『ギター弾きの恋』 SWEET AND LOWDOWN
mainpicture 3月17日より恵比寿ガーデンシネマにてロードショー

1999年/アメリカ/1時間35分/ドルビーSR/ビスタサイズ/サントラCD:ソニー・クラシカル/提供:So-net、ギャガ・コミュニケーションズ/配給:ギャガ・コミュニケーションズGシネマグループ/宣伝:ギャガGシネマ、ミラクルヴォイス

◇監督・脚本:ウディ・アレン ◇製作:ジーン・ドゥーマニアン ◇製作総指揮:J・E・ボーケア ◇共同製作総指揮:リチャード・ブリック、レッティ・アロンソン ◇撮影監督:チャオ・フェイ ◇音楽監督:ディック・ハイマン ◇プロダクション・デザイン:サント・ロカスト ◇衣装デザイン:ローラ・カニンガム・バウアー ◇キャスティング・ディレクター:ジュリエット・テイラー、ローラ・ローゼンタール

◇キャスト:ショーン・ペン、サマンサ・モートン、ユマ・サーマン、グレッチェン・モル、アンソニー・ラパグリア、ブライアン・マーキンソン、ジョン・ウォーターズ、ウディ・アレン、ベン・ダンカン、ナット・ヘントフ、ダグラス・マクグラス



| 解説 | ストーリー | キャスト&スタッフ |
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【解説】

愛には不器用な天才ジプシージャズ・ギタリストが、
はじめて音楽よりも大切な女性に出逢った…。
ウディ・アレンが十年に一度贈る、品質保証のラヴ・ストーリー。


ジャズ全盛期のアメリカを舞台に、“世界で2番目”を自称する天才ジプシージャズ・ギタリストの気まぐれで不埒な日々と、彼が出会った女性との恋愛を、可笑しくも優しく、そして切なく奏でる極上のラヴ・ストーリー。記念すべき監督30本目にあたるウディ・アレンの最新作『ギター弾きの恋』は、70年代『マンハッタン』、80年代『カイロの紫のバラ』、90年代『世界中がアイ・ラヴ・ユー』に続く、まさに、アレンが十年に一度贈り出す、品質保証の物語だ。

子供のころからジャズに夢中で、自らもニューヨークで演奏を続けているアレンが、天才ジャズギタリスト役に選んだのは、『デッドマン・ウォーキング』(1995)でアカデミー賞主演男優賞にもノミネートされた名優ショーン・ペン。ギターの腕は確かだが、愛には不器用な主人公をユーモアとペーソスたっぷりに演じ、ペンは本作で再びアカデミー賞主演男優賞にノミネートされることになった。

また、主人公に純真な愛を捧げるハッティ役の英国人女優サマンサ・モートンも、セリフのない難しい役柄ながら、表情だけで恋する女の可愛さと切なさを演じきり、見事、アカデミー賞助演女優賞にノミネートとなった。

1930年代、ジャズの第一次黄金期を迎えたアメリカ・シカゴ。ジプシージャズという独自の奏法で名声を欲しいままにしたジャンゴ・ラインハルトに次ぐ、“世界で2番目”を自称するギタリスト、エメット・レイ。音楽的な才能に恵まれながらも、演奏時間に遅れたり、女遊びに明け暮れる彼は、自堕落な毎日を送っていた。ある日、そんな彼は、口のきけない純情な女性ハッティと出会い、愛し合うようになる。時にはハッティに横暴な態度をとるエメットだったが、彼女は彼に献身的な愛を捧げ続ける。しかし、ギタリストとしての名声を手に入れながらも、エメットは気まぐれな生き方がやめられず、上流階級の女性ブランチと衝動的に結婚。やがて破局を迎え、虚ろな日々を送るうちに、自分にとって本当に大切だった愛に初めてめざめるが……。


