『スチュアート・リトル』来日記者会見
 6月19日(月)帝国ホテルにて

●出席者:ジーナ・デイビス、ジョナサン・リップニッキー
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【挨拶】

■ジーナ・デイビス: 私、日本に来るのは多分4回目だと思います。いつも日本に来るのは大変ハッピーな経験として楽しんでおります。友人たち、ファンの方々にお目にかかること、そしてまた、素晴らしい日本食を食べることも楽しみにしております。皆さまとお目にかかることも大変嬉しいです。今回は、この『スチュアート・リトル』の話をして皆さまと交流を深めたいと思います。ありがとうございました。

■ジョナサン・リップニッキー: ジョナサンです。今回は、この小っちゃな弟のスチュアートのお話をしに来ました。

【質疑応答】

◆質問: この映画は、大人の観客にはどのようなところが楽しめるんでしょうか。

■ジーナ・デイビス: 大変嬉しい現象でしたけれども、アメリカでは、大人がこの映画を大変エンジョイしました。子供のいない大人でさえ、この映画を見に来た現象が起こりました。何が大人にうけたかと言いますと、ユーモアがとても大人にも楽しめるということ。それから、このスチュアート・リトルというキャラクターが、とても大人に(とって)楽しめるということ。みんな恋をしてしまうというところが要因だったと思います。

●司会者: アメリカでは大ヒットで、パート2の製作も決まっているという話です。

◆質問: ジーナさんにお願いします。今回、スチュアートの声をマイケル・J・フォックスさんが演じられていて、かつて、ジーナさん、『ファミリー・タイズ』で共演されていると思うのですが、再共演はいかがだったでしょう。

■ジーナ・デイビス: マイケル・J・フォックスは、本当に素晴らしい方でしてね、でも私と彼の役柄の関係は非常に面白いんです。『ファミリー・タイズ』は、いわゆるハウス・キーパーなんですね。今度は、彼の母親です。そういうユニークな関係を結んでいるんです。

◆質問: 実際に会われたんですか?

■ジーナ・デイビス: 残念ながら、撮影現場では会えなかったです。動物のキャラクターとは直接は仕事はしないで、現場では、セリフを読む別の人がいて、そういう感じだったので。

◆質問: お2人になんですけれども、まず、動物の猫ちゃんは本物を使っているということで、大変だったということですが、それについて、役者として待たねばいけないとかそういうことがあったのかということをお聞きしたいのと、あとジョナサン君になんですが、今回の役柄と自分が似ている部分がありますか?


■ジーナ・デイビス: 確かに、この映画の中では、おっしゃるように猫は本物を使いました。ご承知のように、猫は何もしない動物でありまして、ゲームをあまり覚えませんよね。つまり、学習能力がないわけで、なにか騙してやらないと思うような演技をしない。たとえば、歩くところは、猫は動くものが好きですから、レーザー光線で動かしたりするわけです。それから、驚く表情は、空気をバンとぶつけるとそういう表情をするといったように、凄く大変なんです。とにかく待ち時間が長かったですし、この本当の猫は大変でした。

■ジョナサン・リップニッキー: もちろん、違うところは多少あるんですけれども、似てる所と言えば、自分が、僕は僕だし、演じているジョージも僕がやっているということなんです。でも、映画の中のキャラクターは、実際の僕とは似てないというか、違う人をやるわけだから、違うと言えば違うんじゃないかなぁ。それと、設定されている時が、やはり今と違うので、自分はこういうカジュアルな格好をしていますけれども、ジョージの方は、もう少しシリアスな感じだし、普通の僕が歩くような歩き方もしないし、もうちょっと違った歩き方もするので、そういう意味では似てないところも随分あります。

◆質問: ジョナサン君へ質問ですが、これから先もずっと俳優さんをやりますか?

■ジョナサン・リップニッキー: 死ぬまで続けたい。

◆質問: ジーナさんに質問ですが、『ロジャー・ラビット』のボブ・ホプキンスは、子供の動きなどを前もって観察して、自分の演技に生かしたといいますが、貴女は、今回、ネズミとの演技はどうだったでしょうか。

■ジーナ・デイビス: 幸い、私は女優として、映画の中でいろいろな不思議な経験をしてきました。たとえば、死んだ家庭の主婦になるとか、非常にいろいろな多彩な経験をしてまいりましたので、イマジネーションは大変自信があります。でも、今回のスチュアートの基本コンセプトは、非常にリアルであるというところから出発しているわけです。ですから、私の心の感情としましては、ネズミとさえ考えない。本当に自分の小さな息子であるという。そういうリアリスティックな演技をするとういうふうに努めました。

◆質問: ジョナサン君に質問します。撮影中、大変だったことと楽しかったことがあったら教えてください。

■ジョナサン・リップニッキー: まず、楽しかったことですけれども、やはり、その場に存在しないものに演技をするというのは、非常に挑戦しがいがあることで、自分としては、挑戦するというのは非常に好きなことなので、それを敢えて受けてたちました。

◆質問: お2人に伺いたいんですが、日本のファンのみなさんに、この『スチュアート・リトル』の見所、ここがオススメというところがあったら教えて下さい。


■ジョナサン・リップニッキー: これは、ファミリー・ストーリーという、家族で楽しめるいい作品になってます。それと、映画の中でスチュアートがボート・レースに出るんですけれども、そこでは多分、皆さんが「スチュアート頑張れ!」と言えるような本当に楽しい映画です。

■ジーナ・デイビス: もう1つ、この映画のテーマのメッセージは、人間というのは、外からのルックスではなくて、やはり内面が重要だということです。その事のために、内面が人に愛されるとか、ファミリーが出来るということを訴えている。それが大変いい所だと思います。

