『オーシャンズ13』来日記者会見
●2007年7月31日グランドハイアット東京にて
●出席者:ジョージ・クルーニー、ジェリー・ワイントローブ
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【挨拶】

■ジェリー・ワイントローブ:みなさん、こんにちは。おはようございます。今日はお集りいただきまして本当にありがとうございます。映画を楽しんでいただけることを心から願っております。ジョージと私で、今日はいろいろな質問に答えていきたいと思っております。


■ジョージ・クルーニー:僕はブラッド・ピットです(笑)。実際に会うと少し老けてます。ブラッドは今子供と一緒なので今回来られませんでした。マットはまだ仕事中です。ですから私が代わりに代表で来ました。日本に来るのは本当にとても名誉なことで、そしてとても幸せです。質問には答えません(笑)。



【質疑応答】

◆質問:このオーシャンズ13のシーン、セリフの中で、一番印象に残っているもの、あるいは日本の観客に一番楽しんでもらいたいところというのはどこなのか、この2つにお答えいただけますか。


■(ジョージ・クルーニー):はい(日本語で)。一番楽しめるシーンというのは、やはり、マット・デイモンが女性を口説くシーンだと思うんです。それと、ブラッドと僕の、まるで『ブロークバック・マウンテン』ばりのあのラブシーンがいいと思います(笑)。でも、そのシーンは残念ながらカットになりました(笑)。

■(ジェリー・ワイントローブ):私が出ているシーンが一番気に入っております。

■(ジョージ・クルーニー):ジェリーがこの映画のスターです(笑)。日本のみなさまには、曙ですとか、相撲のシーンに注目していただきたいです。曙さんは実際に現場に来ました。一緒に食事もしました。彼はかなり、もう山のように食べる方ですね。

■(ジェリー・ワイントローブ):是非みなさんにはこのストーリー全体に注意を払っていただきたいと思います。そしてまた、今回、アル・パチーノが出演しております。とても新しくエキサイティングな要素がたくさん加わりまして、アル・パチーノの演技も非常に素晴らしいので、その部分というのが、みなさんに是非注目していただきたい部分です。今回のストーリーには、本当に笑っていただける部分がたくさんあって、コメディーの要素がたくさんあると思いますので、是非そういうところに注目していただきたいと思います。



◆質問:最初のオペラさんの登場に関しましては、どうしてこの映画にこのような形で関わるようになったのですか。


■(ジェリー・ワイントローブ):みなさん、実際にこのショーをご覧になったことがあるか、私はちょっとわからないのですが、このオペラのショーというのは、アメリカでは大変に人気のあるトークショーで、彼女はそのトークショーのホステスなのですが、このスクリプトの中にこれを書き込んだわけなんですけれども、みなさんに是非映画の中でこれを観ていただきたいのですが、アンディ・ガルシアが最終的にはこのショーの中に登場するというオチになっておりまして、書いた時に、実際に彼女に出ていただけるかどうかというのはまったくわからなかったんですね。ただ、これは非常に重要な役だということで、直接聞きました時に、出ていただけるというお返事をすぐにいただけまして、実際に、シカゴにアンディ・ガルシアと訪れましてこの撮影を行いました。

◆質問:ジョージ・クルーニーさんに質問なのですが、『A Journey to Darfur』という非常にシリアスな映画を撮影された直後に、今度は『オーシャンズ13』の撮影を行われたわけですが、いかがでしたでしょうか。

■(ジョージ・クルーニー):実は、ある意味ほっとしました。というのは、こういうちょっと軽めのものに移行できたということで……。実は、ダルフールから帰ってきたのが5月で、今回の撮影開始は9月でしたから、少し時間があったんです。その間には、国連でのスピーチをしましたり、そのようなことがあって、少し時間を費やしまして、ブラッドもマットもドンもあの地域に行っていたので、そういう意味で、3人でいろいろとそういう話題にも触れました。確かに、12歳の少年と一緒にすごく深刻な状況の中での撮影よりも、今回の『オーシャンズ13』の撮影のほうがずっと楽です。ずっと楽しいです。