身勝手な天才ミュージシャンと口に不自由な女性の恋の物語を描いた映画の構想を、アレンは何年も前から暖めていた。そして、今回脚本に幾度となく手を加え、人物像をもっと深く描き込むことにより、ついに映画化が実現した。かねてからジャズ映画を作ることが夢だったアレンにとって、これは初めてジャズ・ミュージシャンを主役にした本物のジャズ映画ともいえる。
主演のショーン・ペンは、本格的なギターのレッスンを受け、劇中で使われる曲の指の動きをすべてマスターしたという。「素晴らしい俳優と一緒に映画作りができたことを誇りに思う」とペンに対する賛辞を惜しまないアレン。
また、本作はエメットとハッティの愛しくも切ないラヴ・ストーリーであると同時に、ジャズの黄金期を支えたミュージシャンたちにオマージュを捧げた味わい深い内容にもなっている。エメットの音楽性や人間性に関するナビゲーターとして、劇中、アレン自身も登場。他にジャズ小説で知られる作家ナット・ヘントフや、ジャズ愛好家で『ブロードウェイと銃弾』(1994)の共同脚本家としても知られるダグラス・マクグラスなどが、劇中の主人公エメットに対してコメントを寄せ、彼のエピソードや人となりを紹介している。

共演はエメットの妻ブランチに『ガタカ』(1997)のユマ・サーマン、彼女の愛人となる用心棒アル役に『ザ・クライアント 依頼人』(1994)のアンソニー・ラパグリア。物語の最後に登場する踊り子エリー役に『セレブリティ』のグレッチェン・モル、クラブのオーナー役で『I loveペッカー』(1998)、『ピンク・フラミンゴ』(1972)の映画監督のジョン・ウォーターズがゲスト出演している。製作は『世界中がアイ・ラヴ・ユー』のJ・E・ボーケア、共同製作総指揮に『地球は女で回ってる』(1997)のリチャード・ブリックと、レッティ・アロンソン、撮影監督に『始皇帝暗殺』(1998)のチャオ・フェイ、プロダクション・デザイナーはウディ・アレン映画の常連、サント・ロカスト、音楽監督は『カイロの紫のバラ』(1985)で一躍注目を集め、その後もアレン作品のほとんどで音楽を担当しているディック・ハイマン、衣装デザイナーは『17 セブンティーン』(1997)のローラ・カニンガム・バウアーが担当している。




 


【ストーリー】 *作品観賞後にご覧になることをおすすめします。

『音楽にしか痛みを感じない』天才ギタリストの音色は、月までとどくのか…。


1930年代、シカゴ。派手で目立ちたがり屋のエメット・レイ(ショーン・ペン)は、才能に恵まれたジプシージャズのギタリスト。ジャンゴ・ラインハルトこそが世界で一番才能があり、自分は2番目に上手い天才ギタリストと思っている彼は、シカゴのジャズクラブの人気者。演奏が始まると誰もがうっとりとその美しい音色に聞きほれる程の腕前で、自分のすべてを音楽で表現しているかのようだった。
しかし、その演奏の素晴らしさとは裏腹に、エメットは破滅的な人生を送っていた。ミュージシャンの他にも娼婦の元締めという顔をもち、裏社会にも通じた男だった。 女遊びにも目がなく、「女とは遊ぶが、女は必要じゃない」と豪語し、決して女に縛られない人生、それが本物のアーティストだと信じていた。また、親しくなった女とは、汽車を眺めることと、街はずれでネズミを撃って遊ぶという変わった趣味の持主でもあった。

こんな不埒なエメットと洗濯屋につとめる口のきけない娘ハッティ(サマンサ・モートン)との出会いも、ナンパで始まった。ニュージャージーの海辺に、友人ビルと女たちを探しにきたエメットは、ビルとコインの賭けで負け、渋々、自分の意思に添わない小柄な娘ハッティとデートをすることに。いつもの遊びのつもりだった彼は、ギターを弾いて聴かせるが、そのギターの音色に心を動かされたハッティはエメットに夢中となり、行動を共にするようになる。そしてエメットもアメリカ中を一緒に旅しながらハッティの純粋な心に触れ、二人は徐々にお互いを理解していく。
旅から戻っても、エメットの派手で自堕落な生活は直らず、やがて、破産宣告を受けることになるが、そんな彼をハッティは暖かく、献身的な愛で包み込む。ギター以外はからっきし不器用な生き方の破天荒なエメットを唯一理解するのは、言葉ではなく心の表情ですべてを受けとめるハッティだった。

