『アメリカン・ビューティー』/"AMERICAN BEAUTY"




アメリカン・ビューティー [DVD]
4月29日より丸の内ピカデリー1ほか松竹・東急洋画系にて公開

1999年/ドリーム・ワークス映画/コーエン・ジンクス・カンパニー・プロダクション/UIP配給/122分/DTS・SRD・SDDS・SR/シネマスコープ/翻訳:戸田奈津子

◇共同製作:スタン・ウロドウスキー、アラン・ボール ◇音楽:トーマス・コーエン ◇衣装:ジュリー・ワイス ◇編集:タリク・アンウォー、クリストファー・グリーンバリー ◇プロダクション・デザイナー:ナオミ・ショーハン ◇撮影:コンラッド・L・ホール ◇製作:ブルース・コーエン&ダン・ジンクス ◇脚本:アラン・ボール ◇監督:サム・メンデス ◇キャスト:ケビン・スペイシー(レスター・バーナム)、アネット・ベニング(キャロリン・バーナム)、ソーラ・バーチ(ジェーン・バーナム)、アリソン・ジャーニー(フィッツ夫人)、ピーター・ギャラガー(バディ・ケイン)、ミーナ・スバーリ(アンジェラ)、ウェス・ベントレー(リッキー・フィッツ)、クリス・クーパー(フィッツ大佐)





| 解説 | プロダクションノート | ストーリー | キャスト&スタッフ |




【解説】

平凡な日々の中で、人はそれぞれの“ビューティー(美)”を夢見る。そして、彼らが無意識にしてきた“がまん”を放棄し、自分の“ビューティー”に向かって邁進する時、何かが起きる。この物語には、そんなコワさが潜んでいる。

これは、ごく普通の市民として、普通の毎日を送ることが、どんなにストレスに満ちているかを、一見、普通に見えるサラリーマン家庭を中心に描いた物語。ただそれだけなのに、まじめにおかしく、陰気でコミカル、そして、時に残酷さも垣間見せる。ともあれ、アメリカの夢の終焉をシニカルに描いた傑作であることだけはまちがいない。 全米で驚異的なヒットとなった本作は“本当のアメリカン・オリジナル”と評され、今や世界的な注目を集めている。機能不全に陥ったアメリカの中流家庭が、抗えない強い引力で“事件”へと転げ落ちていく様が、不可思議な空気の中で描かれる。倦怠が愛を上回り、体裁が本音を覆い隠す日々。不毛感、孤独感、閉塞感…。現代人の精神構造をこんなにおかしく、新鮮に捉えた作品は、これまでになかった!

舞台は郊外の新興住宅地。主人公のレスター・バーナムは、中年サラリーマン。住宅ローンを抱える身に、リストラの風が冷たく刺さる。妻のキャロリンは、取り柄のない夫にうんざりしながら、自分の理想とするオシャレな生活を躍起になって守っている。ハイスクールに通う娘ジェーンは、カッコ悪い父親を嫌って、ろくに口もきかない。アメリカならずとも、世界中、どこにでもある家庭模様だ。だが、レスターが、突然美少女に遭遇したことから、事態は急変する。吹っキレたのか、キレたのか?! ムラムラと燃え上がった中年男の恋心が、すべてを、危険な方向へと変えていく…。