◆質問:日本では、頼れる存在のことを「兄貴」と呼んで、ヤクザの親分とか野球の4番バッターとかをそういうふうに称するわけなんですけれども、ダニー・オーシャンを3回連続して演じられまして、いわゆるフランク・シナトラ的なナット・パック的な親分な感じを演じる秘けつ、しかもブラッド・ピットとかマット・デイモンを向こうにまわして「兄貴」に見える秘けつというのは何でしょうか。あと、ムービー・アイコンであるアル・パチーノ、これがトニー・モンタナであり、マイケル・コルレオーネであるわけなんですけれども、ジョルジオ・アルマーニのタックスを着て、面と向かった時の心境というのはどうだったでしょうか。

■(ジョージ・クルーニー):まずですね、アル・パチーノは私から演技については随分学んだと思います(笑)。かなり教えました(笑)。まあ、確かに彼は偉大な俳優ですから、そういった意味ではもちろん脅威を感じるわけですけれども、本当に仕事がしやすかったです。まあ、実は、この「兄貴」という存在、ブラッド・ピットやマット・デイモンの兄貴分という役割なんですけれども、彼らのとても恥ずかしい写真を持っているので、それで言うことを聞かせることができるんです(笑)。みなさんには見せられない写真です。農場の動物が関係しているのですが……。

●司会者:ジョージさん、豚を飼われていましたよね。

■(ジョージ・クルーニー):はい、確かに飼っていました(笑)。今年亡くなりましたけれど。プロシュートという名前でした。

◆質問:『オーシャンズ13』では、「復讐」というものがテーマになっていたと思うんですね。もし、みなさんオーシャンのメンバーで何か復讐をするとしたら、どういう復讐をなさいますか。

■(ジョージ・クルーニー):復讐は好きですよ(笑)。ミュージカルをやりたい……というのは嘘です(笑)。


■(ジェリー・ワイントローブ):先程言い忘れてしまったので、この場をお借りして私のほうから一言、言わせていただきたいのですが、日本のワーナー・ブラザースの社長様、あるいは会長様のビル・アイアトン様に対して、本当に今回、ジョージと私を歓迎してくださいましたことを感謝しております。その他のワーナーの方々も大変良くしてくださいました。そしてまた、映画のプロモーションに関しましても、本当にプロの仕事をしてくださいました。あと、私はもとから音楽業界の仕事をしておりまして、40年間やっておりますけれども、そのお友達のウドー様にもこの場をお借りして挨拶をさせていただきたいと思いました。

◆質問:こんにちは。日本で一番面白いと言われているコメディアンです。ジョージさんはダンディの非常に世界的な代名詞の方ですが、我々もジョージさんのような素敵なダンディさが欲しいということでこの(トラ柄の)セーターを着ているんですが、このセーターはいかがですか。

■(ジョージ・クルーニー):とっても素敵ですよ(笑)。後ろを見せていただけますか……後ろは工夫が必要だと思います。

◆質問:ありがとうございます。勉強になります。では、『オーシャンズ14』に出演ということでよろしいでしょうかね。

■(ジョージ・クルーニー):出演していいですよ。ありませんけど(笑)。


◆質問:シリーズ3作目ということで、ダニエル・オーシャンでいる時間もとても長くなっていると思うんですが、プライベートで街を歩いている時とかに、ふとダニエル・オーシャンの気持ちになって豪邸を眺めてしまうこととかはありませんでしたか。


■(ジョージ・クルーニー):ダニー・オーシャンと私は身長がほぼ同じなので、とても親密感を感じます。あなたはどうしてトラ柄のセーターを着ていないんですか(笑)。ダニー・オーシャンは泥棒ですから、私はそんな気分にはなりません。演じるのは楽しいキャラクターで、この役のために、25年間、酒を飲み、ギャンブルに勤しんで準備をしてきました(笑)。

◆質問:日本の男性がめざしてほしいチョイ悪オヤジのクルーニーさんに質問です。役の上のダニー・オーシャンからみたいい女の条件、また、役をはずれたクルーニーさんからみたいい女の条件を教えてください。

