【キャスト&スタッフ】
■トゥーレ・リントハート(フラメン)
1974年、コペンハーゲン生まれ。世に認められるきっかけとなった映画は、2000年の『A Place Nearby(英語タイトル)(原題:Her i noerheden)』で、人には言えないような秘密を抱え、心を病んだ少年を演じたリントハートのまばゆいばかりの演技が批評家から絶賛され、ベルリン国際映画祭でシューティング・スター賞に名前を挙げられるなど、国際的にも認められるようになった。2004年のドイツ映画『青い棘』での演技で国際的にも高い評価を得た。2005年のオーレ・クリスチャン・マセン監督作品『Angels in Fast Motion(英語タイトル)(原題:Nordkraft)』では、とてつもなく知性は高いが、重度の麻薬常習者であるステソ役で観客を嵐の渦に巻き込み、ロベルト映画祭でロベルト賞(デンマークのアカデミー賞)を受賞している。
2007年には、ショーン・ペンが監督を務めた『イントゥ・ザ・ワイルド』に出演し、2009年に公開された『ダ・ヴィンチ・コード』の続編のロン・ハワード監督作品『天使と悪魔』にも出演した、デンマークが誇る期待の若手俳優。デンマーク語では、ツーア・リンハートと発音。
■マッツ・ミケルセン(シトロン)
1965年、コペンハーゲン生まれ。主な出演作には、2000年から2004年まで続き、エミー賞も受賞したTVシリーズの『Unit One(英語タイトル)(原題:Rejseholdt)』の他に、1996年と2004年の『プッシャー』シリーズ、スサーネ・ビーア監督の『しあわせな孤独』(2002年)、同じくビア監督の作品でアカデミー賞にもノミネートされた『アフター・ウェディング』(2006年)などがあり、数々のデンマーク映画のヒット作に出演している。2006年には、オーレ・クリスチャン・マセン監督の『Prague(英語タイトル)(原題:Prag)』で、スティーネ・スティーンゲーゼと共演している。ミレニアムの節目を過ぎるとマッツの活躍は国際的にも目覚しくなり、2003年にはスペインのコメディ映画『トレモリノス73』に出演。さらに、2004年のアメリカの大ヒット映画『キング・アーサー』や、2006年の『007/カジノ・ロワイヤル』でボンドと敵対するル・シッフル役など活躍の域を広げている。また、待機作品『シャネル&ストラヴィンスキー』などが控える。デンマーク語では、マス・ミクルセンと発音。
■スティーネ・スティーンゲーゼ(ケティ)
1972年、デンマーク生まれ。デンマークの国立演劇学校を1998年に卒業。オーレ・クリスチャン・マセン監督のドグマ作品『Kira’s Reason - A Love Story(英語タイトル)(原題:Koerlighedshistorie, En)』で、2001年にタイトルとなっている主人公を演じ絶賛され、国内で名声を得た。この作品では、施設から退所したばかりの心理状態が不安定な女性を演じたが、その演技でボーディル賞(デンマークのゴールデン・グローブ賞)とロベルト賞(デンマークのアカデミー賞)を受賞している。2006年、スティーネは、オーレ・クリスチャン・マセン監督の『Prague(英語タイトル)(原題:Prag)』で、結婚生活の危機の中、夫(マッツ・ミケルセン)が父の遺体を引き取りにプラハに行くのに付き添うという役どころで主演女優を演じている。近年デンマーク映画に多数出演している。
■ピーター・ミュウギン(ヴィンター)
1963年、デンマーク生まれ。元々ラース・フォン・トリアー監督のTVドラマとして作られたシリーズ『キングダム』と『キングダムll』(1994年、1997年)のモゲ役で最初に強い印象を残したピーターは、その後もTV出演を重ね、人気シリーズ『Taxi(英語タイトル)(原題:Taxa)』に出演した後、エミー賞受賞作品である『Nikolaj og Julie(原題)』にも出演している。最近のTV出演作で注目されているのは、犯罪ドラマシリーズの『Anna Pihl(原題)』(2006年〜2008年)のヤン役で、主人公のルームメイトのゲイを演じている。数々の映画でわき役を演じてキャリアを積み、本作がデンマークの長編映画での初の大役となり、ドラマチックな役柄を演じている。
■クリスチャン・ベルケル(ホフマン)
1957年、ベルリン生まれ。TV界・映画界の両方で活躍するドイツ人の俳優。ドイツの長寿番組として知られるTVシリーズ『Tatort(原題)』では複数の役をこなし、TVシリーズ『Der Kriminalist(原題)』では主役を演じている。アカデミー賞にもノミネートされた2004年の『ヒトラー 〜最期の12日間〜』のシェンク博士役で国際的にも評価を得た。最近の出演作には、スパイク・リー監督の『セントアンナの奇跡』やブライアン・シンガー監督の『ワルキューレ』がある。本国ドイツでも高い人気を誇る俳優である。
■ハンス・ツィッシュラー(ギルバート)
1947年、ニュルンベルク生まれ。スティーヴン・スピルバーグ監督の『ミュンヘン』でのハンス役や、スウェーデンのTVシリーズ『マルティン・ベック』への出演等、本国以外にも活躍の場を広げている。1968年のデビュー以来、171作品以上の映画に出演し、ドイツの最も優れた俳優の一人とされている。
