『レッド プラネット』RED PLANET
mainpicture 1月13日より渋谷東急他全国松竹系にてロードショー

2000年/アメリカ/1時間46分/シネマスコープサイズ/SRD、DTS、SDDS/字幕翻訳:菊地浩司/ノベライズ:新潮文庫/配給:ワーナー・ブラザース映画

◇監督:アントニー・ホフマン ◇脚本:チャック・ファーラー、ジョナサン・レムキン ◇原案:チャック・ファーラー ◇製作:マーク・カントン、ブルース・バーマン、ジョージ・サシツキー ◇製作総指揮:チャールズ・J・D・シュリッセル、アンドルー・メイソン ◇撮影:ピーター・サシツキー ◇美術:オーウィン・パタソン ◇編集:ロバート・K・ランバート,A.C.E.、ダラス・S・ピュエット ◇音楽:グレイム・レベル ◇衣装:キム・バレット ◇視覚効果監修:ジェフリー・A・オークン

◇キャスト:ヴァル・キルマー、キャリー=アン・モス、トム・サイズモア、ベンジャミン・ブラット、サイモン・ベイカー、テレンス・スタンプ



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【解説】

◆火星地球化計画。


「これは、火星でロケを行った映画である」 ─そう言われても違和感を感じないほどに『レッド プラネット』の映像はリアルで圧倒的だ。ナイキのTVコマーシャルで一躍時代の寵児となり、現代におけるもっともクールな映像作家といわれるアントニー・ホフマンの初監督作は、火星に降り立った最初の人類の気分を味あわせてくれる、最上級のエンターテイメントだ。

2050年。地球環境の破壊は加速度的に進行中。カエルさえも住まなくなったこの惑星で、次に絶滅するのは、たぶん ─ 人類。残された希望は、古代ギリシャの人々が“戦いの星”と呼んだ、小さな赤い惑星だけだった。太陽系の第4惑星、火星。かつて何らかの生命体が存在したといわれるこの惑星を“地球化”して移住する以外、人類が生き延びる道はない。
そして、有人探査艇「マーズ1号」は飛び立った。
しかし、着陸の失敗でシャトルは火星の地表に激突。一切の交信は絶たれ、脱出の手段も奪われた。人類滅亡のタイムリミットが迫る中、クルーが見たものは、予想もしなかった光景だった…!


主演は『ヒート』『バットマン・フォーエバー』のヴァル・キルマーと『マトリックス』のキャリー=アン・モス。もはや伝説的といっていい名優、テレンス・スタンプの共演も話題だ。そして、注目の的となっているのが、美術・衣装・音響を担当するのが、あの『マトリックス』を手がけたスタッフであること。一筋縄ではいかないこの天才たちを統率するアントニー・ホフマン監督は、ナイキのほかに、バドワイザー、ボーイング、アメリカン航空、マルボロなどのTVコマーシャルを手がけ、その未来的な感覚と革新的な手法で絶賛された鬼才。この贅沢でユニークなコラボレーションが、従来のSF映画とはまったく違う、スタイリッシュで斬新な映像を生みだした。舞台は火星。地球にもっとも近く、地球にもっともよく似た惑星であるにもかかわらず、人類にとっての“謎”であることをやめない星。
かつて地表をおおっていたはずの大量の水はどこへ消え失せたのか?
なぜこんなにも荒涼として“赤い”のか?
そして、本当に生命は存在したのか─?


その問いに答えを出すべく描き出された『レッド プラネット』は、あらゆる科学者 (リアリスト) を納得させるリアリティと、どんなSF作家(ロマンチスト)の胸をも熱くさせるロマンに満ちている。
注目すべきは、謎また謎の中、主人公たちが命がけでサバイバルしていく、最後まで先が読めないストーリーや、リアルな火星の情景だけではない。たとえば、もっとも身近な友であるはずが、もっとも凶暴な敵と化すロボット“AMEE”。その豹のようになめらかな動きは、これまでの映画で描かれたどんなロボットにもなかったものだ。また、人類の命運を握る宇宙船の船長を当然のように女性が演じるのも新しい。キャリー=アン・モスが演じるヒロインは、自分や愛する人の命だけでなく、人類の滅亡がかかっている局面でさえ、きわめてクールで自然体。表面の静かさの奥に秘められたその強さは、男の視点から描かれた従来のヒロイン像を軽々と超え、新時代のミューズを見事に提示した。カッコよすぎる映像で21世紀の映画界に革命を起こす男、アントニー・ホフマンが作り上げたのは、スリル、興奮、サスペンス、カタルシス、感動のすべてが堪能でき、かつ、それ以上のsomethingがある21世紀型エンターテイメント。SF映画の新しい地平を切り開く作品が、ここに生まれた。




