ジム・ジャームッシュ監督来日記者会見
 1999年10月8日(金)帝国ホテルにて


 『ゴースト・ドッグ/THE WAY OF THE SAMURAI』のプロモーションのためジム・ジャームッシュ監督が来日記者会見を行った。ここでは、その会見で行われた質疑応答の模様をお伝えする。なお、発言に関する細かな言い回しなどは要約してあることをご了承いただきたい。

【ゲスト挨拶】

■ジム・ジャームッシュ監督: 記者関係の皆様、お集まりいただきありがとうございます。日本に来られたことが大変嬉しく、出来るだけ質問にお答えしたいと思います。この機会にシバタさん、ノグチさんを初めとするJVCの皆様にお礼を申し上げたいと思います。彼らのご協力のおかげで、私は自分の納得のいく形で映画作りをすることができました。これは私にとって大変重要なことです。

●司会者: ありがとうございました。それでは質疑応答に入りたいと思います。

【質疑応答】

◆質問: 音楽担当のRZAとの出会いについてと、一緒に仕事をしたご感想をお聞かせください。

■(ジャームッシュ監督):質問ありがとうございます。RZAの音楽に関してですが、私はいつも、映画を作る時には、頭の中に音楽があって、音楽を聞きながら映画のアイディアを考えたりしてまして、常に音楽からインスピレーションを得るような映画作りをしています。ビニール版のB面の方に、実はインストルメンタルの曲が入っていたんですけれども、そのインストルメンタルに感銘を覚えまして感動し、それで、RZAに映画音楽を作ってほしいという夢はあったんです。そしてその後、共通の友人を通してRZAに会うことが出来ました。

 初めて会った時から互いに気が合って、彼は、初めて会った時に、映画音楽を作ってくれると約束してくれました。それと、RZAとの仕事の印象なんですが、実にヒップホップ的な仕事を彼はしていまして、私の映画のショットやシーンを見ながら、それに会わせて音楽を作曲してくれました。つまり、映画に基づいて作曲してくれたんです。で、作曲したものを彼は渡してくれて、勝手に使っていいよって言うんです。つまり、どこの場面にこの音楽を使ってくれだとか全く指示がなく、自分で勝手にその音楽と遊んでくれという、自分がイイと思ったところに使ってくれという風に言ってくれました。あの6週間から8週間に渡って3種類のテープを貰ったんですが、私も自由にさせて貰って、勿論彼にも見せて、彼の反応を伺ったりしてみたんですけれど、いつも、材料として使っていいよって自由にオープンに私に提供してくれました。これは私にとって、珍しい音楽の使い方だったんですが、私は、音楽家として人間として、RZAを尊敬しております。


●司会者: ありがとうございました。


◆質問: 『ゴースト・ドッグ』で、ジャームシュ監督は、新たな境地に立たれた感じを受けるんですが、監督は現在46歳ですけれども、ご自身の年齢と、監督としてのキャリアについてどのようにお考えになっているかお教えください。

■(ジャームッシュ監督): 私は、自分の仕事ですとか、自分の作品を分析するのが苦手です。それで、自分が今どういう境地にあって、今どんな段階でどこへ行くのかという分析が非常に苦手なんです。それで私は、自分がどんなアイディアを持っていても、こと分析ということになると自分より他の人の方がはるかに良く分析ができると思います。ですから、今の自分が新たな境地に達したとかは、自分ではまったく思っておりません。

 それと、映画を作る時、1つ1つの作品から学び、願わくば、いつかは本当の映画作りとは何なのか、どうやったら映画を作れるのかといったことが、解るんじゃないのかと思うんですが。まぁ、自分にとっての本当の映画作りが完全に完成して解ったと思ったら、もうそういう人は、映画作りをやめた方がいいんじゃないのかって思うんです。映画を作るということは、映画を学んでいくというプロセスなので、またそれも1つの連続体として考えているので、段階とか、あるいは、自分にとって新しい時代とか、そんなことはまったく考えていません。それから、映画を完成して、観客の皆様がお金を払って映画を見てくれるという段階に入ったら、自分は映画は見ないです。自分は過去を振りかえるということは、まったくしないです。


