『イルマーレ』 キアヌ・リーブス&サンドラ・ブロック来日記者会見
●2006年9月5日グランドハイアット東京にて
●出席者:キアヌ・リーブス、サンドラ・ブロック
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【挨拶】

■サンドラ・ブロック:この素敵な日本に、また来ることができて大変嬉しく思っています。しかも、今回はキアヌと一緒に来ることができました。持って来た映画は『イルマーレ』です。とても気に入っている素晴らしい映画です。本当に嬉しく思っています。ありがとうございました。


■キアヌ・リーブス:今日は、みなさんおいでくださいましてありがとうございます。また日本に来ることができて大変嬉しく思っています。今回はサンドラと一緒です。映画は『イルマーレ』。フラッシュで目がチカチカして見えないのですが、素晴らしい映画をご紹介できて大変嬉しく思っています。


【質疑応答】

◆質問:もしも映画のように、時空を超えた顔も見えない相手に恋をしてしまったらどうされますか? 障害を乗り越えてでも愛を掴もうとされますか?

■(サンドラ・ブロック):たとえ障害があっても行くと思います。自分を動かすだけの大きな力があったら、抵抗せずに任せると思います。そして、愛する人を求めると思います。

■(キアヌ・リーブス):僕も絶対彼女を追います。

◆質問:12年ぶりの再共演ということで、私もファンとしてすごく嬉しかったのですが、今回、共演をされて、ここが変わったなと思われるところがあったら教えてください。また、ご自身でも、12年間でここが変わったなと思われるところがあったら教えてください。

■(キアヌ・リーブス):12年というのは非常に長い歳月で、いわゆる川の下を水が流れると申しますけれども、たくさんの川が流れるわけです。私たちが変わるというよりも、ライフスタイルが変わる、周囲が変わるという感じです。『スピード』を作った頃と住んでいる環境が変わったと思います。

■(サンドラ・ブロック):でも、キアヌ、あなたは相変わらずハンサムよ。もちろん、私も12年間でいろいろ変わりました。より良い方に変わったと思いたいのですが、そう思わない人もいるでしょう。12年前、初めてキアヌと会った時に素晴らしいと思った部分が、今はもっと膨らんだ形で彼の中にあります。そこが素晴らしいと思います。

●司会者:逆にキアヌさんが、サンドラさんの「ここが変わらないな、ずっと持っているな」と感じた部分はありますか。

■(キアヌ・リーブス):サンドラは、前からとても美しくて、ユーモアがあって、頭のいい人でした。でも、今はそれが倍化されて、ますますそういう女性になっています。彼女はこの12年間で、仕事の面でも幅が出て深みも増しています。素晴らしい女優になっています。そして、『スピード』の時代と比べると、本当に成長したなという気がします。今や彼女はプロデューサーですし、非常にクリエイティブな仕事をしています。彼女は、持ち前のエネルギーと創造性を、仕事の面ですべて良い方へ築き上げています。それは本当に素晴らしいことだし、クールだと思います。

●司会者:サンドラさんは、12年ぶりのキアヌさんとの共演で、昔が甦ったような時間を過ごされたのでしょうか。

■(サンドラ・ブロック):甦ったと言ってもあの時はあの時で、それぞれ成長はあると思います。今も昔も、キアヌは本当に良い人で……私たちはケンカばかりしています。白と言えば黒と言うし……。

■(キアヌ・リーブス):どういう意味?(サンドラの発言に反応して、ここでケンカについての冗談交じりのやりとりが交わされる)。

◆質問:この映画では手紙が大切な「鍵」になっていますが、今までもらった手紙の中で、一番印象に残っているのはどなたからもらったどんな手紙でしょうか。

■(キアヌ・リーブス):1996年に『マトリックス』を撮った時に友達からもらった手紙です。オーストラリアにロケに行った時、友達から「元気でね、僕は君のことをいつも考えているよ」というような内容の手紙をもらいました。とても心を打つ手紙でした。そして8カ月間、オーストラリアでロケをしたわけです。あの映画はとても素晴らしい映画でしたが、僕はオーストラリアでは本当に孤独でした。ワイヤーに吊るされて、カンフーをして……1人だったんです。その時に、その手紙は非常に支えになりました。手紙の素晴らしいところは、持って行けるところです。その人の筆跡があり、香りがして、声が聞こえてきます。そういうことを甦らせてくれるのが手紙で、バッテリーを持たなくても手紙は書けるんですね。そして自分の一部になる。手紙というのは本当に素晴らしいものだと思います。

