『週刊バビロン』


1999年/日本

◇製作:草薙修平 ◇監督:山城新伍 ◇企画・原案:山城新伍、須藤邦裕 ◇プロデューサー:竹山昌利 ◇脚本:前川洋一 ◇撮影:鈴木耕一 ◇照明:須永裕之 ◇美術:安藤篤 ◇録音:谷村彰治 ◇編集:阿部嘉之 ◇製作:東映株式会社、東映ビデオ株式会社 ◇キャスト:三宅裕司、ダンカン、杉田かおる、柴俊夫、白竜、鶴田忍、中上雅巳、小宮孝泰、加藤久仁彦、光浦靖子、市山登、大澄賢也、あき竹城(友情出演)、杉本彩、立川談志(ムタロー)、浅香光代、石橋蓮司

◇配給:東映株式会社





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【解説】芸能界から政界までの裏情報  暴いてみせますスキャンダル!

◆芸能界のご意見番山城新伍監督が鋭く抉る女性週刊誌の内幕!

◎『バビロン』とは

題名を『バビロン』と付けさせて頂きましたのは『バビロン』とは古代バビロニアの首都であり、悪名高く華美と悪徳の都と言われました。

BABYLONIA=バビロニアはメソポタミヤの古代王国。紀元前538年頃、ペルシャに征服された。転じてこの悪徳と華美の都を夢とスキャンダルの生産工場ハリウッドに例え『ハリウッド・バビロン』という、無声時代から今日までチャップリンをはじめ、ロバート・ミッチャムの麻薬事件、チャップリン時代のチェスター・コンクリンの殺人騒動、よくもここまでとハリウッドのスキャンダル紙を綴って来た名著があります。まさに亡びたバビロニアが当時のハリウッドにダブります。日本版TOKYOバビロンが出来れば面白いだろうと、企画しました。

紀元前よりもっと時代の華美と悪徳、頽廃を画面にぶつけたいと想っています。この妙に狂ってる時は、まさに東京バビロンだと思います。

監督 山城新伍



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【ストーリー】



ゴシップネタを満載した噂の女性誌「週刊バビロン」の記者、水島(三宅裕司)は公私ともにドツボにハマっていた。私生活では娘が援助交際で補導されたことに悩み、会社ではリストラの一環として、「週刊バビロン」が赤字続きのため廃刊の憂き目になる可能性が大。次の決算期までに部数を倍増しなければ、という執行猶予付きとなったのだ。もう待ったナシの崖っぷち。超特大のスクープをモノにするため、同僚の契約記者・広瀬、新人記者・草野、ベテラン記者・猪股、美人編集者・美和子たち「週刊バビロン」の精鋭たちは、時には体を張って、時には法律スレスレのテクニックを使って取材対象に肉薄する。

美人女優・相原リサに隠し子発覚!のタレこみはマブネタか、裏付けのためホモのマネージャーに接近する役は若くてハンサムな草野に白羽の矢が立つ。さらには美人ニュースキャスター、矢部響子の不倫相手は新民党のカリスマ的人気を誇る若き党首の剣持雅人か、の真相を追って、広瀬は「ダイ・ハード」のブルース・ウィリスばりに高層ビルの屋上からロープで決死の降下を試み決定的瞬間を狙って危機一髪。一方、剣持は広瀬の決死取材で不倫スキャンダルが発覚するのを恐れ、幼なじみの水島に“取引”を持ち掛けるが、ラチが開かぬと見るや「週刊バビロン」出版元の社長に、広告代理店がらみの圧力をかけて握りつぶそうとする。スクープの行き場を失い、家庭も自分の不徳で壊れてしまい、完全にキレた広瀬は、美和子を人質に「週刊バビロン」に篭城してしまう。説得に当たる水島の甲斐もなく、突入してきた警官隊から逃げようとした広瀬は隣のビルに飛び移ろうとして転落死する。それは“壮絶な戦死”でもあった。

相原リサの隠し子騒動も、新民党党首・剣持の不倫疑惑も意外な方向に進み、もっとメガトン級のスキャンダルが生まれようとしていた。だが記者歴ん十年、海千山千の水島には、すべてを把握した上での秘策があった!