■(ジョージ・クルーニー):トラ柄のセーターを着た女性です(笑)。すみません、ちょっとハッキリとしたイメージは浮かばないのですが……ダニーにはもうジュリア・ロバーツが演じている妻がいますから、彼は安泰だと思います。僕のほうはまだ、今頑張っているところです。

◆質問:お2人に質問です。『オーシャンズ』シリーズは大好きで観ておりまして、ラスベガスにも何回も行っております。ラス・ランブラスのプロジェクトが3年前に立ち上がって、それが半年前になくなったのも知っております。それで私は、ラス・ランブラスのジョージ・クルーニーさんが作るホテル、コンドミニアムで『オーシャンズ14』ができるものと思っていました。そしてそれがなくなったんですけれども、それをなさる可能性はありますか。あと、ワイントローブさんに関してなのですが、デザート・インとかいろいろなもの、昔の良さがなくなっていき、それと同時に新しいものができます。だから、そういう意味も込めて、オマージュじゃないですけれど、この映画のようなものが作られたんでしょうか。


■(ジェリー・ワイントローブ):そうですね、なくなったと言いましても、その中にまだラスベガスで消えていないものというものも今ありますし、今回の映画の背景になっているのがまさにラスベガスなんですけれども、ラスベガスというところは、何か、自分たちの友達が傷付いたらそれに対して絶対に復讐をしなければならないというような街だと思います。そして、みなさんも既に映画をご覧になっているのでしょうか、その中に出てくるホテルも実は私たちが建てたものなのですが、本当に素晴らしいもので、是非行っていただきたいとは思いますが、これはまだ実在するものではありません。でも、だからといってこのホテルが、将来も絶対に実現しないということではありませんよ。

■(ジョージ・クルーニー):もう1つの質問に対してなのですが、『オーシャンズ14』はないと思います。

■(ジェリー・ワイントローブ):わかりませんよ(笑)。彼は知っているかもしれませんが、私はわかりません。

■(ジョージ・クルーニー):ラス・ランブラスに関しては、建築費が高すぎるということで諦めてしまいました。オーシャンズホテルということで建てることはあるかもしれません。マカオなのか、日本かもしれません。


◆質問:まずクルーニーさんにお伺いしたいのですが、今回、変身のシーンがみなさんそれぞれに工夫を凝らしていて、とても楽しそうに演じていらっしゃるのですが、ああいうものはそれぞれ役者のみなさんがアイディアを出し合っているんでしょうか。また、クルーニーさんは、もし変身とか変装をしたければ、特に好きなものはありますか。また、今、どうしても『オーシャンズ14』はないとおっしゃっているのですが、アメリカでのプレミアの時に、確か、渡辺謙さんという名前も出ていたような気がしたのですが、本当にないのでしょうか。

■(ジョージ・クルーニー):まず、渡辺謙さんとでしたら本当にどの映画でもどの作品でも共演したいという気持ちはあります。ただ、『オーシャンズ14』はできないのではないかと自分では思っています。それから、今回の変装なんですけれども、フレディー・マーキュリーを意識しましたら、かなり似てしまいました。ちょっと怖いくらいです。

◆質問:トラのパンツをはいているのですが、ここでお見せできないのが残念です。今回、オーシャンズ・クラブというのがあったと聞いていまして、そこはさぞ楽しかったと思うのですが、面白いエピソードを聞かせていただければと思います。

■(ジェリー・ワイントローブ):食事をしたり、ポーカーをしたりして楽しんだりですとか、みなさんがここで時間を過ごしていただくために建てたのがこのオーシャンズ・クラブです。今お見せした終身会員のカードがありまして、もし自分の財布にこれを持っていないと、お会計の時に自分が払わなければならないというカードです。

■(ジョージ・クルーニー):私も終身会員ではあります。2、3回は訪れました。でも、カードを持っていてもいなくても、ジェリーが払うことになってます(笑)。

●司会者:私たちが行っても入れますか。

■(ジョージ・クルーニー):トラ柄の下着をはいてきてくだされば入れますよ(笑)。


◆質問:クルーニーさんに質問します。今回は友情もテーマになっていますが、クルーニーさんが実際に友情のために身体を張ったという出来事がありましたら教えてください。

■(ジョージ・クルーニー):実生活で、ですよね。復讐に出たことはあります。あるんですけれども、それを言ってしまうと逮捕されてしまうので言えません(笑)。友達のために身体を張るという信念を私は持っています。

