウィン6/最後の戦い』(1995・未)『インタビュー・ウィズ・バンパイア』(1994)『ハイランダー2/甦る戦士』(1990)『マーズ・アタック』(1996)『白蛇伝説』(1988)など。ほかにテレビ作品も多く手がける。この作品では、双子の兄弟が胴体で結合しているような外見を作るためのシリコン・スーツとアニマトロニクス仕様の『真ん中の足』などを担当した。


■衣裳デザイナー:ビック・オーウェン

ファッション界の主流で活躍するオーウェンは、もともとイギリス出身。アメリカに移った後、バーニーズ・ニューヨークでのコレクションが好評を呼ぶ。本作ではポーリッシュ兄弟を“結合”させるためのスーツをデザインし、ブレイクとフランシスを“クリーンで身だしなみの良い若者”に仕立て上げた。