『風花』
mainpicture 1月27日より渋谷シネ・アミューズ、銀座シネ・ラ・セット両館同時ロードショー

2000年/日本/カラー/ビスタサイズ/1時間56分

◇監督:相米慎二 ◇製作:若杉正明、早河洋 ◇製作補:田辺順子 ◇プロデューサー:椎井友紀子 ◇製作委員会:上松道夫、小松崎正樹、志摩敏樹、習田豊、井上武志、岡井龍平 ◇企画:木村純一、古川一博 ◇企画プロデュース:高橋由佳 ◇原作:鳴海章(「風花」講談社刊) ◇脚本:森らいみ ◇撮影:町田博 ◇美術:小川富美夫 ◇照明:木村太朗 ◇録音:野中英敏 ◇編集:奥原好幸 ◇衣装:小川久美子 ◇ヘアメイク:豊川京子 ◇装飾:小池直実 ◇スクリプター:今村治子 ◇助監督:高橋正弥 ◇製作担当:黛威久 ◇音楽:大友良英 ◇音楽プロデューサー:佐々木次彦 ◇タイトルデザイン:葛西薫

◇キャスト:小泉今日子、浅野忠信、麻生久美子、尾美としのり、小日向文世、鶴見辰吾、椎名桔平、笑福亭鶴瓶



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【解説】

“風花”とは、冬から春へと向かう晴れた日に、
まだ雪の残る山肌を撫でて風に吹かれ飛んでくる細雪のこと。
ひらひらと風に舞い散る櫻の花びらのように、
優雅だがまるで一瞬で消えるために降っているような儚い雪…




互いの事も知らぬまま、帰る場所のない女と男は一路、北へと旅に出る

故郷・北海道に残した一人娘に五年ぶりに会いに行く風俗嬢・ゆり子(小泉今日子)と、酔った勢いからドライブに付き合うことになる謹慎中のキャリア官僚・廉司(浅野忠信)。性格も生活も旅の目的も全く異なる二人の、ぎくしゃくとした旅が始まる―。だが実家に辿り着いたゆり子は、親の反対から娘に会うことが出来ない。そして廉司の耳には、上司からの一方的な解雇通告が届く。「自分は世の中に必要のない人間なのかもしれない…」行き場をなくした“帰れない二人”を乗せた車は、まだ雪の残る山奥深くへと向かっていく…。


小泉今日子×浅野忠信、かつて誰も観た事のない二人が此処にいる

主人公・ゆり子を演じるのは、小泉今日子。都会に暮らす複雑な女性の心境、本人曰く『淋しくて、悲しくて、たくましくて、明るくて、揺れていて、数え切れないほどの感情を持っている女』を見事なまでに演じ切る。その姿に、誰しもがスクリーンに燦然と輝く“真の映画女優”の誕生を見て、喝采を挙げるに違いない。
そして相手役に、浅野忠信。おそらくはこれまでで最も学歴が高く性格の悪い!?今回の役柄は、『自分でも今まで観たことない表情が写ってる』と自ら言うほどの新鮮さに溢れており、確かな演技力と共にまた新たな段階に突入した姿に出逢うことが出来る(特に酔っ払いシーンは必見)。
また、ゆり子の亡夫役に鶴見辰吾、母親役に香山美子、義父役に高橋長英と充実した出演陣が脇を固め、更に柄本明、椎名桔平、麻生久美子と豪華なキャストが、作品に鮮やかな彩りをもたらしている。


全編に満ち溢れる静けさと危うい官能
一流のスタッフが紡ぎあげる見事なアンサンブル


監督は、名匠・相米慎二。デビューから20年目にあたる節目の年、13本目の長編作品となる本作品は、ロードムーヴィーの傑作であると同時に、感度抜群の大人のラブストーリーに仕上がった。流麗なキャメラのリズムに乗せて、役者の息づかいをそのままフィルムに閉じこめる演出手腕が全編に冴え渡り、最後まで観る者の目を離さずにはおかない。また、主なロケ場所となった北海道の幻想的なまでに美しい風景が作品に一層の輝きを与えている。原作は乱歩賞作家・鳴海章の同名長編小説『風花』。音楽は、国際的に活躍するミュージシャン・大友良英のアクセントの効いたリズムパターンと、バンドリンの名手・秋岡歐の奏でる柔らかな響きが、随所に絶妙な効果を上げている。