 


【ストーリー】

─ロボットが意思を持ち人間を襲おうとしたら。
─火星に空気があったら。
─生命が存在しないはずの星に無数の甲虫が蠢いていたら。



2050年。環境破壊によって多くの種が滅び、人類の絶滅も時間の問題となっていた。生き残る可能性は、地球からもっとも近く、地球と似た環境を持つ火星に移住することだけ。各国の合同科学チームは火星の環境整備計画を進めていた。
「火星地球化計画」─それは、火星で“藻”の一種を大量に栽培し、その光合成によって酸素を確保して人類が住める環境を作ること。無人の宇宙船によって火星に移植された藻は、当初は順調に生育していた。しかし、ある日突然、火星の酸素の観測数値を伝える通信が途絶えてしまう。科学者たちは、宇宙飛行士と科学者からなるチームを火星に派遣し、原因を突き止めて対処させることにした。

人類で初めて火星に着陸することになる有人宇宙船の船長は、ボーマン (キャリー=アン・モス)。彼女は、その飛びぬけた優秀さによって、女性でありながら人類を滅亡の危機から救う任務を担うチームのトップとなった。著名な科学者が集まったクルーたちの中、ボーマンは、宇宙船の整備士であるギャラガ− (ヴァル・キルマ−)に信頼と愛情を寄せるようになる。技術者である彼は、野心も必要以上のプライドも持たないかわりに、本質的なタフさと正直さを備えていた。

その他のクルーは、メンバーの尊敬を一身に集めるベテラン宇宙飛行士のバッド・シャンティラス (テレンス・スタンプ)、化学分析チームのリーダーであるバーチナル (トム・サイズモア)、環境整備計画のプロだが、この火星探索ミッションにあまり乗り気でないチップ・ペテンギル (サイモン・ベイカー)、この宇宙船の副船長を務める空軍大尉のテッド・サンテン (ベンジャミン・ブラット)。

火星への長い飛行の終わり頃、太陽フレアの放射線によって宇宙船は大きなダメージを受け、緊急着陸を迫られる。ボーマン船長だけが損傷を受けた宇宙船に残り、他のクルーたちの乗った着陸船は赤い地表にたたきつけられるようにして着陸する。そこで彼らが見たのは、信じられない光景だった。地球人が移植した藻以外には生命体が存在しないはずの火星に、無数の甲虫たちがうごめいていたのだ─!
さらに、火星での活動を助けるはずのロボットAMEEがクルーに攻撃を仕掛けてくる。一体なぜ?地球化計画の過程で、火星で何が起こったのか?

任務どころか火星でサバイバルすることさえ絶望的なクルーを見放して地球へ帰還するようにとヒューストンから指示されるボーマン船長。しかし彼女は、火星の上空にとどまって彼らを支援することを決意する。最悪の状況の中、果たしてクルーたちは生き残り、任務を果たすことができるのか?人類滅亡のタイムリミットは、刻一刻と迫っていた…!




 


【キャスト&スタッフ】

■ヴァル・キルマー(宇宙整備士ギャラガー)

ヴァル・キルマーは『セイント』で聖人の名を使い分ける怪盗サイモン・テンプル、『バットマン・フォーエバー』で億万長者のブルース・ウェインと夜の顔バットマンという誰もが羨む様なヒーローを演じ、『トゥームストーン』のドク・ホリディ、『ドアーズ』のジム・モリソン、『トゥルー・ロマンス』でエルヴィス・プレスリー、『プリンス・オブ・エジプト』でモーゼの声と、歴史に残る有名人を演じ特異な変身テクを持つスター。その他に『トップ・ガン』『ウィロー』『ヒート』『D.N.A .ドクター・モローの島』。また、キルマーはニューヨークの名門ジュリアード学院に最年少で入学。デビュー当時から演劇界の注目を浴び、舞台「エレクトラ」「リチャード三世」「マクベス」「お気に召すまま」「ハムレット」「哀れ彼女は娼婦」らに出演。最近キルマーはネイティブ・アメリカンの予備校生向けに『Between Two Worlds』という短編映画を非営利で完成させた。