■(サンドラ・ブロック):この映画をやったことで、こういうことをよく考えて話をするんですが、手紙は芸術です。この芸術を、人間は絶対失うべきではないと思います。確かに、手紙を書くには時間がいります。でも、そこに心が表れています。ですから、私は手紙は全部とっています。子供の時からの手紙を全部持っています。お婆ちゃんからの手紙、初恋の彼からの手紙……そういうものを全部読み返すと、忘れていた感情が全部甦るんです。とても感銘を受けます。たとえ時間がかかっても私は手紙が好きですし、いただいたものは全部取っておきます。手紙でなくとも、メモ一枚でも構いません。カードも絶対捨てられないものです。一番、思い出に残っているのは、5、6年前の私の誕生日に、私のよく知っている友人が、私のアーティストの友人や昔のボーイフレンドを、私の誕生日にみなで何かを書いて送ってあげようと誘ってくれて、みんなが書いたカードをアルバムにして送ってくれたのです。それは本当に何よりも嬉しいプレゼントで、私の宝物となっています。

◆質問:お2人に質問します。以前、アクションで共演されているお2人ですが、今回は恋愛ものということで、恋愛ものとアクションの演じ方の違いと、2つの魅力を教えてください。

■(キアヌ・リーブス):僕の役作りのメソッド、プロセスは、役柄、キャラクター、シナリオによって変わります。しかし、リハーサルとか、セットでカメラの前に立った時には、アクションという声がかかるとキャラクター自身が生命を持って、1人で歩み出す。ジャンルというものは関係なくなってくるんです。準備の段階では、ジャンルによってそれなりのアプローチは変わりますが、本当に演技する時には、そういう区別はなくなるわけです。ですから、アクションであれ、ロマンスものであれ、実際にカメラの前で演技する時には、ストーリー、シーン、ショットで、この人はどういうことをしているかということが変わるだけで、ジャンルは関係なくなってしまうわけです。演技がうまくいった日ほど良い日はありません。本当に幸せを感じます。これが映画作りの醍醐味です。とてもクリエイティブなことをしたという実感があります。

■(サンドラ・ブロック):同感です。

◆質問:2つ質問です。1つ目は、これは韓国映画だったわけですが、この映画に出演を決めた理由は、単にストーリーが気に入ったからでしょうか。それとも、この映画をやることによって、アジア、日本に近づけるから選んだのでしょうか。2つ目は、将来、アジアの監督、アジアのシナリオでお仕事をする気があるでしょうか。

■(サンドラ・ブロック):まず、キアヌは韓国のオリジナルは観ていません。私は、このシナリオでやると決めてから、オリジナルの韓国版を観ました。とても素晴らしい映画だと思いました。でも、私たちは、私たちのバージョンを作るという気持ちで取り組んだわけです。もちろん、アジアの監督、シナリオで仕事をすることは大歓迎で、いろいろな国の素晴らしい才能を持った人たちと仕事をしたいと思っています。今の時代が素晴らしいのは、すべてが国際化されていて、国境がほとんどないということです。さまざまな文化が絡み合っている時代です。ですから、いろいろな方と、いろいろな監督さん、俳優さんと仕事をしたいと思っています。もし、サンドラ・ブロックを使いたいというアジアの方がいらしたら、声をかけてください。もちろん、喜んで仕事をしたいと思います。