そしてふたりが同居生活を始めてから1年が過ぎようとしていた。大恐慌時代を迎え、多くのジャズメンと同様に失業していた彼は、ある日、上流階級出身の美しい女、ブランチ(ユマ・サーマン)と知り合う。作家志望の彼女は野性的な男性が好きで、その手帳にエメットのことを「音楽にしか痛みを感じない天才」と書く。エメットはハッティと別れ、ブランチと衝動的に結婚し、上流階級出の妻を自慢して歩くようになった。しかし、派手好きなふたりの夫婦関係はいつもギクシャクして、破局は目に見えていた。案の定、ブランチはジャズ・クラブの用心棒アル(アンソニー・ラパグリア)との不倫に溺れ、友人に浮気のことを知らされたエメットは、ふたりを尾行して真実を知ることになる。
裏切りと失意の中で空虚な毎日をおくるエメットは、この時やっと本心に目覚め、自分に本当に必要だったハッティを求めて、再びニュージャージーを訪ねるが…。



 


【キャスト&スタッフ】

■ウディ・アレン(監督)

アメリカ映画界を代表する監督ウディ・アレン。多作家として知られ、平均年1本のペースで製作。すでに監督・主演の次回作『Small Time Crooks』(トレイシー・ウルマン、ヒュー・グラント共演)も完成させている。『ギター弾きの恋』では、ジャズ映画を撮るという長年の夢を遂に実現させ、またまた高い評価を受けている。
1935年12月1日、ニューヨークのブロンクス生まれ。ミッドウェイ・ハイスクール卒業後、50年代後半からシド・シーザーなどのコメディアンのためにテレビの台本書きを始める。60年代前半からコメディアンとして舞台に立つようになり、人気が出る。それを見た映画関係者の目にとまり、1965年のコメディ『何かいいことないか子猫チャン』で映画界入りをはたし、脚本・出演。1966年にパロディ映画『What's Up, Tiger Lily?』で演出を担当し、1969年に『泥棒野郎』で本格的なデビューを果たした。以後、『スリーパー』(1973)など監督・主演のコメディ作品を作り続けるが、ダイアン・キートンとの恋愛体験を投影した『アニー・ホール』(1977)で、アカデミー賞作品賞・監督賞・脚本賞・主演女優賞(ダイアン・キートン)を獲得。『マンハッタン』(1979)では現代ニューヨークを撮る映画監督としてひとつの頂点を極めた。 80年代は『カメレオンマン』(1983)、『カイロの紫のバラ』(1985)、『ハンナとその姉妹』(1986)などの作品が高い評価を獲得し、『ハンナとその姉妹』では2度目のアカデミー賞脚本賞に輝いている。この時代、ダイアン・キートンにかわって、ミア・ファローが私生活上のパートナーとなったが、1992年に義娘スン・イーとの恋愛スキャンダルが世間を騒がせ、『夫たち、妻たち』(1992)を最後にミアとのコンビは解消した。その後も『ブロードウェイと銃弾』(1994)、『世界中がアイ・ラヴ・ユー』(1996)、『セレブリティ』(1998)などの話題作を次々に発表。今や誰もが認めるアメリカ映画界の巨匠監督となった。今回の『ギター弾きの恋』はアレンにとって、30本目の監督作品。過去にアカデミー脚本賞候補に10回以上も上がり(うち2回受賞)、才人としての名誉をほしいままにしている。自身もジャズのクラリネット奏者して知られ、70年代のアカデミー賞発表の夜にセレモニーには出席せず、レギュラー出演しているクラブで演奏していたことは有名。90年代はヨーロッパに演奏ツアーに出かけ、この様子はドキュメンタリー映画『ワイルド・マン・ブルース』(1998)に収められている。1998年にはアニメーション『アンツ』(1998)の声のふき替えも担当。2000年にはダグラス・マクグラス、ピーター・アスキン監督の『Company Man』(2000)(共演シガニー・ウィーバー)、『Picking Up the Pieces』(2000)(アルフォンソ・アラウ監督)などの出演作も公開される。



