『ドッグ・ショウ!』 BEST in SHOW
mainpicture 3月31日より渋谷シネマライズにてロードショー

2000年/アメリカ/1時間30分/カラー/ビスタビジョン/ドルビーSRD・DTS・SDDS/配給:ワーナー・ブラザース映画

◇監督:クリストファー・ゲスト ◇製作:カレン・マーフィー ◇製作総指揮:ゴードン・マーク ◇撮影:ロバート・シェーファー ◇美術:ジョーセフ・T・ギャリティ ◇編集:ロバート・レイトン

◇キャスト:クリストファー・ゲスト、ユージーン・レビー、キャサリン・オハラ、パーカー・ポージー、マイケル・マッキーン



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【解説】

◆わずか13館から206館に拡大公開!全米の批評家たちも大絶賛!

『ドッグ・ショウ!』(原題 BEST in SHOW)は昨年9月に当初、全米のわずか13館の劇場で公開され、その上質な笑いが評判となり、またたく間に206館にまで拡大公開された大ヒット作である。興行成績上位にも長期間ランクインし、タイム誌の2000年ベストムービーでは第6位。人間洞察にあふれた秀逸な脚本は批評家たちにも大絶賛を受け、ゴールデン・グローブ賞のコメディ・ミュージカル部門作品賞にもノミネート。全米批評家協会賞のエクセレント・フィルム・メーキングにも選出されるなど、多くの賞レースで、高い評価を受けている。


◆21世紀、全世界的なマイ・ドッグ・ブームが到来?

犬を主役にした映画は数多くあるが、この作品に登場する犬たちの個性は格別だ。グルーミングに命を賭けるスタイリッシュな飼い主をもつシーズーは、その毛並みの良さがご自慢。どこか妖しい大富豪と共に暮らすスタンダード・プードルは、すっとした高貴ないでたちで、他を圧倒。愛犬と話ができていると信じて疑わない男のパートナーでもあるブラッド・ハウンドは、それを知ってか知らずか、のんきでひょうひょうとした毎日を送っている。犬が飼い主に似たのか、飼い主が犬に似たのか?誰もが、こんな飼い主と犬との親密な関係を見たことがあるだろう。人間関係が希薄になりつつある今、思わず自分の犬が欲しい!と思うことうけあい。


◆初めて知るドッグ・ショウの世界、そこには???

監督クリストファー・ゲストがテーマに選んだのは、『ドッグ・ショウ!』の世界だ。ペット先進国として名高いアメリカでは、ドッグ・ショウが一つのエンターテインメントして認知されている。ドッグ・ショウで愛犬をチャンピオンにすることに全てを賭ける人々。その誰もが自分の犬がナンバー・ワンだと信じて疑わない。日頃接する機会のないドッグ・ショウの世界には、ありとあらゆる地域、階層、職業の人々がたった一つの目的のために集結する。「うちの犬こそがチャンピオンなのだ!」と…。そこには、カリスマ・ハンドラー(犬を引く人)と呼ばれる“その世界”のプロも登場し爆笑を誘う。かたや犬は、カウンセリングまで受ける始末だ…。それぞれの思惑と犬との絶妙なバランス、超個性的な飼い主たち。そして、初めて知るドッグ・ショウの限りなく奥深い世界のリアルな描写が、この映画を最高の笑いへと導く。未知の世界の面白さを暴いたことが、本作の大ヒットの要因となったのである。


◆疑似ドキュメント=モキュメントの元祖、監督クリストファー・ゲスト!

本作で用いられた「疑似ドキュメント=モキュメント」の手法の元祖が、監督のクリストファー・ゲストだ。登場人物のあまりのリアルさに、観る者はいつしかこれが実話だという錯覚に陥る。このスタイルで作られた『ブレアウィッチ・プロジェクト』の大ヒットは、記憶に新しいところだが、その遥か以前にゲストは、いくつかの作品を手がけている。架空のロック・バンドを作り上げ、その活動をドキュメント風に描いた秀作『スパイナル・タップ』(1984)は、もはや伝説の映画となっているが、この脚本を担当したのがクリストファー・ゲストである。また、「サタデー・ナイト・ライブ」時代には、架空の黒人野球選手の回想ドラマを作り、話題を呼んだ。ゲストこそが、疑似ドキュメンタリーの開祖・達人なのであり、昨今作られた疑似ドキュメンタリーは、すべてゲストの影響から生まれたと言える。


◆アメリカン・コメディの実力派たちによる即興演技!