■(キアヌ・リーブス):僕がオリジナル版を観なかったのは、この映画は監督が書いたもので、韓国版を観てしまうと邪魔になるなという判断をして、わざと観なかったんです。これから観ようと思います。もちろん、アジアの監督との仕事は、サンドラも言ったように僕も歓迎します。こういう国際化の時代ですから、当然そういうことはあり得るだろうし、僕は、違う言語の映画を作ることにとても興味を持っています。もしもそういう機会があれば、喜んで出演させていただきたいと思います。

◆質問:映画の中のシーンで、地図に印を付けて時空を超えたゲームをするロマンチックなシーンがあったかと思うのですが、お2人の思い出に残るデートや憧れるデートがあったら教えて欲しいのですが。

■(サンドラ・ブロック):私は気まぐれなのでいろいろなことが起こります。悪い思い出のデートなのですが、とにかくデートをして、その相手が非常に嫌な男だったんです。デートの途中でレストランから飛び出して、本当にタクシーに飛び乗るような感じで……。でも、なんと1年後に、彼と再会してしまったんです。それから1年間、デートをしたりして付き合ったという思い出があります。カルマが私に戻ってきて、運命が彼を近づけたんですね。

■(キアヌ・リーブス):(サンドラの話をうけて、)僕もです。相手がデートの途中でレストランから飛び出して、タクシーに飛び乗ってしまって……(笑)。

◆質問:お2人は、12年前にベストキス賞、ベストカップル賞を受賞していらっしゃいますが、今回の『イルマーレ』のキスシーンで、お2人が一番気を付けたこと、注意をしたことを教えてください。

■(サンドラ・ブロック):息がきれいなこと。今回、2度目のベストキス賞をもらうの(笑)。

■(キアヌ・リーブス):この映画で2つのキスシーンがあるわけですが、両方とも非常に特別なラブシーンだったと思います。最初のキスシーンは、この2人は赤の他人で、相手が誰だかわからないという不思議なシチュエーションの中で会うのです。一目惚れとも少し違う、お互いに相手に憧れるものを秘めつつ、キスに至る場面が展開されます。それが観客には、「キスして当然だ」と納得し、信じてもらうことができるキスシーンとして、美しく撮られています。そして、お互いが心を探り合うような目つきで、最後は2人が結ばれるというシーンがとても美しく撮れています。私たち2人が演技をしていて、何が起こるかわからないという感じであの場面を撮ったんです。結局、それがあのような、美しくてとても印象的なラブシーンになりました。2つ目のキスシーンは、クライマックスでとても感動的な場面です。あれは映画的にも感動的ですが、私たちにとっても、大切な意味のある、意義のあるキスシーンでした。そして、 ─ もう一度観てみてください。あの場面でリードしているのはサンドラです。僕は自然なラブシーンにしようかなと思っていたのですが、サンドラが、僕をグイと引き寄せて熱烈なキスをして、あのような熱烈な場面になりました。完全にサンドラがリードしていたわけです。

■(サンドラ・ブロック):まるで私が男を操るような女みたいじゃない(笑)?

■(キアヌ・リーブス):いやいや、君のおかげでいい場面になったんだから(笑)。

■(サンドラ・ブロック):とにかくああいう場面では言葉がいらなくなってくるんですよ。いろいろと言葉を並べるより、「早くキスして!」って唇を奪うみたいな、そういう感じをやってみて、キアヌもついてきたってことは、絶対にキアヌにも経験があるのよ。

●司会者:日本人の私たちは、日常のキスのルールはあまりわからないので、とても大人なキスの仕方を学ばせていただきました。

■(サンドラ・ブロック):キスは素晴らしいので、どんどん習慣にしてみてください。

●司会者:きっと『イルマーレ』の公開後はキスだらけになるんじゃないかしら。

■(サンドラ・ブロック):日本人のお辞儀は素晴らしいから、西洋人はもっとお辞儀を学ぶべき。日本人はキスを学ぶべき。今日、会見が終わったら、みなさんキスをしましょう。

■(キアヌ・リーブス):お辞儀して、抱き寄せて、キス!



(通訳者の表現をもとに採録。細部の言い回しなどには若干の修正あり)


『イルマーレ』は2006年9月23日より丸の内プラゼールほか全国松竹・東急系にて公開。