●司会者: といった所で、大人から子供まで楽しめる映画ということです。

◆質問: お2人に質問です。実際にスチュアートが出ている完成を見た後の感想と、本当に彼が生きていたらどういう感じかということをお聞きしたいんですが。

■ジョナサン・リップニッキー: 最初の感想は、ワオーです。あんなに本当に素晴らしく、驚くような感じでスチュアートが描かれているとは思わなかったので、驚きでした。目の前に、もしスチュアートがいたら、抱きしめてあげるかな。凄く可愛らしいから。

■ジーナ・デイビス: とにかく、いない彼をずーっと想像しながら撮影して、初めて出来上がったものを見た時には、全編、なんて可愛いんだろうと見ていました。なんてリアルにかかれているのかということにビックリいたしました。もし、あのスチュアートがあれほど可愛く描かれていなければ、このお母さんは馬鹿みたいに見える。そういうこともなく、リアルに描かれていることにビックリしました。実は、私は子供の頃、この原作本を読みまして、その頃から家にネズミがいたらいいなぁと思っていたんです。といいますのは、本では、いろいろ用事をしてくれるんです。指輪なんかを落としますと、下水管に潜っていって、指輪を見つけてくるとかですね、凄く便利なんです。そういう意味で欲しいなぁと思っておりまして、やはり、家に置いておくと便利なメンバーです。


◆質問: ジョナサン君にお聞きしたいんですけれども、いつの映画の時もメガネがとっても可愛いんですけれども、今のメガネと、映画の時のメガネと、『エージェント』の時のメガネは、微妙に違うんでしょうか。それと、それは本当に必要なんでしょうか。

■ジョナサン・リップニッキー: まず、このメガネは、多少視力が悪いものですから、遠くがあまり見えないので、実際のメガネです。そして、映画の場合は、映画によってメガネを変えたり、その時々でメガネを使い分けてます。そして、今日つけているメガネは、次回作の『リトル・ヴァンパイア』、スコットランドの方で撮影しているんですけれども、それで使っているメガネで、気に入っているので今回もこれを使っています。

◆質問: ジョナサン君に質問なんですけれども、実際にはご兄弟はいらっしゃるんですか? それで、もし兄弟を養子に迎え入れるとしたら、どんな兄弟がいいですか。スチュアートみたいな兄弟が来たら本当だったらどうしますか。

■ジョナサン・リップニッキー: お姉さんが1人います。もし、養子を迎え入れるとしたら、お兄ちゃんが欲しいかな。

◆質問: お2人に質問なんですけれども、お互いの感想などをお聞きしたいのと、あと、ペットなどの思い出があったらお聞かせください。

■ジョナサン・リップニッキー: ジーナさんは、仕事をしていてとっても楽しい人だったので、楽しかったです。とっても親切でした。

■ジーナ・デイビス: まず、そのことを彼にお返ししたい。本当に、ジョナサンは、いつも撮影現場で楽しんで仕事をしている。いつも良いムードだし、機嫌の悪くなることはないし、いつもすることはナチュラルでハッピーで。そういう意味で、スタッフたちのストレスを解消する役目をしてくれて、大変いい共演者でした。

■ジョナサン・リップニッキー: 監督の方から雄のネズミをもらって、スチュアートと名付けたんですけれども、最初に結婚させた相手との間に13匹産まれて、次にもまた13匹産まれてしまって、26匹になってしまって今手元には3匹残っています。

■ジーナ・デイビス: いろいろ飼ってました。犬とか、猫とか、実験用のハムスターとか。とにかく子供の時から、いつもペットが喋ってくれればいいなぁと思ってました。忍耐強く語りかければかならず喋ると思っていましたが、そういうことはあり得ないわけで。子供は、お人形でも喋ると思うわけで、こういうふうに可愛がるわけですから。ただ、そういうふうに思ったというのが記憶にあります。

◆質問: 2人にお伺いしますが、監督はどういう方でしたでしょうか。演出とか教えていただければと思います。

■ジョナサン・リップニッキー: 凄くいい監督でした。


■ジーナ・デイビス: とっても面白い監督で、遊びながら撮るという監督で、多分世界で1人だと思いますけれども、ヨーヨー中毒なんです。いつもヨーヨーをしていて、関節炎かなんかで痛い痛いと言いながらやっているんです。だから、それをしないようにプラスティックのギブスを作らせて、しないように自制しているというそういう人でした。ユニークでした。

◆質問: この映画に出る前にどういう準備をなさったのですか。

■ジョナサン・リップニッキー: まず、お話をしっかり頭に入れて、それから役柄のセリフを頭に入れる。そして、セットに行ったら、自分の力を出し切って演じるということです。

■ジーナ・デイビス: すべては、ストーリーを理解するというのが基本です。その後のアプローチはいつも決まっております。自分が演じる役を誰もが信じられる、リアル(なもの)にしていく、それを基本にしています。映画は、ご存じのように、あっちに行ったりこっちに行ったりしますから、このシーンはどこにかかっていくかというのをちゃんと頭に入れて、後で繋げた時にちゃんと筋が通るような演技をいつもすることを心がけています。ですから、こういう場合、ファンタジーとしてではなく、本当にリアルな事なんだという演技をしないと活きてこない。演技っぽくしてしまうと嘘になってしまう。だから、あくまでも自分の心理としては、これは本当なんだと、あくまでもリアリティで演じていくことが重要なんです。
(通訳者の表現をもとに採録。細部の言い回しなどには若干の修正あり)


『スチュアート・リトル』は7月15日(土)より日比谷映画ほか全国東宝洋画系にて公開。