<フィルモグラフィ(監督作品のみ)>

1.『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
2.『泥棒野郎』(1969)
3.『ウディ・アレンのバナナ』(1971、ビデオのみ)
4.『ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう』(1972)
5.『スリーパー』(1973)
6.『ウディ・アレンの愛と死』(1975、ビデオのみ)
7.『アニー・ホール』(1977)
8.『インテリア』(1978)
9.『マンハッタン』(1979)
10.『スターダスト・メモリー』(1980)
11.『サマー・ナイト』(1982)
12.『カメレオンマン』(1983)
13.『ブロードウェイのダニー・ローズ』(1984)
14.『カイロの紫のバラ』(1985)
15.『ハンナとその姉妹』(1986)
16.『ラジオ・デイズ』(1987)
17.『セプテンバー』(1987)
18.『私の中のもうひとりの私』(1988)
19.『ニューヨーク・ストーリー』(1989)
20.『ウディ・アレンの重罪と軽罪』(1989)
21.『アリス』(1990)
22.『ウディ・アレンの影と霧』(1992)
23.『夫たち妻たち』(1992)
24.『マンハッタン殺人ミステリー』(1993)
25.『ブロードウェイと銃弾』(1994)
26.『誘惑のアフロディーテ』(1995)
27.『世界中がアイ・ラヴ・ユー』(1996)
28.『地球は女で回ってる』(1997)
29.『セレブリティ』(1998)



■ショーン・ペン(エメット・レイ)

"世界で2番目"を自称する天才ジプシージャズ・ギタリスト、エメット・レイを演じて2度目のアカデミー賞主演男優賞にノミネートとなる。 1960年8月17日、カリフォルニア州サンタモニカ生まれ。父は演出家のレオ・ペン、母は女優のアイリーン・ライアン、弟クリスも俳優という芸能一家に生まれる。サンタモニカ・ハイスクール卒業後、ロサンゼルス・グループ・レパートリー・シアターで助手を勤めながら、演技の勉強を始め、ニューヨークの舞台「ハートランド」で絶賛される。1981年に『タップス』で映画ビュー。1982年『初体験/リッジモント・ハイ』のコミカルな演技が絶賛され、若手の個性派として注目される。その後も『カラーズ 天使が消えた街』(1988)や『ステート・オブ・グレース』(1991)などで、印象的な演技を見せる。常にアクターとして高い評価を獲得してきたが、それがひとつの頂点に達したのが死刑囚を演じて絶賛された『デッドマン・ウォーキング』(1995)。これで初めてアカデミー賞主演男優賞のノミネートとなる。また、1997年には『シーズ・ソー・ラヴリー』でカンヌ映画祭主演男優賞獲得。最近は『キャスティング・ディレクター』(1998)でヴェネチア映画祭主演男優賞を得ている。演技力への評価は年々、高くなっていく。
監督としても『インディアン・ランナー』(1991)や『クロッシング・ガード』(1995)を手がけて高い評価を獲得し、自身の製作会社、クライド・イズ・ハングリー・フィルムも設立。最初の妻はマドンナで、この頃、たびたび暴力事件を起こして問題になった。 現在は2度目の妻ロビン・ライト・ペンとのおしどりコンビぶりで有名。新作は英国のフィリップ・ハース監督の『Up at the Villa』(2000)。


<その他の主な作品>『バッド・ボーイズ』(1983)、『コードネームはファルコン』(1985)、『ロンリー・ブラッド』(1985)、『上海サプライズ』(1986)、『俺たちは天使じゃない』(1989)、『カジュアリティーズ』(1989)、『ゲーム』(1997)、『シン・レッド・ライン』(1998)


■サマンサ・モートン(ハッティ)