出演は、『プリンセス・ブライド・ストーリー』、『ア・フュー・グッドメン』など、コメディもシリアスもこなす芸達者の監督、クリストファー・ゲスト。『アメリカン★パイ』のトボケた父親役でもおなじみの超人気コメディアン、ユージーン・レビー(レビイはゲストと共同で脚本も執筆)。 モテモテの妻の役は、『ホーム・アローン』でカルキン君のママに扮したキャサリン・オハラ。ヒステリックな女弁護士役を、『愛・アマチュア』、『ヘンリー・フール』などのハル・ハートリー作品の常連、パーカー・ポージー。その他『スパイナル・タップ』の脚本をゲストとともに共同執筆した「サタデー・ナイト・ライブ」出身のマイケル・マッキーンなど。クリストファー・ゲスト作品の常連俳優であり、アメリカン・コメディ界の“本物”たちが勢ぞろいした。「俳優同士もそれぞれの演技を盗みたがった」と言われるほどの才能ある彼らゆえに出せた“日常性”のドラマが、この映画の最大の魅力だ。


 


【ストーリー】

◆やっぱりわが家の犬が、ナンバー・ワン!

全米で最も名高いドッグ・ショウの“メイフラワー・ドッグ・ショウ”が、今年もペ ンシルベニア州で開催されることなった。全米の愛犬家たちは、ドッグ・ショウでの栄冠をめざし、気が気ではない毎日だ。
イリノイ州。ビタミン中毒でカタログ・ショッピングにハマっているメグ(パーカー・ポージー)と、上昇志向で固まっているハミルトン(マイケル・ヒッチコック)の弁護士夫婦は、夫婦のいらいらが愛犬のワイマラナー種のベアトリスにも伝わったのか、夫婦とベアトリスは、セラピーのお世話になっている。
フロリダから参加するのは、メンズ・ウェアのセールスマンである小心者のジェリー(ユージーン・レビー)と、明るくハデで昔は男性にモテモテだったと自慢する妻クッキー(キャサリン・オハラ)。この夫婦の自慢の愛犬は、ノーリッチ・テリアの犬ウィンキーだ。
ノース・カロライナ州のハーラン・ペッパー(クリストファー・ゲスト)は、フライ・フィッシング専門店のオーナーだ。ハーランは、腹話術が趣味であり、愛犬のブラッド・ハウンド種のヒューバートにも、腹話術のように話かければ、ヒューバートと言葉で心が通じ合うと信じている。

ニューヨークでは、プロの犬のハンドラーのスコット・ドーハン(ジョン・マイケル・ビンセント)と、ヘア・サロンのオーナーであるステファン・バンダーフーフ(マイケル・マッキーン)のゲイのカップルが、愛犬シーズーのミス・アグネスで優勝を狙っている。
“メイフラワー・ドッグ・ショウ”で2度もチャンピオンに輝き、今年も連覇をめざすスタンダード・プードルのラプソディー・イン・ホワイトも元気だ。飼い主は、ボケかかっている元鉄鋼王の億万長者のレスリー・ウォード(パトリック・クランショー)と、セクシーな若妻シェリー・アン(ジェニファー・クーリッジ)のキャボット夫婦。シェリーは、今年も優勝すると自信たっぷりだが、さらに完壁をめざそうと当代最高のハンドラーといわれるクリスティー・カニンガム(ジェイン・リンチ)を雇っている。クリスティーも自信家で、優勝間違いなしと鼻高々だ。