●司会者: ありがとうございました。


◆質問: キャスティングに関してですが、ジム・ジャームッシュ監督は、キャスティングが素晴しいという評判ですが、今回の『ゴースト・ドッグ』は、どのようにキャスティングしたのでしょうか。それから、日本人の役者を使うということは考えませんでしたでしょうか。

■(ジャームッシュ監督): 私は、他の人たちとは逆の方向で配役を決めていくのです。つまり、概念があって、物語があって、本を書き、配役を決めるという手順ではなくて、最初にある役者を想定して、そして、その役者にあったキャラクターを設定して、物語を書き、細かなディテールを決めていきます。私は、フォレスト・ウィティカーという人物に関心を持ちまして、役者として彼がどういう特徴を持っていて、どういうところを私が気に入っているかを考えます。私が1番面白いと思ったのは、彼が抱えている矛盾と申しますか、非常に優しいところと、巨体で威圧的な風貌を持っているところです。そういった矛盾を持った登場人物として、どういったものが考えられるのか考えて、犯罪者、戦士、殺し屋そういったキャラクターを考え、そして、段々、サムライ文化、武士道に興味を持っている人と、そして、自分が住んでいる現在の世界と、自分の置かれている状況が全く関係なく、文脈外に、サムライ文化を自分の生活に取り入れようとしている登場人物を考えました。したがって、最初からサムライということがあったわけではなくて、後からサムライというのが出てきたので、日本人の配役はまったく考えませんでした。

 それから、先ほどお話しいただいた「葉隠」についてですが(「葉隠」についての質問は、ジム・ジャームッシュ監督の「私は「葉隠」の専門家ではない」というジョークを受けて、配給側から、記者に対し、「葉隠」に関する質問の明確性のお願いがあった。この部分は、割愛させていただいた)、私は、この文献の専門家ではないので、皆様方以下の知識しかないと思うのですけれど、この映画において「葉隠」は重要ですし、そして、読みましたし大変感銘を受けました。この本を書いて、その途中で「葉隠」を読みまして、内容に組み込んでいきました。よって、この「葉隠」は、映画の構造に密接に関係してくるので、「葉隠」の質問を全く受けないというわけではないので、どうぞ、お聞きください。それで、この配役に関しては、フォレスト・ウィテイカーのための登場人物、それと、イザーク・ド・バンコレのためのレーモンというキャラクターも作りたかったのです。



◆質問: 武士道とは時代錯誤でしょうか。それとも、我々現代人でも学ぶところがあると思いますか。

■(ジャームッシュ監督): この武士道という生き方ですが、その時代の考えですし、そして、別の時代の文化なんですけれど、ただこの映画では、この主人公はドンキホーテのような人物なんです。つまり、自分の住んでいる世界には、特に関係のある文化とか、自分の現実の世界の文化ではないかもしれないけれど、それを自分の生活に取り込んでいるわけです。1つの価値あるものと考えているわけです。大変主観的な見方なんですけれど、でも、我々も何か美しいもの、感動的なもの、価値のあるものに触れたり、読んだり、あるいは見たりすると、それを自分の生活に取り込んで行きたいと思うように、この「葉隠」、あるいは、「武士道」といったものは、武士のための、戦士のための、1つの案内書のようなものですが、それが、日常生活について書いているものというのは、大変面白いんです。刀の手入れの仕方、食事のこと、家の手入れのこと、そういうことも書いてあります。それから、もう1つ重要なのは、精神的なこと、哲学的なことも書いてあるんです。この辺は、西洋の戦、あるいは、戦争、軍事に関する本など読みましても、精神とか、哲学とか、そういうものは見られません。したがって、私は、哲学的なこと、精神的なものをとても重要と思いましたし、ゴースト・ドッグもそれに価値を見い出しました。ただ、彼が住んでいる世界では、直接関係のあるものではありません。ただ、自分の住んでいる世界とは関係がないとは言っても、知恵をいただき、一種の悟りみたいなものを得ることは可能だと思います。

