| 『U-571』マシュー・マコノヒー&ジョナサン・モストウ監督来日記者会見 |
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7月17日(月)パークハイアット東京ボールルームにて ●出席者:マシュー・マコノヒー、ジョナサン・モストウ、ジョン・ボン・ジョヴィ |
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■ジョナサン・モストウ監督: 皆さん、今日はお越しいただきましてありがとうございます。今日は、皆さんに『U-571』についてお話しするのを楽しみにしております。 ■マシュー・マコノヒー: 本当に今回、2度目の来日なんですけれど、皆さん大勢お越し下さいましてありがとうございます。前回より今回の方が、さらに日本を楽しんでいる感じで、また来日するのを楽しみにしています。 【質疑応答】 ◆質問: もの凄く迫力ある映像でした。それだけに、撮影には危険が伴ったのではと思いますが、撮影中のエピソードなどがありましたなら、お聞かせ願えたらと思います。 ■マシュー・マコノヒー: 大変な撮影だったというのは、見ての通りなんですけれども、肉体的にもかなりきつい撮影でした。これ5ケ月間の撮影期間だったんですけれども、もし、濡れたくないとか、寒いのが嫌だという人は、この映画には出ないほうがいいというくらい。本当に、それは覚悟して望んだんですけれども、毎日が挑戦で忍耐が必要でした。 ■ジョナサン・モストウ監督: これは映画作りのコツなんですけれど、非常に危険に見えることを、実は、安全には気をつけて撮るんです。実はこれが大事でして。実際には、非常に危険が伴うことも多かった。実際に海に出ましたし、ボートに乗ったり、爆薬もかなり使いました。ですけれど、この撮影中に大きな怪我をしたということが一切ありませんでした。ですから、そういうことは監督としてとても自慢できることだと思います。ちょっとした痣とかかすり傷とかはありましたけれども、誰かが骨折したりということは一切ありませんでした。本当にこれは、肉体的にかなり疲れるきつい撮影だったんですね。最初の撮影日を終えて、多分、何人かは降りると言って来るんではないかと、非常に心配していたのですが、実は、役者さんたちが、「今までの仕事の中で1番楽しいよ」って言ってきたんです。ですから、きつければきついほど、みんな楽しんでいるようだったんで、みんなちょっと頭がおかしいかどうかはわからないですけれども、そういう風に感じた撮影でした。 ◆質問: マコノヒーさんに質問です。今の質問の続きになるかもしれないんですが、極限状態の演技を、撮影期間中、常にキープしなければならないということで、かなりハードだったと思うのですが、その辺をお聞かせください。 ■(マシュー・マコノヒー): いい質問です。かなり緊張感を高めるというのが、非常に今回、大事だったんですね。ですから、肉体的にも気持ち的にも自分がそうなっているというのが大事でしたので、我々は、スピードを上げておくという表現を使っていたのですが、撮影前にランニングをします。で、かなり汗をかいて、何人かでのシーンの場合はレスリングをするんです。本当に撮影前にレスリングをして、息を“ハー、ハー、ハー、ハー”あげておいて、汗をビッショリさせておいて、撮影をする。そういうようなテンションを高めるエクササイズをしました。同じシーンを、次の日も一週間後にも撮るということもあるわけですよね。ですから、その時、一生懸命やった状態をまた作り上げなければならないということで、これが日常的なルーティーンのようになりまして、毎日しました。 ◆質問: まず監督にですが、今回、ビジュアル的にあまりCGがなかったようなんですが、何故、CGをあまり使わなかったのかということと、あと、ドイツが出てきます。でもドイツ語には字幕がなかった。それが意図があったのか。あと、マコノヒーさんにですが、ハーベイ・カイテルさんと共演していますが、彼と共演した手応えを教えてください。 ■(ジョナサン・モストウ監督): 字幕に関しては、あるべきだと思いますんで、ご覧になった版に、まだついていなかったということかもしれません。