夢の如く現れては消えゆく“風花”は、名匠の手によって結晶と化し、観る者の心の奥底に深く静かに溶け込んでゆく。本作品は、人の生と死を最果てまで見つめながら、その先に輝く“光”を求める人々を癒し包み込む、希望と再生の物語である…。




 


【ストーリー】

“東京、春の明け方…満開の櫻の樹の下で目覚めた澤城廉司(浅野忠信)は、二日酔いのためか此処が何処なのか、隣にいる女が誰なのかも思い出せない。その女、富田ゆり子(小泉今日子)は云う「私のこと憶えてないの?どうするの?北海道」今日の女満別への最終便に一緒に付き合うと約束したというのだ。女が何を云っているのか、そもそも誰なのかも全く思い出せない廉司は、その場を足早に去っていく。

ゆり子は五年前から東京に独りで暮らしている。彼女はこの地で“レモン”というもう一つの名を持っている―風俗嬢だ。新宿の高層ビル群が見えるマンションの一室には、彼女の他には亀が一匹だけ。故郷には、東京に来てからずっと足を運んでいない。幾つもの“想い”を置き去りにしてきてしまった故郷に帰りたいという気持ちはあるが、その勇気が出せず、ただ流されるまま日々を過ごしていた。しかし昨夜、廉司と一晩飲み明かした時に出てきた「北海道」という言葉がきっかけか…一人でも故郷に顔を出してみようと思い立ち、勤めているお店に休みを告げ、荷物をまとめ始める。


廉司はキャリア組の高級官僚だ。だが彼もまた東京で独り暮らしながら、毎晩毎夜、飲まずにはいられない怠惰な日常を繰り返していた。美樹(麻生久美子)という恋人は、一応いる。だが廉司のキャリアに惹かれて付き合っている彼女とは、心も体も満足に通い会わせる事が出来ない。ある晩、泥酔した廉司はコンビニで万引きをした事から、自宅謹慎を命じられる。謹慎中も酒の力を借りて自分を忘れる事しか術がない彼は、酔った勢いを借りて、ゆり子の旅立つ羽田空港へと足を向けていた。彼女が誰かも思い出せないまま…

意を決して五年ぶりに娘に会いに行くゆり子と、すっかり酔いも覚めて悪態を吐きながらハンドルを握る廉司。性格も生活も旅の目的も全く異なる二人の、ぎくしゃくとした北海道ドライブが始まった。

ゆり子にとって故郷は想い出の通り過ぎる場所だった…夫(鶴見辰吾)とのささやかながらも幸福な生活。一人娘・香織の誕生、その直後の夫の事故死…残された借金を肩に、娘を母に預けたまま彼女は故郷を後にしたのだった。あのとき以来、五年ぶりの帰郷になる。娘の顔が一目見てみたい。だが果たして自分のことを覚えているだろうか…?複雑な胸中のまま家の門を叩いたゆり子に実母(香山美子)と義父(高橋長英)は告げる。「東京で何をしているのか知らない訳じゃない。香織の為にも、会わせるわけにはいかない。この町で仕事を見つけて真面目に働くというなら話は別だが…」返す言葉もなく、ゆり子は実家を後にする。

廉司は、ようやくゆり子と会った時のことを想い出す…自らの不祥事を週刊誌に書き立てられ、実家の親からの責めにも遭い、あの晩、泥酔して“レモン”の務める店に行き…一晩飲み明かし、一緒に北海道に付き合うと約束したのだった。この遠く離れた地で、廉司は上司からの一方的な解雇通告を聞くことになる。
「もう自分には帰る場所などない。そもそもは自分は世の中に必要のない人間なのかもしれない…」
行き場をなくした「帰れない二人」を乗せた車は、まだ雪の残る山奥深くへと向かっていく。