エメットに献身的な愛を捧げる口の不自由な娘ハッティを好演し、アカデミー賞助演女優賞、ゴールデン・グローブ賞他数々の賞にノミネートされた。現在、英国出身の個性派の若手女優として大きな注目を集めている。
1977年、英国ノッティンガム生まれ。セントラル・ジュニア・テレビジョン・ワークショップで、演技の指導を受け、13歳の時からテレビで活躍を始める。『心理探偵フィッツ』や『ブーン』などのテレビ・シリーズにゲスト出演。その後、『エマ』や『ジェーン・エア』などの文芸テレビ・ドラマでチャンスをつかむ。映画はカリン・アドラー監督の『アンダー・ザ・スキン』(1997)の演技が高く評価され、ボストン批評家協会賞や英国インディペンデント・フィルム賞などで、最優秀女優賞候補になった。その他の作品に『フル・モンティ』のマーク・アディとの共演作『Last Yellow, The』(1999)やデニス・ホッパー共演の『Jesus' Son』(1999)、ルパート・グレイヴス共演の『Dreaming of Joseph Lees』(1999)などがある。最新作は2000年の『Pandaemonium』。実生活では2000年5月に俳優、チャーリー・クリード・マイルズの娘を出産した。



■ユマ・サーマン(ブランチ)

作家志望のエメットの妻ブランチを演じる。『パルプ・フィクション』(1994)でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされる。以後、ファッション・センスのある人気女優として活躍している。
1970年4月29日、マサチューセッツ州ボストン生まれ。心理学者と大学教授の両親のもとで生まれる。ニューイングランドの学校に在学中の時、15歳でニューヨークのエージェントに見いだされ、女優をめざしてニューヨークのプロフェッショナル・チルドレンズ・スクールに転校。デビュー作は『Kiss Daddy Goodnight』(1987)。1989年に『バロン』で女神ヴィーナスを演じ1988年に『危険な関係』でジョン・マルコヴィッチの相手役を演じて注目される。特に女優として注目されるきっかけとなったのが、ヘンリー・ミラーの妻役を演じた『私が愛した男と女 ヘンリー&ジューン』(1990)。『カウガール・ブルース』(1994)、『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」(1997)、『ガタカ』(1997)などで、どこか現実離れした不思議な個性を見せた。新作はローランド・ジョフィ監督の『宮廷料理人ヴァテール』(2000)と『The Golden Bowl』(2000)が待機中。夫イーサン・ホークとの間に一児あり。


<その他の主な作品>『ジェニファー8』(ビデオ、1992)、『恋に落ちたら』(1993)、『湖畔のひと月』(1995)、『ビューティフル・ガールズ』『好きと言えなくて』(1996)、『レ・ミゼラブル』(1998)、『アベンジャーズ』(1998)


■グレッチェン・モル(エリー)

エメットが最後にハントする女性エリーを演じる。『セレブリティ』(1998)に続き、アレン映画に出演するのはこれが2本目。最近では『ミュージック・フロム・アナザー・ルーム』(1998)で人気スター、ジュード・ロウと共演している。
1973年11月8日、コネチカット州ディープ・リバー出身。ウィリアム・エスパー・スタジオとアメリカン・ミュージカル・アンド・ドラマティック・アート出身。映画デビューはスパイク・リー監督の『ガール6』(1996)。『フューネラル 流血の街』(1996)、『グレイスランド』(1998)、キアヌ・リーヴス共演の『死にたいほどの夜』(1997)、マット・デイモン共演の『ラウンダーズ』(1998)、『クレイドル・ウィル・ロック』(1999)などに出演。新作はジョセフ・ファインズ共演の『Forever Mine』『13F』(1999)と、サマンサ・マシス共演の『Rules of Attraction』(2000)



■アンソニー・ラパグリア(アル)

