『エクソシスト』デジタル・リミックス25周年記念版 1998年11月1日(日)渋谷パンテオン
■『エクソシスト』 デジタル・リミックス25周年記念版レポート 宗教への疑問や、逆に信仰心の価値を真っ向から描くには、フィクションによる 極限状態を設定するのが一番やりやすい。しかしその描いたものを万人に現実的に 深刻に受けとめさせるにはフィクションでは弱い。映画館を出たら忘れられるから。 それが怖いものならなおさら、人々は引きずることに抵抗を感じる。 ところがこの作品は知的に徹底したリアリティでしつこいほどに周囲を固めた上 で、そのどこにでもある窓のひとつのその中で、あり得ないことが起こる。これは 厳密に分類しても怪奇フィクションの枠から外していつでも宗教映画や人間ドラマ のジャンルに入れることができるようにあえて作られている。怖がりに来た観客を 暗闇の中でだけキャーキャーいわせればいいのならこんな演出はもちろんいらない。 さてその演出についての考察は長くなるのでまたいずれ、ということでキーワー ドだけをここで出しておこう。それは「リアリズム」と「サブリミナル」だったは ずだ。後者のサブリミナルは社会心理学者がホラー効果としての観点から指摘して いたが、これはリアリズムと一緒に語るべきことだったのだ。なんて、気を持たせ ておきながら今日はこの辺で。……つづく。 (唯) →冒頭に戻る |