 もう1つ付け加えたいんですけれども、このゴースト・ドッグにとっても私にとっても、とても重要なことなんですけれども、ゴースト・ドッグのどこが面白いかといいますと、過去のいろいろなものを使っているけれども、近代的なものも使っている。たとえば、彼は、電子的な最新装置を持っているけれども、伝書鳩を使っている。私は若い頃、よく学者と議論したんですが、芸術にはヒエラルキーがあって、それ以後の方がイイとか、古典がイイとかいうふうに言われているけれども、そうじゃないんじゃないかと。私が思うのは、バッハも美しいけれども、ラモーンズとかも非常に美しいと思う。古典、クラッシック対ポップスという分け方はあまり好きではない。イイものというのはいつまでもイイし、そして、新しいものもイイものだし、古いものも良ければ、ずっと心の中に残るわけだし、若くない今は、ジム・トンプソンとか、チャールズ・ウィルフォードなどの文学も十分に重要なものだし、そして、ダンテと同じように読んでいきたいと私は考えているんです。デューク・エリントンは、「自分がイイと気に入ったら、それがイイ音楽なんだ」と言ったそうです。私も、まったくその通りだと思います。物事を分類したり、これが重要とか、これがポップとかと分けるのは、私は好きではありません。勿論これは、あくまでも主観的なものですけれども、誰でも自分を動かして、感動させてくれるものは、自分の魂とかに取り込むことが重要なのではないでしょうか。


◆質問: 映画の中に、昔のアメリカのアニメの場面が出てきますけれども、今のお答えでも解るのですが、このアニメをどのように選ばれたのか。映画の内容に即してお答えいただけるとありがたいのですが。

■(ジャームッシュ監督): 私は大のアニメファンでして、たとえば、テックスエイヴリーなどが好きなんですけれども、私は、こういったカートゥーン・アニメを使いたかったんですけれども、私が使いたいと思っていたところの所有者がライセンスを出してくれなかったんです。それで、このアニメの方も、暴力的なシーンが一杯あるようなアニメなんですけれども、でも、彼らが、私の映画にもしも暴力的なシーンがあるようならば、マンガを使うことは許さないなどと言ってきまして、それで、ワーナー・ブラザースとかなどは、私が頼んでも許可を出してくれなかったんです。断わられたんです。

 そして実際に、映画が完成近いところで、私は200時間分のアニメを見ました。実に楽しい作業だったんですが、自分の物語にあったようなアニメを見つけてそれを入れていくと。実際に撮影をしながら、それをしていったんです。そして、その画面にあったアニメを探さなければなりませんでした。フレッシャー・ブラザースというのがありましたけれども、彼らはとっても親切で、使わせてくれまして、2つのクリップを使いまして、それから、シンプソンズの「イーチ・アンド・スクラッチ」なども使わせていただきましたし、撮影中の週1回の休みの日に、一所懸命、1日中アニメを見ていたんです。



◆質問(同者): 見たというのは、何でご覧になったのですか。

■(ジャームッシュ監督): 私の事務所の者が、いろいろなところから手に入れてテープを貰ってきて、家で見させていただきました。


◆質問(同者): 鳥が出てくるアニメーションが出てきましたけれども、それは、そういう内容だから使ったのでしょうか。

■(ジャームッシュ監督): スタッフが探しに行くときに、こういったアニメがあるだとか、タイトルだとかについて書いてあるものを見まして、そして、自分の映画に1番関係のあるようなものを集めてみました。そして、その中から使えるものを選んだんです。


◆質問(同者): テックスエイヴリーが好きなのは解りましたが、他に、どのようなアニメ作家が好きなのでしょうか。

■(ジャームッシュ監督): 好きな人がたくさんいて、難しいんですけれども、でも、クラシックなアメリカのチャップ・ジョーンズのようなアニメ監督とか、1番好きなアメリカのアニメ作家は、テックスエイヴリーと、それから、初期のマックス・プレイシャーです。