エメットの妻の浮気相手、アルを演じる。舞台ではトニー賞受賞経験もある実力派。
1956年1月31日、オーストラリア、アデレード生まれ。教師や靴のセールスマンなど、さまざまな仕事を転々とした後、1984年に渡米して舞台で活動するようになる。映画のデビューは『ニューヨークの奴隷たち』(1989)。アラン・アルダ監督の『本日はお日柄もよく ベッツィの結婚』(ビデオ、1990)でギャングの役を演じ、以後、警官やギャングの役を得意とする。『依頼人』(1994)でもヒットマン役。舞台はアーサー・ミラー原作の「橋からの眺め」で98年のトニー賞ドラマ部門の最優秀主演男優賞を獲得。新作は『オータム・イン・ニューヨーク』(2000)と、ウディ・アレン共演、ダグラス・マクグラス監督の『Company Man』(2000)
<その他の主な作品> 『イノセント・ブラッド』(1992)、『エンパイア・レコード』(1995)、『トゥリーズ・ラウンジ』(1996)、『サマー・オブ・サム』(1999)


■ゲスト出演のメンバーたち

ウディ・アレン本人(ナビゲーター)、ジョン・ウォーターズ(クラブのオーナー役でカメオ出演、『ピンク・フラミンゴ』(1972)や『I love ペッカー』(1998)で知られるカルト監督)、ブライアン・マーキンソン(エメットのミュージシャン仲間、ビル役。アレンの次回作『Small Time Crooks』にも出演)、ベン・ダンカン(WFAD局のディスク・ジョッキー)、ナット・ヘントフ(ジャズ評論家、作家。『ジャズ・カントリー』などジャズ小説の名作でも知られる)、ダグラス・マクグラス(グウィネス・パルトロウ主演『エマ』(1996)の監督。ウディ・アレンとは『ブロードウェイと銃弾』(1994)の脚本を共同執筆)


■ジーン・ドゥーマニアン(製作)

『ブロードウェイと銃弾』(1994)以降、ウディ・アレン映画には欠かせない人物となった。アレンの最新作『Small Time Crooks』(2000)の製作も担当。他に『魅惑のアフロディーテ』(1995)、『世界中がアイ・ラヴ・ユー』(1996)、『地球は女で回ってる』(1997)、『セレブリティ』(1998)などの製作も手がけ、アレンを追ったドキュメンタリー『ワイルド・マン・ブルース』(1998)も作る。他にデヴィッド・マメット監督の『スパニッシュ・プリズナー』(1997)、ヘレナ・ボナム=カーター主演の『Women Talking Dirty』(1999)も製作。80年代はテレビの『サタデー・ナイト・ライブ』の製作を担当していた。


■J・E・ボーケア(製作総指揮)

ウディ・アレンの別名では、という噂もある人物。『ブロードウェイと銃弾』(1994)、『魅惑のアフロディーテ」(1995)、『世界中がアイ・ラヴ・ユー』(1996)、『地球は女で回ってる』(1997)、『セレブリティ』(1998)などを製作。アレンの最新作『Small Time Crooks』(2000)の製作も担当。他にデヴィッド・マメット監督の『スパニッシュ・プリズナー』(1997)、ヘレナ・ボナム=カーター主演の『Women Talking Dirty』(1999)も製作。


■リチャード・ブリック(共同製作総指揮)

1945年9月20日ニューヨーク生まれ。コロンビア大学卒業。最近では製作会社、ティーチ・スコープの副社長をつとめる。マイク・ニコルズの『シルクウッド』(1983)、ロバート・ベントンの『プレイス・イン・ザ・ハート』(1984)で製作マネージャーをつとめる。アレンの『地球は女で回ってる』(1997)、『セレブリティ』(1998)などの製作も手がける。


■レッティ・アロンソン(共同製作総指揮)

ウディ・アレンの姉妹。ジーン・ドゥーマニアン・プロダクションの副社長。『ブロードウェイと銃弾』(1994)、『誘惑のアフロディーテ』(1995)、『世界中がアイ・ラヴ・ユー』(1996)、『地球は女で回ってる』(1997)、『セレブリティ』(1998)などを製作。アレンの最新作『Small Time Crooks』の製作も担当。他にデヴィッド・マメット監督の『スパニッシュ・プリズナー』(1997)、ヘレナ・ボナム・カーター主演の『Women Talking Dirty』(1999)も製作。


■チャオ・フェイ(撮影監督)