■キャリー=アン・モス(ボーマン船長)

世界的に驚異的大ヒットを飛ばした『マトリックス』でヒロイン=トリニティ役を演じて、キャリー=アン・モスはハリウッドNo.1の、出演オファーが舞込む人気女優となった。そのキャリ−=アンが無数の脚本の中から選んだのが本作。キャリー=アンはカナダ、バンクーバー生まれ。11歳で児童ミュージカル劇団に加わり、中学校では学校の合唱団の一員としてヨーロッパ公演に参加。このヨーロッパ公演が彼女を演技への道に進もうと決心させ、パサデナのアメリカ演劇芸術アカデミーに入学。卒業と同時にモデルの仕事につき、モデルとして頭角を現し、トロント、日本、スペインなどでモデルの仕事をこなす様になり、20歳では国際的な雑誌の表紙モデルとして登場した。キャリー=アン・モスは、2001年春同時に撮影開始予定の『マトリックス』の2と3でトリニティ役として再び登場する予定である。


■トム・サイズモア(科学分析チーム責任者バーチナル博士)

トム・サイズモアは最も演技力のあるオール・ラウンド・プレイヤーである。スティーブン・スピルバーグ監督の『プライベート・ライアン』で強烈な印象を残し、批評家の絶賛を浴びた。サイズモアの映画デビューは、オリバー・ストーン監督の『7月4日に生まれて』。その他、『ナチュラル・ボーン・キラーズ』『レリック』(マドリッド映画祭で男優主演賞を受賞)。ヴァル・キルマー共演の『ヒート』『青いドレスの女』『トゥルー・ロマンス』『ワイアット・アープ』最新作『救命士』など。


■ベンジャミン・ブラット(副船長サンテン)

ベンジャミン・ブラットは何本かの映画やTVドラマに出演、ロングランの大ヒットになりエミー賞候補に何度かのぼったTVシリーズ「法と秩序」のレイ・カーチス刑事役で爆発的人気をはくす様になった。ブラットの映画出演作には、ジョン・シュレシンジャー監督『二番目に幸せなこと』『今そこにある危機』『激流』『デモリッシュ・マン』『ブラッド・イン ブラッド・アウト』『ニューヨーク・ジャスティス/許された犯罪』など。最新作で待機作にサンドラ・ブロックと共演の『ミス・コンジニアリティ』がある。


■サイモン・ベイカー(火星環境整備事業担当ペテンギル博士)

オーストラリア生まれのサイモン・ベイカーは最近南北戦争を主題にしたアン・リー監督の最新作『Ride With the Devil 』、カーティス・ハンソン監督の『L.A.コンフィデンシャル』に出演している。次回作はアンナ・フリエル、ジャレッド・レト、ニック・スタール共演の『サンセット・ストリップ』が待機している。他の映画出演作品には、『裏ぎりのKiss』『レストラン』『Love From Ground Zero』がある。


■テレンス・スタンプ(科学技術担当長官シャンティラス博士)

テレンス・スタンプは1962年の『奴隷戦艦』でデビューし、ゴールデン・グローブ賞主演男優賞受賞。デビューから40年の年月をへて更に円熟味を増し、現在までに40本近くの名匠の映画に出演。ウィリアム・ワイラー『コレクター』、ジョセフ・ロージー『唇からナイフ』、ジョン・シュレシンジャー『遥か群集を離れて』フェデリコ・フェリー二『世にも怪奇な物語』ピエロ・パウロ・パゾリーニの『テオレマ』、リチャード・ドナーの『スーパーマン』、オリバー・ストーン『ウォール街』と名作・話題作が並んでいる。


■アントニー・ホフマン(監督)