主人公レスターには、『ユージュアル・サスペクツ』でアカデミー賞助演男優賞を受賞したケビン・スペイシー。頭脳戦専門の知恵者を演じることが多かったスペイシーが、普通のダメ男役に挑戦だ。妻キャロリンを演じるアネット・ベニングも、『バグジー』などで見せたゴージャスな女のイメージを返上、上昇志向に取り憑かれた女の見苦しさと痛々しさを、いわば捨て身で演じている。娘のジェーン役には、『パトリオット・ゲーム』のソーラ・バーチ。自分が望むものが何かもつかめない、不安定なティーンエイジャーを好演する。その友人で、レスターの不埒な妄想の対象となる美少女アンジェラには、『アメリカン・パイ』などのミーナ・スバーリ。また、得体の知れない隣家の青年リッキー役には、多くの若手人気スターが候補になった中で、無名の新人ウェス・ベントレーに白羽の矢が立った。ビデオフリークで無機質な美を愛するリッキーの登場は、鬱屈したジェーンに大きな変化をもたらしていく。その両親、退役軍人の父に、クリス・クーパー(『遠い空の向こうに』)、息をひそめて家族を見守る母にアリソン・ジャーニー(『パーフェクト・カップル』)が扮し、おかしいような哀しいような絶妙の演技を見せる。

さらに、キャロリンの浮気相手として、『あなたが寝てる間に…』のピーター・ギャラガーが登場して彩りを添える。監督は、イギリス演劇界で名を馳せた新進気鋭の演出家サム・メンデス。本作で、映画監督としてのデビューを飾った。最高の俳優たちから最高の演技を引き出すため、映画では珍しい舞台流のリハーサルを実施、また、イギリス人であることが、この生々しいアメリカ的なドラマに、一種の“退いた(ひいた)”視点を付加し、全編に乾いたトーンを生み出した。製作は、ブルース・コーエン(『マウス・ハント』)とダン・ジンクス(『ナッシング・トゥ・ルーズ』)。卓抜な脚本は、テレビ・シリーズ「シビル」で活躍したライター、アラン・ボールが書き下ろした野心作。映画の脚本は本作が初めてだ。

初監督作を充実させるため、メンデスは熟練のスタッフを選択した。まず、『明日に向かって撃て!』でアカデミー賞を受賞した撮影監督コンラッド・L・ホール。『リプレイスメント・キラー』の美術監督ナオミ・ショーハン。『12モンキーズ』でアカデミー賞候補になった衣装デザイナーのジュリー・ワイス。そして、音楽は『ショーシャンクの空に』などで3度、アカデミー賞にノミネートされたトーマス・ニューマンが担当した。 タイトルの“アメリカン・ビューティー”とは、妻が庭で栽培する米国産の赤いバラの品種名。主人公レスターは、その真紅のバラに埋もれて、文字通り美少女を抱くことを夢見る。妻は、素敵な家に住み、素晴らしい仕事をすることが人生の成功(ビューティー)だと信じている。隣家の青年とジェーンは、風に舞うビニール袋に共通の美学(ビューティー)を見出す。それぞれの“ビューティー”が、それぞれの登場人物の運命を狂わせていく。



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【プロダクションノート】

◆ユニークな脚本がスピルバーグを射止める

 テレビのコメディ・ライターとして有名なアラン・ボールは、2年前、映画界への進出を狙い、この作品を書いた。プロデューサーのブルース・コーエンとダン・ジンクスは、「これまでに読んだ中で、最高の脚本だと思った」という。ドリーム・ワークスに持ち込むと、スティーブン・スピルバーグが一読して、すぐにこの本を買った。そして「一切、リライトせず、この脚本通りに映画にするように」と指示したという。監督には、舞台で活躍する34歳の鬼才サム・メンデスが選ばれた。ミュージカル「キャバレー」のリバイバル公演を手掛け、鋭く新しい切れ味をもたらしたと高く評価されている人物だ。映画の監督は、こちらも初めて。メンデスは、「脚本は見事な出来だった。コミカルな表面とは対照的に、奥底には孤独感が流れている。そして、どの役柄も、その人の内面的な葛藤と完全な背景状況を描き出していて素晴らしい」と、この脚本に感動した。こうして、脚本、監督という二つの新しい才能が、映画界に殴り込みをかけることになった。