■ミレ・ホフマイーヤ・リーフェルト(ボーディル)
1979年、デンマーク生まれ。TVシリーズ『Unit One(英語タイトル)(原題:Rejseholdt)』や『Nikolaj og Julie(原題)』の他、『The Early Years(英語タイトル)(原題:Unge ar: Erik Nietzsche sagaen del 1, De』、『One Shot(原題)』などのデンマーク映画に出演するなど、将来有望な若手女優である。
■オーレ・クリスチャン・マセン(監督)
1966年ロスキレ生まれ。1993年にデンマーク国立映画学校を卒業。『Happy Jim (原題:Lykkelige Jim)』を卒業製作映画として監督し、優秀賞を獲得した。卒業後、1997年の『Sinan’s Wedding(英語タイトル)(原題:Sinans Bryllup)』 など、相次いで人気作品の脚本、監督を手がけ、1999年には『Pizza King(原題)』で出演も果たし、俳優としても注目を集める。2000年には、戦後のコペンハーゲンの地下犯罪組織を描いたTVシリーズ『The Spider(英語タイトル)(原題:Edderkoppen)』で広く成功を収めた。2001年、ドグマ映画の『Kira’s Reason - A Love Story(英語タイトル)(原題:Koerlighedshistorie, En)では数々の賞を受賞している。この作品で、マセンは監督・脚本の両方を務めている。2005年には、批評家に絶賛された小説『Nordkraft(原題)』を『Angels in Fast Motion(英語タイトル)』というタイトルで見事に映画化し、大ヒットさせた。この映画は、批評家、一般の観客の両方から高い評価を受けて成功している。2006年には、マッツ・ミケルセンとスティーネ・スティーンゲーゼ出演のロマンチックなドラマ作品の『Prague(英語タイトル)(原題:Prag)』を手がけている。この映画は、チェコ共和国の首都プラハで撮影された。『誰がため』は、オーレ・クリスチャン・マセンの最新作である。実話に基づいたこの第二次世界大戦を描いたドラマは、デンマークで記録的な大ヒットとなり、最も興行収入を上げた映画の一つに数えられている。
マセンの映画はすべてニンブス・フィルム社の作品だが、これらの注目されている映画の合間に、『Taxi(英語タイトル)(原題:Taxa)』、『Unit One(英語タイトル)(原題:Rejseholdt)』 などの高い評価を受けたTVシリーズも手がけている。
■ラース・ブレード・ラーベク(製作)
映画界に入る前は、世界最大の船会社系物流企業の一つであるA.P.ムラ/マースクで働いた経歴を持ち、マニラや東京に8年駐在した経験を持つ。ビジネス界を1991年に去り、1993年にデンマーク国立映画学校に入学する前には、政治的関心から草の根運動にも足を踏み入れた。1997年に卒業するとすぐにニンブス・フィルムに製作者として採用された。ニンブス・フィルムでは、サアアン・クラーウ=ヤコブセンの『Skagerrak(原題)』(2003年)の製作を務め、また、ドグマ映画である『ミフネ』(1998年)を国際的に普及させることにも関わった。トマス・ヴィンターベア監督の『アンビリーバブル』(2002年)では製作総指揮に名を連ね、ヴィンターベア監督の出世作、『セレブレーション』の国際的な普及にも携わった。2003年には、スペイン映画『トレモリノス73』に共同製作者として関わっている。2006年には、ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞したペアニレ・フィシャー・クリステンセン監督の『A Soap(英語タイトル)(原題:Soap, En)』の製作を務め、2008年には、サアアン・クラーウ=ヤコブセン監督の政治を描いたスリラー『What No One Knows(英語タイトル)(原題:Det Som Ingen Ved)』 (ベルリン国際映画祭、スペシャル・パノラマ部門上映作品)、そして、同じ年にこの『誰がため』を製作している。現在準備中の作品に、シャーロテ・シーリングの主演デビュー作『Over Garden Under Vandet(原題)』があり、その他、ラウリツ・モニク・ピータセン監督やサアアン・クラーウ=ヤコブセン監督、オーレ・クリスチャン・マセン監督との新作の話が進行している。
■ラース・K・アナセン(脚本)
ラース・K・アナセンは、オーレ・クリスチャン・マセンの共同製作者として常連であり、『Sinan’s Wedding(原題:Sinans Bryllup)』(1997年) や『Pizza King(原題)』でマセンと共同で脚本を務めている。TV番組の脚本で広く活躍しており、人気TVシリーズ『Defense(英語タイトル)(原題:Forsvar)』や、『The Spider(英語タイトル)(原題:Edderkoppen)』を手がけている。『誰がため』は、実際に起こった史実の大掛かりなリサーチに基づいて執筆した。ラースは、数年にわたるリサーチと同時に、数多くの生存者や目撃者に対するインタビューを行っている。そのインタビューを受けた者の多くが、近年、亡くなっている。この作品の脚本は、オーレ・クリスチャン・マセンと共同で手がけた。
|