製作者たちははじめに、この画期的な宇宙飛行と火星を描く物語に、新しい視点や感覚を持ち込める監督を探していた。そして、プロデューサーのマーク・カントンは、この企画のトップに立てる人間として、若手新人映画監督のアントニー・ホフマンに白羽の矢をたてた。「アントニーのコマーシャルを何本か見て、彼の自信に溢れた姿勢と、美的センスにひかれたんだ。」と、その理由を語るマークに対し、ホフマン監督は言う。「ワーナー映画から監督をしないかと打診された時、何の躊躇もなくそのオファーを引き受けたよ。人類史上絶対いつかの時点で起こりうる様なこのストーリーに魅力を感じたんだ。今までも、もし地球以外の惑星に移住するとしたら火星はベストなチョイスなのか、とか地球は人類が存在しえない程汚染される日が来るのだろうか、といった疑問を主題にした企画があることはあったんだ。だから、この映画の話を聞いたとき、やりたいって思った。僕にとっては初監督作になるわけだけど、全く不安は感じなかった。以前から大型画面で自分のビジュアル・スタイルやストーリー・テリングの技術を試してみたくてうずうずしていたからね。この映画には900箇所以上の特殊効果を必要とする事も分か?ていたが、僕が最も興味を持ったのは大画面の中で人間たちをどの様に動かすかという事だった」

彼はテキサス州ヒューストンにあるNASAのジョンソン宇宙センターに何ヶ月も通い、リサーチを繰り返した。そのうち、スペース・シャトルの内部まで見せて貰える様になり、“火星居住計画”のプロセスまで見学する事が出来た。“火星居住計画”というのは狭い部屋に6人の宇宙飛行士が詰められて6ヶ月間住みこみ、宇宙空間が飛行士に及ぼす影響を実験するものだった。「映画を可能なかぎりリアルなものにするのが大事だった」とホフマン監督は言う。「だからNASAのリサーチを心から楽しんだし、大きな仕事を与えてくれた上に、これだけ長い研究期間を与えられて自分はなんて恵まれているんだろうと感激してしまったよ」

南アフリカで生まれて、少年の頃から8ミリ映画の短編を撮影したり、相場に手を出したりしていた怖いもの知らずのホフマン監督にとって、リスクを背負って何かをする事は生まれついての本性といって良かった。わずか17歳で国際通信社のAPやUPIの専属カメラマンとなった彼は、反アパルトヘイト運動が高まる動乱のソエトをはじめ、南アフリカ各地に飛んで、ニュース映像を送り続けた。このノン・フィクション分野での輝かしい才能はすぐに認められて米フィルム・インスティチュートに招かれ、そこで1985年に彼は映画撮影技術の修士号を取得した。卒業後、ホフマンは有名なAFIインターンシップ・プログラムに参加して、斬新なアクションに綿密な性格描写を融合させるという独特なスタイルを掘り下げる為、有名監督の下について数々の経験を積んだ。

しかしホフマン自身が一人でカメラの後ろに座る日々がすぐにやってきた。そこで彼はアメリカやヨーロッパの大企業の為のコマーシャルを一人で監督し撮影していったのだ。もともと実力派のホフマンは、撮影監督の技術を驚くべき速さで身につけ、まもなく当時のトレンド・セッターとなっていた映画会社プロパガンダに入社した。その頃プロパガンダはマイケル・ベイ、サイモン・ウエスト、デビッド・フィンチャー、アントワーヌ・フクワなど斬新なスタイルを生み出す新人監督を輩出していた。それ以来、コマーシャル業界ではホフマンはNo.1の売れっ子となり、ナイキ、日産、アメリカン航空、AT&Tなど超一流企業が彼にコマーシャル・フィルムの製作を依頼してきた。1997年にはアメリカン・フットボール・チーム、クライデスダレスを中心にすえ、スーパー・ボウルにからめた協賛会社バドワイザーのスポット・コマーシャルで、カンヌ映画祭で金獅子賞を受賞し、その翌年も同じ賞を受賞した。最近ホフマンはラディカル・メディアというコマーシャル専門会社の専属として、超大型予算のナイキの全米キャンペーン・コマーシャルの製作を終わったばかりで、今はロサンゼルスに居を構え次ぎの大型プロジェクトに備えている所である。