◆監督は語る

 「これは、自分の身近な、日常的に触れているものの中に、“ビューティー”を見出す物語です」とメンデス監督は語る。また、「これは、家族についての普遍的な物語で、閉じ込められた状態から抜け出す話でもあるのです」という。「登場人物はそれぞれ変化を経験し、今までの状況を抜け出す。そして、彼らが変わっていくように、ストーリーも変わっていく。とてもおかしなコメディとしてスタートし、最後には、悲劇へと変化するのです」。舞台と映画はまったく勝手が違ったというが、一つだけ、共通だったのは、「どうやって観客の関心を2時間つなぎ止めるかということだ」と言う。彼は、今回、ふつう映画では行わないリハーサルを行った。映画では同じ場面に出なければ俳優同士が顔を合わせないことすらある。しかし、数週間に及ぶリハーサルの間に、俳優たちはストーリーや台詞についてじっくり話し合った。話題は、登場人物たちが昼食には何を食べただろうかといった細かいことにまで及んだという。この話し合いが、それぞれの役柄の背景作りに大いに役立った。だが、そんなメンデスでも、撮影開始から3日間はさんざんで、ラッシュを見て死にたい気分だったという。その3日分は、メンデスたっての希望で異例の取り直しとなった。


◆ケビン・スペイシー、新たな体験

 主人公レスター・バーナムの役は、ケビン・スペイシーにとって待望の“普通の男”の役だった。「いつも頭が良くて人をも操るような役ばっかりだったから、この4年間、新しい方向を目指したいと努力してきました」とスペイシーは語る。「レスターは、自分が陥った状況に左右されてしまう弱い人間。どこにでもいる普通の男です。若い頃の理想はことごとく打ち砕かれている。でも、突然、昔、自分が望んでいたものを思い出す。そして、自分が感じた通りに口に出して言っていなかったり、心のままに行動していなかったことに気づくんです」という。スペイシーにとって、これほど肉体的に大きな努力を求められた役も初めてだった。セットには特製のジムに改造したトレーラーを置き、1日2回、専門のトレーナーについてトレーニングを受けた。「レスターがシェイプアップし、一種の解放感を経験して新しいものを手にしていくに従って、私自身も同じ体験をしました。と役柄と同化した過程を説明。そしてスペイシーは、「レスターの経験は、中年の“危機”というより“再生”なのだと思います」と語った。


◆隣の誰かに似ている

 キャロリン役には、監督をはじめ、誰もがアネット・ベニングを一番に選んだ。ベニングは、「キャロリンは、夫の問題が何か、まったく見ていません。問題があるということにさえ、気づいていないと言えるかもしれません」と語る。キャロリンは自分が持っている“成功”というイメージに取り憑かれ、瀟洒な家とバラの咲く庭、手ごろな車、揃った家具があれば、人生はなんとかなると信じている。それが、「夫が変わり始め、自分も変わらざるを得なくなります。本当の危機に陥り、今までの人生が崩壊し、誰も頼る人がいないという状況に至るまでは、自分が実際にどれほどひどい状態にあるのか、自分でもわかっていなかったんです」とベニング。そして、「その意味で、キャロリンは、私自身も含めた多くの一般人と変わりないんです」という。キャロリンも、この映画の他の登場人物同様、あなたの隣の誰かに似た人間なのかもしれない。


◆3人のティーンエイジャー

 この映画には、3人のティーンエイジャーが登場する。この3人は、150人以上の候補の中から、監督が直接面接して決めたキャストだという。レスターの娘ジェーン役のソーラ・バーチは、「ジェーンは初めはごく普通の、怒りっぽい10代の娘です。両親に失望しているし、自分に特別な資質や才能がないと感じて不安なのです。でも、物語が進むにつれて、彼女の素質がだんだん見えてきて、最後には、特別な、ユニークな少女になっていきます」と語る。レスターの変身の触媒となるアンジェラを演じたミーナ・スバーリは、「アンジェラは自分がなりたい人になった気でいます。自分を特別な人間に見せるためにジェーンとの友情を利用するし、レスターのこともお遊びのターゲットだと思っているんです」という。だが、結局は、普通の少女とどこも違いがないことがわかる。また、ビデオ・フリークのリッキーを演じたウェス・ベントレーは、「レンズを通せば、自分は安全なところにいて、美しいものにズームで近づいたり、深く見たりできます。しかも、それを保存できる。でも、ジェーンが現れて、カメラ以上に興味を引くものに出会うんです」と語る。「リッキーはジェーンに、自分が自分であることを認めて満足することを教えます」とソーラ・バーチがつけ加えた。この3人も、それぞれに、このドラマの中で、“普通のもの”とは何なのかを問いかける役割を果たしている。