奧に行く程に深さを増す残雪。道に迷った車は、漸く山奥にぽつりと佇む温泉宿に辿り着く。宿の主人(柄本明)をはじめ常連の客達が繰り広げる宴は侘びしく、だがどこか懐かしい風情が漂っている。雪山の奧に潜むさびれた宿に集う寂し気な人々と陽気に騒ぐ事で、自分の悲しみを紛らわそうとするゆり子。だが、廉司はそんな彼女に心を開くことができない。
そして廉司が一人部屋に戻ると、そこにゆり子の姿は無く、後にはゆり子の財布と短い走り書きだけが残されていた…。




 


【キャスト&スタッフ】

■小泉今日子(冨田ゆり子)

1966年2月4日、神奈川県厚木市に生まれる。1982年に「私の16才」で歌手デビュー。その後、次々と大ヒットを飛ばし日本レコード大賞<ゴールデン・アイドル賞>をはじめとして各賞を総嘗め。現在までに発表したシングルは40枚、アルバムも“KOIZUMIX PRODUCTION”名義を含めて40枚以上を数え、TVドラマの主題歌からクラブ向けMIXまで幅広い層に熱烈な支持を受けている。デビューして間もなく女優としての活動も開始し、数々のTVドラマで主演。映画では1983年『十階のモスキート』(崔洋一監督)でスクリーンデビューの後、1984年『生徒諸君』(西河克己監督)で初主演。その後『ボクの女に手を出すな』(1986・中原俊監督)『快盗ルビイ』(1988・和田誠監督/毎日映画コンクール主演女優賞)『病は気から・病院へ行こう2』(1992・滝田洋二郎監督)と役者としてのキャリアを重ね、近作には『虹をつかむ男 南国奮斗篇』(1997・山田洋次監督)『踊る大捜査線〜THE MOVIE〜』(1998・本広克行監督)『共犯者』(1999・きうちかずひろ監督)がある。 またその明るいキャラクターから、男性・女性問わず低年齢から高年齢まで幅広い層に好感を得ており、幾多の企業CMに活躍。新世紀を迎えて更に本格派女優へと脱皮した活躍が大いに期待される。


■浅野忠信(澤城廉司)

1973年11月27日、神奈川県横浜市に生まれる。1990年に『バタアシ金魚』(松岡錠司監督)で映画俳優としてデビュー。その後『眠らない街 ・新宿鮫』(1993・滝田洋二郎監督)『幻の光』(1995・是枝裕和監督)などの作品に出演、注目を集める。1996年には『PiCNiC』(岩井俊二監督)で初主演。以降、1996年『Focus』(井坂聡監督)『ACRI』(石井竜也監督)『Helpless』(青山真治監督)、1997年『ユメノ銀河』(石井聰亙監督)『東京日和』(竹中直人監督)、1998年『ねじ式』(石井輝男監督)『ラブ&ポップ』(庵野秀明監督)と数々の個性派監督の作品に出演。1999年は主演作品だけでも『鮫肌男と桃尻女』(石井克人監督)『孔雀』(クリストファー・ドイル監督)『白痴』(手塚眞監督)『地雷を踏んだらサヨウナラ』(五十嵐匠監督)と4本が公開され、加えて『双生児』(塚本晋也監督)『御法度』(大島渚監督)への出演と、今や名実共に日本の「若手映画俳優」の代名詞と言える存在。2000年以降も『五条霊戦記』(石井聰亙監督)『PARTY7』(石井克人監督)『エレクトリックドラゴン80000V』(石井聰亙監督)『distance』(是枝裕和監督)と、話題作が目白押し。王家衛とのコラボレーション『wkw/tk/1996@7'55"hk.net』をはじめ、1999年のロンドン映画祭では「浅野忠信特集」が組まれるなど海外からの注目度も高い。近年は雑誌やCMでの活躍に留まらず、音楽・イラスト等の分野でもその腕を披露、更に活躍の場を広げている。


■麻生久美子(美樹)