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【プロフィール】

■三宅裕司

1951年東京都出身。79年「劇団SET」創立、主宰となる。舞台は勿論、TV、ラジオ、CM、歌番組の司会、そして映画とマルチに活躍。主な映画出演作は『スーパーの女』『サラリーマン専科』など。 今回は、家庭問題、リストラ、社内セクハラなどの問題を抱えながら日夜下半身ネタを追い求める廃刊寸前の「週刊バビロン」記者・水島良平役。


■ダンカン

1959年埼玉県出身。たけし軍団で人気を博し、自ら出演するTV番組の構成も手掛けた。著書も多く、連載も。主な映画出演作は『チンピラ』や『生きない』。脚本も担当した『生きない』は第51回ロカルノ映画祭全キリスト賞受賞 今回は、セクハラ問題で社をクビになりスクープをモノにするが圧力から記事を潰され、人質篭城事件を起こす「週刊バビロン」契約記者・広瀬公一役。


■杉田かおる

1954年東京都出身。愛らしい子役からお茶の間の人気者に。TVを中心に活躍、代表作は「3年B組金八先生」など。近年は写真集やエッセイも話題に。主な映画は女優として飛躍を遂げた『青春の門』や『浪人街』など。 今回は、同僚記者の広瀬からセクハラを受け、裁判沙汰を起こすが、ヤケを起こした広瀬の人質となる「週刊バビロン」の美人編集者・鷹取美和子役。


■柴俊夫

1947年東京都出身。「新・ぼっちゃん」「さわやかな男(やつ)」などで主演。TVを中心に舞台でも活躍する。映画出演近作は『失楽園』『陽炎4』『エンバーミング』『釣りバカ日誌11』。 今回は、カリスマ性を持つ若き政党党首で、美人キャスターとの不倫をスクープされ、幼なじみの水島にモミ消しを依頼する剣持雅人役。


■鶴田忍

1946年東京都出身。俳優座養成所から俳優座へ。71年退団。TVを中心に、舞台、映画、CMへと幅広く出演。中間管理職役や人情喜劇的作品になくてはならない味を出す。映画は『虹をつかむ男』『釣りバカ日誌9』など。 今回は、女社長の鼻息を伺いながら、一癖も二癖もある記者達をまとめ、廃刊寸前のバビロンをきりもりする迷?編集長大平役。


■中上雅巳

1972年東京都出身。89年6代目「いいとも青年隊」でデビュー。TVドラマが中心だが、バラエティーにも出演。近作は「ウルトラマンガイア」梶尾役。 今回は、有名女優の隠し子ネタの裏を取るため、ハードゲイのマネージャーにカラダを張った取材をさせられる新人記者・草野徹役。


■杉本彩

1968年京都府出身。高校在学中に「東レ水着キャンペーンガール」に選ばれ、87年『湘南暴走族』で映画デビュー。99年、「小説新潮」5月号で官能小説「指」を発表、作家業にも進出した。 今回は、「隠し子スキャンダル」を水島に探られモミ消しに成功するが、実はもっと重大なスキャンダルを抱えている女優・相原リサ役。


■浅香光代

東京・神田出身。14才で一座を組み、昭和30年代に大江美智子、不二洋子らと女剣劇全盛時代を作る。昭和54年に「演劇舞踏・浅香流」を興し家元となり、手軽な舞踊を目指し指導にあたる。『北京のスイカ』など映画にも出演。 今回は「週刊バビロン」を廃刊にしようとする大手出版社の女社長・梶原喜美子役。


■石橋蓮司

1941年東京都出身。「劇団若草」などいくつかの劇団を経て、現在「劇団第七病棟」主宰。ヤクザ、ヒモ…といったクセのある役柄が多く、強い個性と演技力で異彩を放つ。最近はユーモラスな父親役も演じている。 今回は、取材先の沈黙の扉を意表を突く手で開けさせてしまう、下半身ネタを追いかけ35年、業界最古参記者・猪股長一郎役。


■監督/山城新伍

1938年京都出身。高校卒業後東映第4期ニューフェースに合格。『風小僧』『白馬童子』シリーズで二枚目俳優として人気を集める。任侠路線ではアドリブをきかせたコミカルな味で好評を博し、そのキャラクターはテレビのバラエティー番組の司会でも大いに発揮された。80年には『ミスターどん兵衛』で監督業に進出。以降、『女猫』『せんせい』『やくざ道入門』などを手掛け、マルチな才能を見せている。


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