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【ストーリー】

レスター・バーナム(ケビン・スペイシー)は42歳。雑誌社で広告の仕事をしている。郊外に買った家で、妻キャロリン(アネット・ベニング)と娘ジェーン(ソーラ・バーチ)と暮らしている。妻は、外では不動産ブローカーとして活躍、家では家具から庭のバラまですべてコーディネートし、雑誌から抜け出したような生活を愛している。それが彼女の大好きな“成功”の在り方だった。娘は典型的なティーンエイジャーで、怒りと不満で常に情緒不安定、まともに口もきかない。

レスターの生活は死んだようなもの。その上、今日は上司に呼ばれ、リストラを前提としたリポート提出を言い渡される。ある日、レスターはジェーンがチアガールとして出場するバスケットの試合を見に行った。だが、レスターの目はジェーンではなく、チーム一の美少女アンジェラ(ミーナ・スバーリ)に釘付けになる。その瞬間、レスターは、いってみれば恋におちたのだ。そんな様子を察知して、アンジェラは得意顔。ジェーンは、自分の友達にメロメロの父親を心底ケイベツする。不機嫌になって帰宅したジェーンは、少し離れた所から、自分を撮影している青年に気づく。隣に越してきたリッキー(ウェス・ベントレー)らしい。

そのリッキーが、ジェーンと同じ高校に転校してきた。彼は美しいアンジェラには見向きもせずに、ジェーンに対して強い関心を示す。リッキー家は、元海軍兵隊大佐の父(クリス・クーパー)の威厳がすべてを支配していた。母(アリソン・ジャーニー)は、ほとんど神経症のようになっている。クリスマス・パーティーの夜、キャロリンの見栄にうんざりしているレスターに、ボーイのアルバイトをしていたリッキーが声をかける。レスターは、リッキーに勧められてマリファナを吸い、最高にハイな気分を味わった。その夜、レスターは、家に泊まりに来ていたアンジェラが、「もう少し筋肉をつけたら、レスターと寝るわ」と言っているのを立ち聞きする。そうか、筋肉か! 奮い立つレスター。彼はそのまま地下室に飛んでいき、古い鉄アレーを持ち出した。

真夜中、キャロリンは隣で寝ている夫の様子がおかしいことに気づく。なんと、レスターは裸のアンジェラを夢想し、自慰にふけっていたのだ。キャロリンは、火がついたように騒ぎ出した。その時、レスターの中で何かがキレた!

次の日、上司の不倫をネタに脅して会社を辞め、学生時代のようにハンバーガー・ショップで気楽なアルバイトを始める。口やかましい妻には皿を投げつけ、生意気な娘には平手打ちをした。後先を考えず派手な車を買い、リッキーからはマリファナを買い続けた。筋肉トレーニングにも余念がない。もちろん、アンジェラに好かれたい一心からだ。夫がそうなら、妻のキャロリンだって負けてない。かねてから仕事上の高嶺の花だった不動産王バディ(ピーター・ギャラガー)に急接近し、ついに安っぽいモーテルでベッドイン。欲求不満を一気に解消していた。

両親がイカれた状態に陥り、心のやり場を失ったジェーンにとって、唯一の慰めはリッキーと過ごす時間だった。死んだ鳥や風に舞うビニール袋に美しさを見出すリッキーに、ジェーンは言葉にできない共感を抱いた。父は、暴力で息子に規律を叩き込もうとした。だが、リッキーはそんな父親でも憎んでいないという。だが、ジェーンは自分の同級生に熱を上げているバカな父を憎んでいた。