◆質問: 「葉隠」を私も買ってしまったんですけれども、映画の中のレイモンとか、パーリーンを演じた彼らも、「葉隠」を読んでから参加したのでしょうか。

■(ジャームッシュ監督): 彼らは読んでいないと思います。というのは、「葉隠」はゴースト・ドッグだけみたいなもので、私は、役者に演出をする時には、1人1人に異なる演出をするわけです。つまり、即興してもらったり、筋があってリハーサルをしたりだとか、その時には、役者1人1人と話し合ったり、リハーサルをしたりします。それから、たとえば、あるシーンでこういう場面で役者にこういう演技をして貰わなければいけないという時には、他の人たちはいないようにするんですね。つまり、影響を受けないように。だから、みんな一緒というふうにはしません。だから、イザーク・ド・バンコレの場合は、撮影が終わってから読んだのではないかと思います。


◆質問(同者): ということは、最後にゴースト・ドッグが、弾が入っていない銃を持っていて撃たれますけれども、あれは、サムライとして死んだと思うのですが、彼らは、その時、本当にビックリしちゃっているんですね。

■(ジャームッシュ監督): レイモンの場合は、「葉隠」も読んでないし、それから、物語の中では、彼は、サムライの何たるかを全く知らないと思うのですが、ただ、彼は直感的に、ゴースト・ドッグは、真面目だし、静かでおとなしい性格だし、それから異常に集中心の強い人なので、そういったサムライの様な本質が、ゴースト・ドッグにあるということは、直感的に分かっていると思うんです。そして実際に、先程も言いましたように、監督としては、自分が役者に話をする時には、別々に役作りをしていくわけです。つまりこれは、みんなで一緒になってグループ活動するわけではないし、お互いに他の登場人物が、一体何を考えて、何をするのかということを知る必要はないと思います。


◆質問: 私は、映画監督によく聞く話なんですけれども、セットで撮影をしていると必ず、1回や2回はキレると。そして、怒鳴ったり、叫んだり、暴れたり、つまり、物凄く頭にくることがあるというふうに聞いているんですけれども、ジャームッシュ監督は、非常に穏やかな、こんな穏やかな人はいないのではないかという印象を受けるんですけれども。そこで質問なんですが、セットでキレることはないんですか。

■(ジャームッシュ監督): 私は、「葉隠」の教えに従って、「小事は大事のごとく、大事は小事のごとく」というふうにしています。映画を作るというのは、天地をゆるがす大事なことではない。その時の私たちにとっては、大変なことのように思えるかもしれないけれども。それから逆に、映画の中の小さなディティールは、小事のように思えるかもしれないけれども、とても大事なことなんです。ですから、そういうことには注意を払います。出来るだけ落ちついて、集中してというふうにしています。

 ただ、今回の映画は組合が入ってまして、アメリカの組合で、ティースターズというとても大きな組合があるんですけれども、その組合の人が、ある日、トラックをセットの中に入れてきちゃって、ゴースト・ドッグが死にかけているときに、後ろの方で組合のトラックが通ったんです。その時は本当に頭に来て、組合の人とケンカになりそうになって、本当に殴り合いになりそうになったんです。その人はとても大きくて、筋骨隆々とした人で、たぶん、殴り合ったら殺されていたと思うのですが。これは悪い例で、その時は頭にきたののですが、なるべく頭にこないように、みんなが乗っている映画という船のナビゲーターになって、そして、できるだけ落ち着いて、自分は、航海をして行こうと考えております。でも、正直なところ、落ち着いてというのは、大変難しいと思います。



◆質問: 監督は、もともとニューヨーク大学の在学中に、ニューヨーク・パンクのライブをたくさん見て、それが映画作りに影響を受けているというふうに伺ったんですけれども、今回は、ヒップホップを映画に使ったということで、今、特に気に入っている音楽は何でしょうか。それと、今後、映画でどのような音楽を使おうと思っているのか伺いたいのですが。

■(ジャームッシュ監督): まず、私は直感人間というか、わりと直感で動くので、次の映画には、どんな音楽とか、そういう計画は立てていません。計画を立てるのは好きじゃないんです。