1961年西安出身。中国出身のフェイにとって、これは初めての海外で撮影した作品。アレンの新作『Small Time Crooks』(2000)の撮影も担当。北京映画学院の撮影科でチャン・イーモウと共に学び、彼の『紅夢』(1991)などに参加。この作品で全米批評家協会賞やロサンゼルス批評家協会賞などの最優秀撮影賞も獲得している。80年代以降の中国映画の新しい流れに欠かせない重要な人物となり、チェン・カイコーの大作『始皇帝暗殺』(1998)やティエン・チュアンチュアンの『盗馬賊』(1985、共同撮影)などにも参加。他に『輪廻』(1988)、『李蓮英〈リー・リエンイン〉 清朝最後の宦官』(1990)などもある。


■ディック・ハイマン(音楽)

1927年3月8日ニューヨーク生まれ。アレン映画には欠かせない音楽家。『スターダスト・メモリー』(1980)、『カメレオンマン』(1983)、『ブロードウェイのダニー・ローズ』(1984)、『カイロの紫のバラ』(1985)、『誘惑のアフロディーテ』(1995)、『世界中がアイ・ラヴ・ユー』(1996)等のアレン作品に音楽を提供。他に『月の輝く夜に』(1987)の音楽も担当。50年代から音楽家として多忙な生活を送り、ピアニスト、オルガン奏者、アレンジャー、指揮者として活躍。これまでに100 枚以上のアルバムに参加してきた。


■サント・ロカスト(プロダクション・デザイン)

1944年7月26日ペンシルヴァニア州ウィルクス・バー出身。キングス・カレッジで演劇の学位を取得。演劇、映画、ダンスなど幅広い分野で活躍。ニューヨークの人気舞台『ラグタイム』や『フォッシー』ではトニー賞候補になっている。最近の『世界中がアイ・ラヴ・ユー』(1996)、『セレブリティ』(1998)なども含め、20本近いアレン作品に参加してきた。『カメレオンマン』の衣装デザイン、また、『ラジオ・デイズ』(1987)と『ブロードウェイと銃弾』(1994)の製作デザインでアカデミー賞候補に上がる。アレンの新作『Small Time Crooks』(2000)にも参加。


■ローラ・カニンガム・バウアー(衣装デザイン)

シカゴ出身。イリノイ大学で衣装を学んだ後、シカゴの劇場でデザインの仕事につき、ニューヨークではデヴィッド・マメットの舞台の仕事をこなす。映画は『17セブンティーン』(1997)、ミニー・ドライヴァー主演の『At Sachem Farm』(1998)、ジョン・キューザック主演、スティーヴン・フリアーズ監督の『High Fidelity』(2000)などの衣装を担当している。


■ジュリエット・テイラー(キャスティング・ディレクター)

1967年にスミス大学を卒業。1977年にパラマウント映画のキャスティング・ディレクターに就任。1978年に自社を設立。これまでマイク・ニコルズ、スティーヴン・スピルバーグ、マーティン・スコセッシ、アラン・パーカーといった巨匠たちの仕事をこなしてきた。アレンとは1975年の『ウディ・アレンの愛と死』(ビデオのみ)以後のつきあいで、『アニー・ホール』(1977)、『マンハッタン』(1979)、『ハンナとその姉妹』(1986)、『世界中がアイ・ラヴ・ユー』(1996)など、彼の代表作を手がける。他に『シンドラーのリスト』(1993)、『ジョー・ブラックをよろしく』(1998)、『アンジェラの灰』(1999)等にも参加。


■ローラ・ローゼンタール(キャスティング・ディレクター)

ジュリエット・テイラーのもとで、長年、働いて、スピルバーグやニール・ジョーダン、ノーラ・エフロンなどと仕事を共にする。1994年に独立し、ジム・ジャームッシュ、トッド・ヘインズ、ハロルド・ライミスなどの仕事をこなす。アレン映画は『セレブリティ』(1998)以降の参加。ヒュー・グラント主演の新作『恋するための3つのルール』(1999)のキャスティングも担当。