そして、ついにその日がやって来た。それぞれが、それぞれの思惑を抱き、バーナム家に、今、予測できない事態が起ころうとしていた…。



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【キャスト&スタッフ】

■ケビン・スペイシー(レスター・バーナム)

1959年7月26日、米・ニュージャージー州生まれ。ヤンチャだったため、父親がノースリッジ・ミリタリー・アカデミーにいれるが、そこも同級生と喧嘩して退学になる。ロサンゼルスのチャーツワース高校時代に演劇に興味を持ち始め、同級生で女優のメア・ウィニンガムと学校劇で共演した。その後、ジュリアードで2年間、演技を学び、1981年にニューヨーク・シェイクスピア・フェスティバルで本格的な初舞台を踏む。1991年にはニール・サイモンの「Lost in Yonkers」でトニー賞の主演男優賞を受賞した。1986年、『心乱れて』で映画デビュー(地下鉄の泥棒の役)。1987年からはテレビシリーズ「Wise Guy」でサイコ役を演じ評判になる。1995年は大ブレイクの年。ヒット作『セブン』(1995)で殺人犯に扮して注目を集め、『ユージュアル・サスペクツ』(1995)では見事、アカデミー賞助演男優賞を射止めている。この2作と、『アウトブレイク』『Swimming with Sharks』の計4作が該当作となって、この年のニューヨーク批評家協会賞助演男優賞も受賞した。その後の活躍はめざましく、『L.A.コンフィデンシャル』(1997)ではボストン批評家協会賞を受賞した他、英国アカデミー賞の候補に上がった。1996年には、『アルビノ・アリゲーター』で監督デビューも果たしている。最近は『交渉人』(1998)でサミュエル・L・ジャクソンとの頭脳戦を展開し、ファンを楽しませた。その他、『評決のとき』(1996)や『バグズ・ライフ』(1998)の声の出演などがある。新作は、『The Big Kahuna』(1999)、1999年10月、ロサンゼルスの“ウォーク・オブ・フェイム”に名を連ねたばかり。


■アネット・ベニング(キャロリン・バーナム)

1958年5月29日、米、カンザス州トペカで生まれ、サンディエゴで育った。サンディエゴ・メサ・カレッジからサンフランシスコ州立大学へ進学し、演劇を専攻した。卒業後、アメリカン・コンサバトリー劇団に参加して舞台を踏む。シェイクスピア・フェスティバルや地方巡業を経て、ニューヨークに移り、本格的な女優を目指す。1987年には、トニー賞候補に上がっている。1988年、『大混乱』でスクリーン・デビュー。翌年、ミロス・フォアマン監督の『恋の掟』(1989)で背徳のヒロイン、メルトゥイユ侯爵夫人に扮し、妖艶な魅力を発揮する。1990年には、『グリフターズ/詐欺師たち』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされる。この作品を見たウォーレン・ビーティーが、自分の主演作『バグジー』(1991)の相手役に抜擢する。この共演がきっかけで、二人が結婚したのは有名。1994年の『めぐり逢い』でも夫婦共演している。『真実の瞬間』(1991)や、『心の旅』(1991)では普通の主婦役をさり気なく演じた他、『リチャード三世』(1995)や、『マーズ・アタック!』(1996)など多様な映画に出演し、舞台仕込みの演技の幅の広さを見せている。『アメリカン・プレジデント』(1995)ではゴールデン・グローブ賞候補に上がった。新作は、『In Dreams』(1999)と『What Planet Are You From?』(2000)。現在妊娠中で、2000年半ばに4人目の子供を出産する予定。子供は5人欲しいとのこと。


■ソーラ・バーチ(ジェーン・バーナム)