1978年、千葉県出身。1995年に映画『BAD GUY BEACH』でデビュー。以後幾つかのテレビドラマや映画に出演してキャリアを積み、1998年に今村昌平監督の『カンゾー先生』でヒロイン役に“抜擢”。「第22回日本アカデミー賞」最優秀助演女優賞・新人俳優賞をはじめ各新人賞を総なめ、その演技が高く評価される。近作は主演した『ひまわり』(2000・行定勲監督)の他、来年以降も『贅沢な骨』(行定勲監督)『回路』(黒沢清監督)『Last Scene』(中田秀夫監督)『STEREO FUTURE』(中野裕之監督)等が公開を控えている。


■尾美としのり(風俗店の店長)

1965年生まれ。1978年に『火の鳥』(市川昆監督)で子役としてデビュー。主演した『転校生』(1982・大林宣彦監督)で日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。続く1983年の『時をかける少女』、1985年の『さびしんぼう』(おおさか映画祭主演男優賞)と大林宣彦監督の“尾道三部作”に出演。青春映画に欠かせないキャラクターとしての地位を固める。相米作品では1980年の『翔んだカップル』、1985年の『台風クラブ』が印象深い。その後、映画・テレビ・CFと幅広く活躍。近年の主な出演作に、テレビ・舞台の「鬼平犯科帳」シリーズ、『生きない』(1998・清水浩監督)など。また2001年度NHK大河ドラマ「北条時宗」の出演が決定している。


■小日向文世(廉司の上司)

1954年、北海道出身。1977年オンシアター自由劇場に入団。1996年の解散まで数々の舞台を踏む。解散後の代表作として舞台「エイミィズ・ヴュー」(1998)「ファルスタッフ」(1999)「ブレヒト・オペラ」(1999)「月の光」(1995・2000)「オケピ!」(2000)映画『愛を乞うひと』(1998)『リング2』(1999)TV「ニュースの女」(1998)「徳川慶喜」(1998)「リング〜最終章」(1999)「六番目の小夜子」(2000)などがある。


■鶴見辰吾(冨田:ゆり子の夫)

1964年、三重県出身。相米監督のデビュー作『翔んだカップル』で映画初主演。その後『潮騒』(1985)など青春ドラマの顔として多数の作品に出演。近年は映画『GONIN』(1995)『GONIN2』(1996)『月とキャベツ』(1996)『鮫肌男と桃尻女』(1997)『フリーズ・ミー』(2000)『HYSTERIC』(2000)、TV「チャンス」「太陽は沈まない」「毛利元就」「すずらん」、舞台「十二夜」「ミラクル」など幅広い役柄で活躍を続けている。


■相米 慎二(監督)

1948年岩手県盛岡市生まれ。1972年中央大学法学部を中退、日活へ助監督として契約。1979年長谷川和彦監督『太陽を盗んだ男』が助監督としては最後の作品となる。1980年『翔んだカップル』を初監督。この時主演であった薬師丸ひろ子を再び主演にして1981年、『セーラー服と機関銃』を監督、その年の邦画で興収1位となる大ヒットを記録した。1982年にはディレクターズ・カンパニーの結成に参加。以後、映画初出演となる新人・子役を積極的に登用し、長廻しを特徴とした独特の演出手法により数々の傑作を連発。1985年からCMの演出も行い、また1991年、1993年にはオペラ「千の記憶の物語」の演出を担当。1998年の『ポッキー坂恋物語』では総監督を務めている。本作品は監督デビューから20年目、長編監督作品としては13本目の作品となる。


■森 らいみ(脚本)

1960年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、企画・製作スタッフとして『豪姫』(1992・勅使河原宏監督)『僕らはみんな生きている』(1993・滝田洋二郎監督)『女ざかり』(1994・大林宣彦監督)『岸和田少年愚連隊』(1996・井筒和幸監督)『あ、春』など数十本の映画作品に参加する。脚本作品としてはテレビ「鍵師5」の他、『SWING MAN』(前田哲監督・共同脚本)がある。


■町田博(撮影)