字幕はあるべきです。それから、CGに関しては、まだ、CGの技術は、「水」に関して完璧とは言えないんです。ですから、CGで作った水が、皆さん誰でも「水」ってどういうものか見たことがあるんで、すぐに偽物だとバレてしまう。そういう意味で、ちょっと使いたくなかった。ですから、本当にオールドファッションな方式で、600トンの実物大のサブマリンを作りました。コレを作るのに1年間要しました。今までハリウッド史上で一番大きな雨、嵐を作りまして、昔、私は子供の頃、蒸気機関車で遊ぶのが好きだったのですが、今は大人になって、ユニバーサルから素晴らしい玩具を与えて頂いたようなものです。本当に素晴らしいセットで、出来るだけCGを使わずに、リアルなもの、より信じられるものを作るように心がけました。 ■(マシュー・マコノヒー): ハーベイ・カイテルさんは、とっても細かいところにまでこだわる俳優さんです。そして、ちょっと変わった方です。彼が追求している根底にあるものは、その演じている役のキャラクターの真実を見つけ出すということなんです。ですから、お客さんがわからないような本当に細かい所にまでこだわるんですね。たとえば、自分が被っている帽子が濡れているべきか、乾いているべきか、ということを追求するんです。で、たとえば、それが紺色だと、濡れていても、乾いていてもわからないんです。わからなくても彼にはとても重要なことなんで、カメラには映らないかもしれないけれども、彼は、非常に細部にまでこだわります。これは、伝統的な演技法にのっとっているものです。そういう細かいところまでの真実を、彼は追求して、そして、観客に伝わらなくても、俳優として自分がわかっていることが大事だということで演じますから。演技は非常にシンプルだと思います。あまり強調したり、やりすぎるということはないと思います。そういうことを、私は、ハーベイ・カイテルさんから学びました。 ◆質問: お二方にお伺いいたします。この映画は、とても楽しく見せていただきました。ありがとうございました。あの、リーダーの条件というのは、どのようにあるべきだとお考えでしょうか。 ■(ジョナサン・モストウ監督): 潜水艦のリーダーですか? 人生におけるリーダーですか? ◆質問: 両方お答えいただければ。 ■(ジョナサン・モストウ監督): これはいろんな状況でのことがあると思うんですけれども、ある意味では、映画、撮影現場では、ディレクター、監督という私の立場がリーダーだと思うんですね。で、今回のような撮影には、350人のスタッフがいます。そういう人たちに対して、私が、ちゃんと何をしたいかわかっているということを知って指揮をしていると思わせたいわけです。で、これは多くの場合、私が全くわからない ― 何もわかっていない状況もあるんですけれども、それを、彼らに悟られてはいけないわけです。映画の中でも、ハーベイ・カイテルさんとマシュー・マコノヒーさんのやりとりの中で、「今は君はリーダーなんだから、自分に自信を持って、自分がわからないということを悟られてはいけない」というセリフがありました。で、私は、正に、そういうような状況に自分も置かれて、自信があり、どういう方向に導いていくのかハッキリと見せていく、そういうものがリーダーの条件だと思います。 ■(マシュー・マコノヒー): いろんなリーダーの条件があると思うんですけれども、リーダーとはどういうものかということを、ずっとこの撮影中に考えていたんです。で、まず、結論では、第1には、自分のビジョンを明確に持っていることが大事だと思います。いろんなことが幅広く見渡せる目、そして、先見の明を持っていることが必要だと思います。第2には、チャンスというのは、ほんのわずかなものでも逃さないこと。決断を迫られた時に、そこを逃さずに決断できるということが重要だと思います。そして第3に、リーダーと言えども、全てを知っているということはあり得ないと思うんです。ですから、リーダーというのは、他の人の言うことにも耳を貸して、そして、素晴らしい意見が出た場合、それを採択するという力を持っている。そういう頭を持っていることが重要だと思います。 ◆質問: ふたりにお伺いします。凄くリアリティのある映画 ― 正に潜水艦の中にいるような気分になる映画だったと思ったんですけれども、そのリアリティを出すために、おふたりで実際に潜水艦に乗ってみるとか、そういうようなこともあったんでしょうか。 ■(マシュー・マコノヒー): これ、私も乗りましたし、一緒ではないのですが監督もサンデイエゴの現代の潜水艦に乗りました。実際のUボート、Sボートですとかには乗ってないんですけれども。全部で3つそういうものがありまして、1つは、実際に地中海で浮かべて乗ったんです。後の2つはセットの中で乗りました。この撮影前に、実際に潜水艦の艦長をやっていた方に、ある意味で潜水艦の学校のようなものを開いていただいて、操縦法とか、潜水艦の全てを学びました。実際に観客が潜水艦の中に乗っているようなものとして作ったのは、監督の腕だと思うんですが、そういう意図がはじめからあったようです。 ■(ジョナサン・モストウ監督): 実際、第二次世界大戦中に使われていた潜水艦が、世界中に12ほどあるんです。で、私は、撮影前にその12艦全部を見ました。そして研究しました。この映画が公開された後で、アメリカの海軍の方から、この『U-571』が今までの潜水艦映画の中で、潜水艦に関して1番忠実だと言われて嬉しかったんです。それと同時に、海軍から招待をされまして、今の潜水艦に乗る手配をしていただきました。残念ながら、マシューはスケジュールが合わなかったんですけれども、何人かの俳優たちと乗せてもらったんです。その時に、コントロールルームに行きましたならば、「君たちが操縦してみたら」って言われて、まさか、これを操縦するなんてってビックリしたんですけれども、これ、皆さんも想像できないと思いますが、私たちが操縦する姿をビデオで撮っておきましたけれども、自分たちが潜水をさせたりして、操縦を全部やったんですね。我々も驚いたのは、ちょっとは指導はしてもらいましたが、撮影前に、潜水艦の学校に行っていろいろ学んだこともあって、もちろん、今の潜水艦はかなり進歩しているんですけれども、ほとんど基本的なところは変わっていないので、操縦とかも私たちがコントロールすることが出来たんですね。これは非常に素晴らしい経験をさせていただきました。 ここで、特別ゲストとして、久々の新作アルバムを引っさげて日本公演を遂行中のジョン・ボン・ジョヴィが登場。 ■(ジョン・ボン・ジョヴィ): 皆さん、今日は本当にお越しいただいてありがとうございました。私も今日ここに来られて嬉しく思っておりますが、本当に大勢の方がいますね。 ◆質問: エキサイティングなライブを2日間見させていただいた後、映画を拝見しました。非常にクールな演技に改めて感動したんですが、クランクインする前に、自分を高めるようなことはされていたんでしょうか。また、ライブとは違う臨場感が映画にはあるのでしょうか。あともう1点、S-33からU-571に移る時、水がかかったり、緊張するシーンがあったと思うんですが、あのシーンでは何を考えてらっしゃったんでしょうか。 ■(ボン・ジョヴィ): まず、俳優ということをするに際して、ミュージシャンとしてのイメージが自分は強いので、キャスティングの段階で、ロックスターをキャスティングするのは(どうか)という製作者サイドの躊躇はまずするわけですよね。ですけれど、私は、俳優として、自分のキャリアを着実に作っていきたいということを望んでおりましたので、映画の選択にも非常に注意を払ってきました。今回の『U-571』に関しては、監督が私に決めてくれた時に、私は、ミュージシャンのパフォーマーのジョン・ボン・ジョヴィが出てきたなんて思われたくなかった。ですから、イメージから入りたかったので、大事なのはまず、ヘアー・カットですよね。それから、動き、身なり、そして、宿題として多くの本を読んだり、潜水艦の学校へ行ったりもしました。実際に、潜水艦に乗っていた人たちにもいろんな話を聞きました。で、どういう風に士官というものは振る舞うものかも学びました。