◆いよいよドッグ・ショウ!が開催される

その頃、“メイフラワー・ドッグ・ショウ”の会場では、開催者のセオドア・W・ミルバンク3世博士(ボブ・バラバン)や大会責任者のグレアム・チゾルム(ドン・レイク)が、大会が順調に進行するように万全の準備体制を整えている。また、コミカルなトークの解説者バック・ラーフリン(フレッド・ウィラード)も、大会の開始を待っている。
そして、全国の愛犬家と3000匹の愛犬たちが、ドッグ・ショウの会場へと向かう。ジェリーとクッキーのフレック夫妻は、途中、親類の家に立ち寄る。ところが、男好きするクッキーが、親類の夫の好奇な視線を浴びたために、ジェリーは動揺する。おまけに、親類の息子がウィンキーを屋根に上げてしまう騒ぎ。メグとスワンは、ともに神経質なため、空港で大ケンカになり、他人にも八つ当たり。スコットとステファンは、ファッション・ショーに出場かと思ってしまうほどのハデな服を大量に持ち込もうとする。ハーランは、腹話術の人形との会話で自らをはげまし、会場へ向かう。シェリー・アンは、夫のことも忘れ、どうも、クリスティーと特別な関係になっているようだ。
かくして、参加者たちは、会場近くのホテルに到着。ところが、フレック夫妻は、クレジット・カードが使用不可能な上現金も不足ということで、ホテルの物置に泊まるはめに。
いよいよ、全米ネットワークで放送されるドッグ・ショウのはじまりだ。しかし、ベアトリスの好きなおもちゃが紛失したことで、メグとスワンが大激突したり、また、ハンドラーや愛犬たちに予想外のアクシデントも起こる…そして、クライマックスの審査の結果は?果たして、栄冠はどの犬の手に?



 


【スタッフ】

■カレン・マーフィー(製作)

公共放送用のTVドキュメンタリーの製作からプロデューサーの道を歩みはじめた。初のプロデュース作品は、『スパイナル・タップ』(1984・V)。クリストファー・ゲストとは、『Waiting for Guffman』(1996)でもプロデューサーとして協力した。ほかに、ドキュメンタリー風のコメディの『デヴィッド・バーンのトゥルー・ストーリー』(1986)『ドラッグストア・カウボーイ』(1989)、『冬の恋人たち』(1992)、『風と共に去る20ドル!?』(1992・V)などを製作。


■ゴードン・マーク(製作総指揮)

1973年に、CBS TVでスタジオ・ディレクターとして仕事を得て以来、映画とTV界で30年以上、仕事を続けている。50本の映画、TVシリーズなどで、ロケーション・マネージャー、助監督、現場監督、プロデューサーとして、あらゆる仕事をこなしている。『美しき獲物』(1992)、『アラスカ 美しき冒険者たち』(1996・V)では総括プロデューサー、『ニードフル・シングス』(1993)では共同製作。カート・ヴォネガット原作『Money House』をTV化している。


■ロバート・シェーファー(撮影)

『Waiting for Guffman』(1996)の撮影監督を担当し、ほとんど全編を手回しのスーパー16ミリ・カメラで撮影し、ドキュメンタリー・タッチの斬新な映像を生みだした。10年間、イタリアに滞在していたこともあり、この間に、マーティン・スコセッシや、コマーシャル監督の第1人者ジョー・スピカのハンディ・カムの操作技師として働いたり、巨匠の撮影監督ネストール・アルメンドスの撮影助手も務めた。米帰国後は、ロバート・ロドリゲスのTV作品にも参加。


■ジョーセフ・T・ギャリティ(美術)

『ケビン・ベーコンのハリウッドに挑戦』(1989・V)をはじめ、『ダリル・ハンナのジャイアント・ウーマン』(1993・V)、『Waiting for Guffman』(1996)、『オールモスト・ヒーローズ/進め! アメリカ横断冒険野郎』(1999・V)といった、クリストファー・ゲストの監督作品にはすべて参加している。最新作は、ビル・マーレイ、キャサリン・オハラ、ジェームズ・スペイダー主演で、ジョン・マグノートンが監督する『Speaking of Sex』だ。


■ロバート・レイトン(編集)

ロブ・ライナー監督の専属の編集者として、彼のすべての監督作品の編集をまかされている。『スパイナル・タップ』(1984)、『シュア・シング』(1985)、『スタンド・バイ・ミー』(1986)、『プリンセス・ブライド・ストーリー』(1987)、『恋人たちの予感』(1989)、『ミザリー』(1990)、『ア・フュー・グッドメン』(1992)、『ストーリー・オブ・ラブ』 (1999)ほか。『ア・フュー・グッドメン』では、アカデミー賞編集部門の候補になった。『グリーン・マイル』(1999)の編集も担当。