 私がどんな音楽が好きかということですが、私はどんな音楽も大好きで、いろいろなものを聞きます。ただ、1つ1つの音楽のジャンルの中でも、自分の好きなものと嫌いなものとがハッキリしていて、好きなものは非常に限られております。大体、主流のものはそんなに好きではありません。パンクロックに関しては、'70年代の後半は、主流から外れていたものだったんです。だから当時は、革新的で非常に面白くて、いろんな影響を与えてくれました。そして、当時は、名演奏家でなくても、プロの音楽家でなくても、パンクというのはできたわけですから、それで勇気づけられて、いろんなアーティスト達が、自分でプロじゃなくても、自分は表現できるのだなぁというふうに、当時の若いアーティスト達は、勇気づけられました。たとえば、技術が完璧じゃなくても、経験がなくても映画は作れるんだなぁという感じに思えるようになったんです。それは、パンクの影響かもしれません。

 それから、音楽はいろんなものが好きなんですけれども、どっちかというと主流じゃなくて、その淵の部分、マージナルな部分が好きで、たとえば、ジャズも、アウトサイドジャズとか、それから、BE・POPも非常にハードなBE・POPが好きです。あとは、革新的なものが好きだし、ヒップホップに関しても、ハードなヒップホップや、アングラなもの。あまり、コマーシャルで売れているようなものでないのが好きです。過去15年間、音楽の世界で、おそらく1番革新的で面白いジャンルではないかと思っております。そして、主流から外れたところから、1番面白いものが出てきたと思います。パンクロックとヒップホップの間に、非常に興味深い関係があって、ほとんど同じ頃に音楽として台頭してきたんですが、ヒップホップの方が少し遅れているかもしれませんが、パンクロックの場合は、名演奏家でなくても、楽器が弾けるし、音楽が出来る。ヒップホップの場合は、楽器がなくても音楽が出来るという考え方なんです。つまり、スタジオを借りるお金もなければ、楽器もない。けれど、ターンテーブルとマイクさえあれば音楽が出来るという考え方だったんです。このコネクションというのは、大変面白い話だし、'70年代の後半に、両方とも、ほぼ同時に開花したと思います。



◆質問: 次回作はどのような作品になりそうですか。

■(ジャームッシュ監督): すみません。私は、縁起をかつぐので絶対に次回作の話はしないんです。変わりに違う質問をしていただけないでしょうか。


◆質問(同者): 演技において、フォレスト・ウィティカーのアイディアなどがあったら伺えますでしょうか。

■(ジャームッシュ監督): フォレスト・ウィティカーは、大変多くのアイディアを提供してくれました。たとえば、ゴースト・ドッグの動き方。それから、銃というのは、自分の手の延長のものであって、そして、身体の延長であるということ。武道の場合は、刀とかは、自分の精神の延長であるというような考えを持ち込んでくれました。ですから、銃を素手とか、刀を使うような同じような形で使うというのは、彼のアイディアでした。フォレスト・ウィティカーの弟が言うには、フォレストは、若い時、カンフーの本をいつも持ち歩いていたそうです。だから、若い頃から武道に関心を持っていたんです。したがって、フォレストの貢献としては、動作、それから、屋上で刀の練習をするというのは、脚本にあったのですが、昔からそういうことを彼がやっていたということも知りましたし、うまくやってくれました。また、本を書いている時も何回か電話して、一緒に書いたというわけでもないのですが、大変協力をして貰いました。つまり、こういうふうにこの人物に行動して貰うけれどもどうか?というふうに聞いて、反応を伺うという感じで、だんだん、登場人物の肉付けというのが出来ていったのであります。実は、私は、どの役者ともこういう協力、共同で仕事するのが好きで、独裁者じゃないんです。協力者なんです。お互いに協力することによって、相乗効果が得られると思っております。


●司会者: どうもありがとうございました。それでは、会見を終了させていただきます。

『ゴースト・ドッグ』は、2000年正月映画としてシャンテ・シネ2にて公開。