■(ジェリー・ワイントローブ):ジョージが友達をとても大切にするのは彼の性格のひとつの特徴だと思います。私の場合もやはりそうです。私は友達を本当に大切にしておりますし、自分の親友のためには身体を張るということもあります。友達のことはいつも心にかけております。

◆質問:ジョージ・クルーニーさんに質問です。ソダーバーグ監督と組んで作る映画は、昔の題材ですとか、昔のリメイクとか昔の時代を描いた作品が多いと思うのですが、そういうものをあえてこの時代に作る楽しさとか、魅力とはどのようなものですか。

■(ジョージ・クルーニー):昔の映画のファンなんです。ある時代の映画。今ちょうど監督し終えた映画というのも1925年の設定ですから、だんだん時代を遡っている感じもします。やはりこの『オーシャンズ』シリーズも、今回、我々のほうがオリジナルよりもいいものができるのではないかという自信がありましたので、今回もリメイクを行いましたし、全体的に、スティーブンと私はパートナーを組んだ時にも同じ映画のファンであったり、同じ意見を持っていたりするのでパートナーになりました。

◆質問:『オーシャンズ』は、キャスティングがみなさんたくさん好きな人が出ているので毎シーズン観ているのですが、監督は、それぞれのキャストを選ぶ時に、それぞれの出演者の性格なども考慮してキャラクターを考えているのか教えてください。

■(ジョージ・クルーニー):今回はブラッド・ピットとマット・デイモンは首にしたかったのですが、戻ってきてしまいました(笑)。大体どの映画でもそうなんですが、監督がこの作品のキャスティングも決めています。もちろん、一番相応しい人をそのキャラクターに選んでいるのですが、今回の『オーシャンズ』では、そういう人たちがキャスティングできなかったので僕たちになってしまいました(笑)。


◆質問:社会派のドラマから恋愛もの、そしてコメディーと、本当に幅広いジャンルでいろいろな役を演じてこられたジョージ・クルーニーさんが、この『オーシャンズ』シリーズで3回続けてダニー・オーシャンの役を演じられたというのは、オーシャンの役も映画もすごく気に入っていらっしゃると思うんですね。ジョージ・クルーニーさんからみたダニー・オーシャンの最大の魅力と、『オーシャンズ』シリーズに出てみて一番よかったことを教えてください。

■(ジョージ・クルーニー):まず、金持ちになりました(笑)。というのはジョークですが、この映画では、本当に友人たち、このプロジェクトで気のおける仲間が集まったというところが一番好きです。ダニー・オーシャンも演じていて本当に楽しい役ですし、この時代にこれだけ多くのビッグ・スターが集まるというのも珍しいのですが、それと同時に、1人が主役ではなくてみんなでスポットライトを譲り合うというのも珍しいと思います。みんなが共有する、シェアするということで、非常に肩の力が抜けたリラックスしたカジュアルなグループなんです。ダニー・オーシャンの魅力については、僕にとっては彼がボスだからいいんですね。やはり、ボスというのは一番楽しいと思います。マットのようにああいう付け鼻をつけなくてもよかったですし(笑)。(司会がジョージの付けヒゲもフレディー・マーキュリーに見えてよかったというのに応じて、)ありがとうございます。ひとつお送りしましょう(笑)。

■(ジェリー・ワイントローブ):もちろん、今回はオリエンタルな日本調の要素というのもたくさん組み込まれておりますし、まず、このホテル自体も日本風のデザインにしております。ただ、今回のシリーズでやはり注目していただきたい部分というのは、友情ですね。ダニーもラスティもみんなそうなんですけれども、みんなで何かを一緒にやっていきたい、何かを達成したいという気持ちを、映画の中でみなさんに汲んでいただけると思います。

(通訳者の表現をもとに採録。細部の言い回しなどには若干の修正あり)


『オーシャンズ13』は2007年8月10日より丸の内ピカデリー1ほか全国にて公開。