あのシーンは、濡れて非常に気分の悪い、あまり気持ちの良いシーンではなかったんですけれども、ボートを漕いでいる時に、まだ無名の若い俳優さんたちとボートに乗っていて、「なんで俺、こんなことやらなくちゃならないの? もう俺はすでに有名で、お金持ちなんだよ」などとジョークを飛ばしていたくらいなんですけれども。でも凄く楽しい撮影でもありました。 ◆質問: ジョン・ボン・ジョヴィさんに質問ですが、すでにロックスターとして有名なボン・ジョヴィさんが、演技と音楽とを両立する秘訣をお教え願えますか。 ■(ボン・ジョヴィ): どんどん難しくなってきてはいるんですね。ですから、これからは、ツアーをあまり長く出来なくなるかなと思っているんです。もっと映画には出たいと思っております。ですから、レコードを出して、プロモーションするためのツアーはしますけれども、少し短くして、そして、時間を作ってもっと映画をやっていきたいと思っております。 ◆質問: 潜水艦が3つあるらしいのですが、撮影後は、その後どうなってしまったのでしょうか。因みに、買うとなったらいくらぐらいで譲っていただけるのでしょうか。それと、この映画は、『Uボート』がベースになっていると思うのですが、この間、ディレクターズカット版も公開になりましたし、実際に、このセット・デザイナーも『Uボート』の方を起用されていますが、監督としては、この映画をかなり意識して作られたんでしょうか。あの、この映画の構想が1992年ぐらいだったということですが、1995年に公開された『クリムゾンタイド』を見た時の感想をお聞かせ願えますか。 ■(ジョナサン・モストウ監督): とにかく、この潜水艦をどこかに売りつけてしまうと、ロジャー・コーマンのような低予算で、来年あたりTVで出るのは見たくないので、できるだけどこにあるかというのは隠しておくということで、言えません。この『Uボート』という映画は、かなりドキュメンタリー色が強い、第二次世界大戦を描いた映画だと思うので、だいぶ、今回の映画とは違うと思うんです。この『U-571』というのは、基本的にはハリウッドの娯楽映画だと思います。非常に愛を込めて作った映画でありますし、昔あった、『眼下の敵』、『深く静かに潜行せよ』とかの映画の流れにのっとった娯楽作品だと思うんです。もちろん、かなり現実的に、忠実にも描いてはいますが、でも、逃避性が強い、観客が行って楽しんで見られる娯楽色の濃い作品だと思います。これ、私が脚本を書いたのは8年前なんですが、監督としてもフィルムメーカーとしても、非常に苦労している時期で、多分、この作品はお金がかかりますし、水をつかっていますので、当時、水の映画というのは、非常にお金がかかるという常識がありましたし……。ですから、この脚本は引き出しにしまっておいて、いつの日かかならず作りたいと願っていたのです。その後、『クリムゾンタイド』が公開された時には、非常に私は嬉しく思いました。ハリウッドの娯楽映画としても非常に面白いし、そして、今までの潜水艦映画では赤字になったことがないという伝統があるんですね。そして、非常に幸いにも、今回の私たちの『U-571』も伝統にのっとっています。私にも、やっとチャンスが巡ってきたということです。ちょっと付け加えておきたいのは、『Uボート』の中にも『クリムゾンタイド』の中にも、他のどの潜水艦映画の中にも、こんなハンサムな俳優は出ていなかったと思います。これが大事です。 ここでジョン・ボン・ジョヴィは、監督にチップを渡した。会場、笑いで包まれる。 ●司会者: ここで、先ほど決定したとのことですが、実は、今回のアルバムにも収録されている『SAVE THE WORLD』が、日本のみでこの『U-571』のイメージ・ソングに決定されたということです。ジョン・ボン・ジョヴィさんは、今までに映画のイメージ・ソングというのはないですよね。 ■(ボン・ジョヴィ): 本当に、この歌の歌詞というのが、この映画の中の青年たちが少年として家を出て、普通の少年が世界を救うような重要な任務を請け負って、本物の男として家に帰ったということを説明していると思いますんで、そういうことが伝わればいいと思いますし、また、映画のプロモーションになればと思います。
(通訳者の表現をもとに採録。細部の言い回しなどには若干の修正あり)
『U-571』は9月9日より日比谷映画ほかにて公開。 |