1954年、福岡県出身。1977年東北新社技術部入社後、河崎敏氏に師事し10年間の助手生活を経て、1987年CMキャメラマンとなる。「パナソニック画王」をはじめCMでの代表作は数多く、最近では「J-PHONE」シリーズやSMAPの出演した「ドラゴンクエスト・」も話題に。長篇映画としては『押繪と旅する男』(1994・川島透監督)でデビュー後、1997年『ポッキー坂恋物語』(前田哲・富樫森・村本太志監督)で総監督を勤めた相米監督と顔を合わせる。また石井克人監督の『鮫肌男と桃尻女』(1997)『PARTY 7』でも撮影を担当している。


■小川富美夫(美術)

1948年生まれ。1982年『シブがき隊 ボーイズ&ガールズ』(森田芳光監督)でデビュー。相米監督とは1985年の『雪の断章』で初めてコンビを組み、その後も1987年『光る女』1990年『東京上空いらっしゃいませ』1998年『あ、春』そして『風花』と、初期作品から付き合いの長いスタッフの一人。他にも『ラヂオの時間』(1997・三谷幸喜監督)『メッセンジャー』(1999・馬場康夫監督)など手掛けた作品は多数。


■木村太朗(照明)

1949年生まれ。1981年に『の・ようなもの』で照明技師としてデビュー。その後、主にCMの世界で活躍を続けながら、撮影の町田博とのコンビのもと『押繪と旅する男』『鮫肌男と桃尻女』『ポッキー坂恋物語』『PARTY 7』といった長篇映画作品で従来の日本映画に無かった新鮮なルックを獲得。また中島哲也監督と組んで『Beutiful Sunday』(1998)をはじめ「J-PHONEシリーズ永瀬正敏編」「JRA木村拓哉編」(各々ACC特別技術賞)などのCMでも活躍。


■野中英敏(録音)

1959年生まれ。中野俊夫氏に師事後、1990年に相米監督の『東京上空いらっしゃいませ』で録音技師として一本立ち。その後『お引越し』『夏の庭 The Friends』『あ、春』『風花』と90年代の全ての相米作品の録音を担当し“相米組”に欠かせない存在。その他の監督と組んだ近作に『はつ恋』(2000・篠原哲雄監督)『ekiden』(浜本正機監督)がある。


■奥原好幸(編集)

1954年、長野県出身。1974年に日活撮影所編集部に入社。1981年『青い珊瑚礁』(池田敏春監督)でデビュー。その後『BU・SU』(1987・市川準監督)『無能の人』(1991・竹中直人監督)など数多くの作品を担当。相米監督とは『お引越し』で初仕事の後、『夏の庭 The Friends』『あ、春』『風花』とやはり“相米組”常連の一人。1992年、994年、1995年と日本アカデミー賞優秀編集賞受賞。近作に『すずらん』(2000・黛りんたろう監督)『ekiden』等がある。


■小川久美子(衣装)

福岡県出身。東京にて育ち、美術系の大学に入学、演劇に接し舞台美術などを経験した後、多摩芸に再入学。学生時代からCMのスタイリストを始め、創刊間もない頃の「アンアン」にも係わる。デビュー当時の薬師丸ひろ子の写真集が縁で、1981年『セーラー服と機関銃』で相米監督と初仕事。これが映画衣裳のデビューとなり、以後1985年『ラブホテル』から『風花』まで全ての相米作品を担当。他にも映画では『Wの悲劇』(1984・澤井信一郎監督)『ナビィの恋』(1999・中江裕司監督)などの衣裳を担当、またTV・CFの世界でも幅広く活躍中。


■大友良英(音楽)

1959年生まれ。ターンテーブル奏者/ギタリスト、作曲家として日本はもとより世界各地でのコンサート、レコーディング等、常にインディペンデントなスタンスで活動。特に1990年より8年間活動したGROUND-ZEROを中心としたサンプリング作品での国際的評価は高い。また、映画音楽家としても『青い凧』(1993・田壮壮監督)『女人四十』(1994・許鞍華監督)など中国香港映画を中心に数多くのサウンドトラックを手がけ、ベルリンをはじめ多くの映画祭で受賞、高い評価を得ている。相米監督とは前作『あ、春』に続いてのコラボレーションとなる。