1982年3月11日、カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。4歳でコマーシャル出演を始めた。テレビ・シリーズの「Day by Day」(1988)や「Parenthood」(1990)にレギュラー出演していたが、6歳で初めて出演した映画『パープル・ピープル・イーター』(1988・未)で、映画の中の子役に与えられる演技賞をものにした。1991年、メラニー・グリフィスとドン・ジョンソン主演の『愛に翼を』で、およそ4000人の子役候補のなかから選ばれ、気難しい少女の役を好演し、評判になる。その後、『パトリオット・ゲーム』(1992)『今そこにある危機』(1994)でハリソン・フォードの娘役を演じた。その他の出演作は、『クリスマスに万歳!』(1991・未)、『ゆかいな天使/トラぶるモンキー』(1994)など。新作は『The Smokers』(2000)と『Dungeons&Dragons』(2000)。子役から女優への転換期で、そのきわだった演技力に注目が集まっている。


■ウェス・ベントレー(リッキー・フィッツ)

1978年9月4日、米・アーカンソー州で生まれる。地元の高校を卒業し、ニューヨークのジュリアードで学び、舞台を経験する。1998年、『Three Below Zero』でスクリーン・デビュー。ジョナサン・デミ監督作『Beloved』(1998)では、ダニ・グローバーと共演した。今回、初めて大きな役をつかみ、1999年度ナショナル・ボンド・オブ・レビューの新人賞を受賞した。新作『The White River Kid』(1999)ではタイトルロールの連続殺人犯“ザ・キッド”を演じ、アントニオ・バンデラスと共演。2000年にも、『Kingdom Come』『Soul Survivors』などの新作が控えている。


■ミーナ・スバーリ(アンジェラ)

1978年、米・ロードアイランド州ニューポート生まれ。11歳でテレビに初出演、初期の頃はテレビでの活躍が多く、「ER/救急救命室」のエピソードにもゲスト出演した。また、TV「シカゴ・ホープ」(1994)で演じたHIV患者の役は高い評価を受けた。グレッグ・アラキ監督の『Nowhere』(1997)でスクリーン・デビュー。同じ年、『コレクター』にも出演した。アメリカのサマー・シーズンにヒットした過激な青春映画『アメリカン・パイ』(1999)で人気上昇。2000年も、『Sugar and Spice』『Loser』と出演依頼があいついでいる。


■クリス・クーパー(フィッツ大佐)

1951年7月9日、米・ミズーリ州カンザス生まれ。ミズーリ大学で演劇を学び、ニューヨークの舞台でプロの俳優としての活動を開始した。その後、ブロードウェイ等の舞台やテレビで活躍。1997年、ジョン・セイルズ監督の『メイトワン1920/アメリカ暗黒の決闘史』で主役を演じ、映画デビューを飾った。その後も、セイルズ監督の『希望の街』(1991)をはじめ、『真実の瞬間』(1991)『ボーイズ・ライフ』(1993)、『評決のとき』(1995)、『大いなる遺産』(1997)、『モンタナの風に吹かれて』(1998)などに出演。最近は『遠い空の向こうに』(1999)にも出演している。次回作は『Patriot』(2000)の予定。


■ピーター・ギャラガー(バディ・ケイン)

1966年8月19日、ニューヨーク生まれ。大学時代は、ボストン・シェイクスピア・カンパニーに参加。1977年、「ヘアー」でブロードウェイに登場。1986年にはジャック・レモンと共演した舞台でトニー賞候補に上がった。1980年、『アイドルメーカー』(1980・未)で映画デビュー。その後、『セックスと嘘とビデオテープ』(1989)で注目を浴び、ロバート・アルトマン監督の『ザ・プレイヤー』(1992)と『ショート・カッツ』(1993)に出演した。また、『あなたが寝てる間に…』(1995)では、ほとんど眠ったままのヒーローを演じる。その他、『ブランケット城への招待』(1988)『冷たい月を抱く女』(1993)『未来は今』(1994)などに出演。


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